11
「ふっ!」
力を込めた弾を撃ち込む。
その燭台から静かに燃える炎が上った。
「やりましたー!やりましたよスーリヤさん!!」
「よく頑張ったねペルラー!」
「あーはいはいよかったねー」
あれから7日が経った。
私たちは魔物浄化→燭台点灯→休みというローテを組んで試験に挑んでいた。
適度に休みを挟んだからか体は軽いし、少しずつ瘴気にも慣れた気がする。
最初は手から灯そうとしていた炎だけど、短銃に力を込めることが出来るなら応用すれば?という神の金言を頂き、みっちり練習したら出来るようになった。
スーリヤさんは私の第3の師匠だね!!
「したら、明日は休みにする?」
「そうですね、休みあるとはいえずっとこっちにいましたし…」
「あっ、な、ならさ…!」
「ってことでエリオット、付き合ってー」
「え」
「あ、う、うん」
スーリヤさん、ごめんなさい。
この1週間、本当に、本当にお世話になりました。
でも、私は、エリオットを攻略するって決めてるんです!!
自然と繋いだ手から伝わる力は、優しい気持ちが込められていた。
しかし、ここで問題である。
ゲームではエリオットのおかげで攻略対象との好感度や必須イベント等の攻略情報を確認していた。
そしてエリオットは攻略キャラじゃない。
つまり
ノ ー ヒ ン ト
である。
「ど、どうしろと…!?」
フラグクラッシャーと名高い生前は、攻略サイト見ながらでないとノマエンにしかたどり着けなかったんだ!
つまり!私!攻略できる気がしない!!
とりあえず、明日一緒にいられることは確定してるんだ。
な、何をすべき…1番好感度が上がる庭園デートが最優先か!
よし、そうと決まれば庭園で優雅にお茶をして、その後見て回る!計画おっけー!
美味しいお茶菓子作るぞ〜!!
「大丈夫…じゃ、なさそうだね」
体壊しました。
「今女王が力を込めてお茶とお菓子用意してるから、それちゃんと食べてね」
「うん、ありがとう」
パラメータがないから実感なかったんだけど、やっぱりかなりの力を使い、瘴気を溜め込んでいたみたい。
それに昨晩気合い入れて色々作ってたから…うぅ、かっこわる…。
「あんまり落ち込まないで」
「…エリオット」
「明日までに回復してよ。んで、庭園でお茶しようよ」
エリオットは何故こんないい男に育ったのでしょうか。
あまりの尊さに泣きそ…うっ。
「…ん、私、庭園に誘ったっけ…?」
「いや?甘い匂いがするからそうかなと思っただけ」
「さすがの洞察力で…」
ぽん。と額に置かれた手から力が伝わる。
…少し、楽になった気がする。
「僕にはこれくらいしか出来ることないけど…早く良くなってね」
「逆、になったなぁ…」
とくとくと早鐘をうつのは、推しからのファンサを貰ったから、だよね…?
ごめんなさい、ちょっと頭痛が酷いので短めです…。
治ってたら明日2本投稿予定です…。