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私も混乱してきたので軽くまとめ回です。

そして今回から2~3日に1話の更新とさせてください。


「あっ、ペルラ───」



「ごめんエリオット、明日も休養日!!」



「えっ、えぇ!?ペルラ!?走ると危な───」










「言いたいことはそれだけ?」



「…え?」



「貴女、自分のことしか考えてないのね」



エルドラードの話は正直、初めて聞いた。

それでも、彼女の表情や話し方から、本当だというのはわかる。

それだけ過酷な状況を、何とかできる立場ならなんとかしたいだろう。


でも。



「私の師匠は、太陽から14番目の準星出身なの」



エリュシオンを除く惑星の中で、1番離れているこの星は、例に漏れず陽の光が届かない氷の星。

エルドラードとは反対に、極寒の地。



「まだ寒さに耐えられる生物がいたからそれを食べていたと言っていたわ。…それでも、毎日なんて贅沢だったと」



「お、同じ…?」



「多分、この主星と2つの準星以外は似たような環境よ」



エルドラードの話を聞いて理解した。

主星含めた太陽から3~5番目の星はそれなりに環境がいい。

父の取引先が主にこの星々からだから知っている。

でもそれ以外はよく知らない。

聖騎士団に色んな星出身がいたから話には聞いていた。…どこも似たような環境だと。



「貴女の話じゃ、自分とこが良ければいいって感じね」



「そ、そんなこと…!」



「女王の力は有限よ。バランス良く注がないといけない」



「でも、それじゃ…」



「私なら、もっと上手くやれるわ」



この8年、ずっと女王について勉強してきた。力の使い方も練習した。



「私が女王になる」













「って、その前に死ぬじゃん!!!!」



かっこよく啖呵切ったのに!!!!アホですか私は!!!!



…でも、ちょっと確認したいことが出来た。

なんか、ゲームと設定が違うところが多い。

ノートあったかな…まとめてみよう。


時間かかるから明日も休養日にしないと。









エリオットを振り抜き、自室でノートを広げる。

あ、罫線入ってないやつじゃん!助かるー!



とりあえずまずはゲームだ。



舞台は地球とよく似た星にある大陸。

女王のいる聖殿は、四季が楽しめるようにと日本と同じくらいの緯度だったのは覚えている。

そこの反対側──日本ならブラジルあたり──にある大陸・エリュシオンが舞台だ。

もちろんこちらも四季が楽しめる。

よく考えたらこっからもう違うのか。最初に気付くべきとこじゃん…!


配置に関しては変わらず、両端に小聖殿、真ん中程に湖があり、その中心に大聖殿がある。

──ん?そういえばこっちでは神殿だな。

神様がいる、のか?


ゲームではこの大聖殿に強大な魔物が封印されていた。

エリュシオンで暴れていたのを大聖殿と小聖殿を柱に、四聖剣の力を借りて燭台の炎、萌ゆる草木、爽やかな風、そして湖で押さえつけた。

その功績を称えられ、女王になったはずだ。

ただ、強大な魔物はそこから力を吸い取っており、力の弱い魔物を少しずつ放っていた。

炎が消えたことにより力のある魔物を放つことが出来るようになり、エリュシオンは混乱に陥った。

力をほとんど取り戻した魔物が燭台の炎を灯し直すだけで大人しくなるはずがない。

そして、大聖殿の燭台に火を灯す際にペルラに取り憑いたり復活したりした。



「多分、今回も中心に魔物がいる。…せめて取り憑かれるのは嫌だなぁ…」



ペルラが取り憑かれないためには、ペルラエンドか先に目標を達成するかのどちらかだ。

…ぶっちゃけ仲良くなれる気がしないんだよなぁ。なら、



「どうせ死ぬなら、一旦女王になるか」



あんな啖呵切ったんだ。

一瞬でも女王にならなくちゃ。



「あぁ、んで、アスカの出生だよ」



かなり過酷な状況みたいだけど、ゲームではそんな素振りも匂わせもなかったし、お菓子作りはむしろ上手だった。

…つまり、ゲームのアスカとは違う可能性がある。

姿形や中身はほとんど一緒だけどなぁ。


四聖剣に関しても微妙に違う気がした。

まずリュカ。

確かにペルラと仲良しな描写はあったかな。まぁ、どちらかというとペルラが突っかかりにいってた感じか。

リュカルートだと特に絡んできたから、多分リュカのこと好きだったのかなぁ。もしくは幼なじみみたいな感じだから取られるのが嫌だったか。…我ながら子供っぽいな!私じゃないけど!



スーリヤは…あんな抜けたシーンなかったと思う。

いつも完璧で、正統派ヒーローって感じ。騎士って言葉が一番似合う存在じゃないかなぁ。ゲームでは発揮するところがなかったのかもしれないけど。

あともう少しキザなイメージ…キザではないな。



フェリオは…そういえば武器は鎌だったか?

フェリオは自分が攻撃を受けたくないからと、遠距離からでも狙える弓矢を使っていたはず。矢に風を纏わせ、切り裂く。それが彼の戦い方。

それが鎌?風の力を使っているのは一緒だけども!…もしかしたら今後弓矢に切り替えるイベントがあるかもしれない。注意しとこう。


ニコラスは…今まだ絡んでないからなぁ。

知ってる限りは変わりないと思うんだよね。

ジュリオと同期で、昔女王に恋をしていたから、ジュリオと女王の前になると悲しそうな、寂しそうな、嫉妬のような、なんとも言えない表情になる。

ただ、普段はとても温厚で優しい方だ。


ジュリオは…記憶より女王に陶酔してる気がする。

団長は女王と様々な試練を乗り越え、相思相愛になった者がなれる。

ただ、この500年という長い時を経て、少しずつ女王への愛を失っていき、そのうち一生懸命だったアスカと恋に落ちる。ってのが彼のルートだ。

他のルートでも最低限の接触しかなかったはずだが…。



「なにか、あるのかもしれない」



と、言っても。

ゲームとの違いなんて私しか比べることが出来ない。

ゲームの話したって頭おかしいと思われるのがオチだ。



「うーん、どうしようかなぁ…」



頭使ったらちょっと疲れてしまった。

休養日なのにまともに休めてないから、今日は早めに寝るか。

明日は──せっかくだ。ニコラスを誘ってみよう。

何かわかるかもしれない。




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