表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

26/39

22



「お い し そ う … ! !」



「賄賂なので遠慮なくどうぞ!」



「え、賄賂?」







「賄賂なんて無くてもそれくらいお易い御用だよ」



「さすがです素敵ですスーリヤさん!!」



自身の力不足を思い知った昨日。

そういえば炎の力の使い方も最初の1週間に習ったっきりで、ちゃんと使えているかと言われれば謎だった(実際、1日に2回も灯せなかったし)。

ので、休養日である今日、特訓を付けてもらおうと思ったのだ。

ちょうどアスカも休みらしく、スーリヤ空いてたし。






「本当はきっと、ジュリオ様が教える方がいいんだけどね」



「え、どうしてですか?」



「武器が似てるからだよ。俺のは剣で、力を纏って攻撃する。ニコラス様と同じ感じかな」



「ほうほう」



「ジュリオ様とフェリオは力そのものを武器にしてるだろ?」



「あ、私と同じ…」



「そういうこと」



私のと同じ銀の短銃を構え、的に撃ち込むと、その的が燃えだした。

────え?



「あれ、今…?」



「ん?あぁ、威嚇用なんだけど…」



かっこよすぎでは???










「俺は複数の力は使えないから感覚が全然わからないんだけど…」



とは言いつつも、やっぱり教え方が上手いと思う。

私が試しに放った1発を見て、数秒考え込んだ後、すぐに改善点を述べた。

ゲームや初対面の印象から、どうも頼りなさやアホの子っぽさがあったのに、全然そんなことない。

さすがメインキャラである。人気ある理由がますますわかった気がする。



「──と、燭台の炎のイメージはこんな感じかな。前よりはイメージしやすくなった?」



「はい。やってみます」



目を閉じる。

イメージしろ。

赤く、轟轟と燃える炎じゃない。

青白く、水の様に静かに燃える炎を。


明るく照らす、青白い光を。

力を凝縮しろ。針のように、細く。



「────どう?」



「───────全然違う…」



細い炎の弾丸は狙った的の中心を撃ち抜き、そこから静かに、でも明るく燃えていた。

でも、体は軽い。



「多分、ペルラは轟轟と燃え盛る炎を自然とイメージしてたせいで、余計な力を使ってたんだ。燭台にそんな大きな炎は要らない」



最初にスーリヤは言っていたはずだ。

静かに燃える、青い炎をイメージしろと。

いつのまに忘れていたんだろう。



「でもこれで感覚が掴めたでしょ。次からは大丈夫」



「はい、ありがとうございます!」



ニカッと効果音のつきそうなくらいの笑顔に私も同じくらいの笑顔で返した。



「よし、さっそく明日テストだな!ちゃんと英気養っとけよー!」



「それもそうですね。じゃあこの後デートしましょ!」



「でっ…!?!?!?!?」



「え」



どうしたんだ、顔真っ赤にして固まってるし。



「あの、スーリヤさん…?」



「あっ、ああああああぁぁぁあ、や、わかってる!うん!回復には四聖剣が近くにいると早いってな!うん!!わかってた!!」



「は、はぁ…」



「よし、うん、早く行こう!うん!!」



「あっ、待ってくださいよー!」



あ、そういえばエリオット以外とデートって初めてかも。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ