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キバごん 近況報告  作者: キバごん
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近況報告90

 また一週間が経ちましたね。 またこのキバごんの出番ですよ。

 というわけで、みなさんお久しぶりです。 キバごんです。


挿絵(By みてみん)


 自粛期間真っ只中、みなさんはどうお過ごしでしょうか。 僕はひたすら絵を描いていました。 アナログだけでなく、デジタルのイラストも描いておりました。 それをお見せしたい、お披露目したい、そんな気持ちが僕の心をかきむしっておるのですが、そのイラストは版権物の絵。 僕が好きでやっているゲームのキャラなのです。 だからここに載っけていいのかわからず......。 見てやるよキバごんはぁーこのはぁー、とおっしゃっていただける方は、「見てやるよキバごんはぁーこのはぁー」と実際に口にしてから、僕のこのpixivに飛んでください。(https://www.pixiv.net/users/12747436) よろしくお願いします。


 そして、できましたよ。 前回のペン画が。

 いやぁー、かなり時間がかかりました。 そこまで複雑ではないのですが、シンプルさが難しく、かなり手間取ってしまいました。

 そんなペン画が、こちらです。 ストーリー付きでどうぞ。


挿絵(By みてみん)


 さわやかに吹く風が、絶え間なく揺らす原っぱに、ポツンと建つ家がある。 家にはえんとつがあって、休まずにぷかぷかと煙を空に向かって吐き出しているのだ。

 そして驚くなかれ。 なんとその煙はただの煙ではなく、どんどんとアイスクリームに変わっていく煙なのだ。 さらに、それらは空に向かえば向かうほど大きくなっていく。 バニラ、チョコ、抹茶、クッキーも入っていたりと。 見上げているだけでよだれが垂れそうになる光景だ。

 僕は今度、そのアイスクリームをとる網を背負って行ってやろうと思っている。 ずっととることができれば、わざわざアイスクリーム屋に出向いてお金を払うこともなくなるだろうしね。 本当に楽しみだよ。


 なんて妄想を、男の子はアイスクリーム片手に膨らませるのでありました。



 こんな感じです。

 僕は甘いものが大好きでありまして、アイスクリームはその中でも一番と言ってもいいくらい好きなわけですよ。 子どものときには、そんな大好きなものが大量にゲットできたらいいのに、なんて妄想を広げていたわけですね。 読者さんの中にも経験ある方もいらっしゃるのでは?

 それをイラストにしてみました。

 しかし、先ほども言った通り、シンプルだからか、かなり難しかったです。 ちゃんとアイスクリームはアイスクリームに見えるよう描けているのか。 風でなびく草をしっかりと表現できているのかなど、かなり課題も見つかりました。


 なんか課題が見つかってばかりだなキバごん。 それはいいけどちゃんと解決してるのキバごん。


 小説もしっかり書いておりました。 やっと見せられるよ......それではチョイ見せのコーナーです、どうぞ。



 バルとシウニーは通行人の波に押し飲まれぬよう、海斗を前にして歩いていた。 昼を超えても飲食店に流れる悪魔たちはあとをたたず、それらを横目にして3人はあてもなく進んでいく。

 海斗は済ませた昼食を思い返していた。

 昼食には焼きそばを食べた。 シウニーにとってはいいだろうが、姫や魔王といった役職が食うのだ。 それが中央街を訪れたときにはかなりの頻度でそれであるから、かなり雑な昼食のとりかただとつくづく思う。 位が高くても、故郷で過ごすのと同じように一般人的な振る舞いをしていることに、若干の不思議さを覚えるものだ。

 バルは海斗の袖を掴み寄った。 海斗はその意味を知っている。──彼女は人混みがあまり好きではない。 それが長い時間であればあるほどストレスになるらしく、複雑になった気持ちのぶつけかたがこの行動なのである。 これをしたら海斗は適当な、人通りの少ない道をみつくろってはそっちに行くようにしている。シウニーももちろんそれを知っていて、疑問1つ言わずについてくる。

 今回の曲がり角には、ペット屋があった。 ガラス張りになった壁の向こうには、元気な犬や猫がいて、こちらを見た。


「わぁ……かわいい……」


 シウニーはひきつけられるように、ゆっくりと寄っていった。

 海斗は、バルを彼女とはさむように歩き、ガラスにおぼつかない様子で前足を何度もなんども擦り付けている、チワワのような犬をまじまじと見た。


「かわいさだけだよ、こいつらにあるのは。 檻の中に入れられた不自由、金持ちという強者に膝をついて腹を見せていく服従っぷり……所詮かわいさを抜いたら俺たちとたいして変わんねェんだよ」


「魔王様と違ってかわいさがあるだけで大勝利じゃないですか。 人生勝ち組じゃないですか」


 バルはしゃがんで、丸まってこちらを見る猫と目を合わせた。


「ある種、自由でしょう。 こうして売れ残っていても、かわいさを店外へと振りまいているだけでエサも飲み物も出てくる。 ニートの方が得られる自由もあるでしょう? それです、この子たちは」


「姫、言い方を変えてください。 あなた様にまでそちら側に行かれてしまってはちょっとばかししんどいです」


 しばらく眺めていたが、ペットたちの奥を通った女店員の、にっこりとした顔を向けられたシウニーが恥ずかしくなったのを皮切りに離れた。 人通りが少なくなり、バルは海斗の袖から手を離した。

 海斗は眉をひそめ、遠くをながめた。

 シウニーはうわの空気味に「ペットいいなぁ」だの「ペット飼いたいなぁ」だのと呟き続けたもんだから、思わず眉をひそめてしまった。 海斗は歩きながら、うしろに続く彼女に言った。


「お前そんなこと言ってるけど最後まで飼える自信あんの? 難しいよォー? あいつら健康のために高いエサを与え始めたらそれしか食わなくなるし、散歩もがめつく要求してくるよォー?」


 シウニーも眉をひそめて口を横に伸ばした。


「自信だけはそりゃありますよぉー! ちゃーんとお金は貯めこんでますし、散歩だって行ってやりますよぉ!」


「死んだら悲しいよぉー? 魂こめて育てて、家族愛にも似た感情を抱いた先に待っているのは『死』だけなんだよぉー?」


 シウニーは苦い顔をした。


「それは……まぁ、そうなんですよねー……」


 それに耐えれるかどうか……と紡いで、シウニーは上くちびるを噛んだ。

 確かに、そうだ。 犬でも猫でも、どんなペットでも、共に過ごした日々は思い出となって心を育ててくれるだろうが、しかしそれは死によるお別れの悲しみを濃くさせる原因にもなることが、シウニーもよくわかっている。 それがペットの飼育をためらわせるものでもあった。 だからああやってペットショップの前で親指をくわえるだけになってしまっている。

 海斗は海斗で、友人が飼っていた、自分にも思い出深い犬のポチが死んだことを思い返していた。 魔界に迷い込んだあの日、ポチも違う世界に逝った。 飼い主である直樹はいつものように気丈に振る舞っていたが、どこかぎこちなさを感じたものだ。


「死なないペットとか……あ、ロボットの犬とかは?」


 代替案を閃いた海斗に、シウニーは首をふった。


「あんなの一緒にいても楽しくないですよぉっ! やっぱり1つの命と接するからこそ楽しくて、充実した時間を過ごせるんじゃないですか」


 バルはそれを聞いて口をひらけた。


「ロボットだってバッテリーという心臓と電気という血液があるではありませんか」


「似て非なるものです! 原産地が骨と発電所の違いは大きいでしょう!?」


 海斗はため息をついて、「乙女心は難しいねぇ〜」と言葉をもらした。


「乙女心関係ないです。 ただの心です」


 シウニーは2人のにほ後ろを歩いていた。

 バルは視線を地に落としていた。

 シウニーがペットを飼いたいというのなら、協力したいという気持ちは常にある。 自分も動物が嫌いなわけではない。 さっきのペットショップにいた彼らのことも可愛いと思うし、人懐っこくテレビに映る姿を見ると、一瞬だけであるが自分も飼いたいという気持ちが浮かぶものである。 しかし、死による別れが怖いというのならば、自分はどうすることもできない。 悪魔であろうとも、死をどうこうすることはできないのだから、その気持ちをシウニーが持ち続ける限り、「じゃあまだ飼わなくてもいいだろう」という言葉以外にかけようがない。 実際、以前にもそんな話をした気がする。


 どれくらい歩いただろうか。

 ペットショップから、そこまで立っていないような気がするが、あまり人が多くない通りにまでやってきていた。 すると海斗の、「なんだあれ?」という言葉に、バルは自分の世界から呼び戻されたように、彼が向いている店を見た。

 そこには小さな人だかりができていた。 薄いざわめきの向こうに、やたら甲高い男の声が聞こえた。 歩み寄って人だかりの隙間から覗いてみると、その男が見えた。



 次の改稿は長編「呪われた子」でございます。

 これは全開のどっかで言ったように、一気に改稿するのではなく、だんだんと改稿していくというスタイルをとっていきたいと思います。

 おおまかな骨組みはもう完成しましたのでね! やっとね! 明日は小説の日にしよう。


 ではみなさま。 コロナで自宅待機が続きますが、それも多分もう少しです。 この調子でいきましょう。

 また来週、キバイバイ。

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