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この宇宙は、とある5柱の神様が注いだ力で出来ている。
全てを司る創造神の天地の力をはじめ、炎、水、緑、風と5つの力が宇宙に宿っている。
「天地の力を持つ創造神は、その力を分ける前に殺された。受け継いでいるのは、この宇宙を守る役目を賜った女王と、その守護役──今だと聖騎士団長だけだ」
「他の力は?」
「それぞれの力を持つ女神が、栄えるようにと各星に生命を生み出したんだ」
「だから炎の星には炎の力を持つ人が、水の星には水の力を持つ人がいるってことですか?」
「正解だ」
「あれ?じゃあ四聖剣の力は?」
「創造神を殺す役目を与えられた男たちが女神から賜った力が元だ」
「ひえっ」
「今は女王を守る力として振るわれているから安心しろ。そして、その力は男と相性がいい。これが、男に浄化能力を持つ者が多い理由だな」
ゲームではこの力があることが当たり前のようになっていたから大した疑問はなかったけど、そんな起源があったとは…。
もしかして、始まりの物語にも関係してるかな?
「力の成り立ちは以上だ。次に力の相対関係。知っているか?」
「はい、習いました」
エリオットは上に炎、下に水、右に緑、左に風と書き込み、時計回りと十字に矢印を引いた。
「緑は炎を燃やし、水は緑を育てる。故に炎の力を持つ者には緑の力、緑の力を持つ者には水の力が使えるものが稀にいると」
「そうだ。水の力を持つ者が風の力を使えるのも、風の力を持つ者が炎の力を使えるのも同様の理由だ」
「でも、反対にある力は使えないんですよね?なら、エリオットは」
「…思い当たるのは、天地の力」
「でもそれって、2人しか受け継いでいないんでしょう?」
「────エリオット、出身は」
「いえ、詳しくは…」
「1番古い記憶が孤児院のです。私と同じ、5番目の準星です」
「──ふむ」
ジュリオは手を口元に当て、考え込んだ。
…これ、ゲームにもあった、スチルとポーズ一緒…え、めたんこ麗し…い、いや、私はエリオット一筋ぃ…!!
「少し、考えさせてくれ。わかったら報告する」
しかし、ますます謎が深まるばかりだ。ASKAってこんなに考え込まれてたか?
もしかしたら考察してた人がいたかもしれないけど、私はここまで考えが及ばなかった。
…うーん、まぁ、あの頃の精神状態は正常とは言えなかったからなぁ。
もんもんと考え込んでも仕方ない。
力の強い魔物との戦闘で、瘴気が想像以上に溜まってしまった。明日休養日にしてしっかり抜かないと…。
「…そうだ」
気付いたら、いちごたっぷりのストロベリーパイが出来ていた。