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キバごん 近況報告  作者: キバごん
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近況報告56

 なんなんだろうなぁ......キバごんです。


挿絵(By みてみん)


 僕の作品を読んでくださっている方はご存知の通り、イラストと小説を書いています。 どっちも極めてみようと、極地に立つ人間になってやろうと、野望を持っているんですが......その歩み方がときおり、見失うような気がするときが多くなったんです。 どういった感じで上達していけばいいのか、見えているようで見えない。 で、これはスランプなのか? とも思ってみるのですが、それって考えてみたらうまい人じゃないとそうならんなぁと思って。 八方詰まりという訳ではないですが、なんだか辛いです。 はやくうまくなりたいのになぁ。


 でも、決してやめようとは思わないです。 創作には触れていたいんですね、こんな端くれでも。

 だから、この一週間は、人の作品に思いっきり触れてみて、自分の創作を思いっきりやってみようかと思っています。 先週で重ねたこの悩みを崩し、瓦礫となったそれから成長のタネを見つけるときだと思いました。


 ほんで、ついさっきぱぱっと描いたイラストがあるんです。 見てくださいますか? これです。


挿絵(By みてみん)


 なんだか、モノがまばらで寂しいですね。 奥行きもないし、なんだかおもしろくないイラストです。 キャラは「もしまお」のベリアルです。 機械いじりが好きな悪魔ですね。 彼女の、機会をいっぱい詰め込んでるガレージ内での一服、的な感じを描きたかったのです。 まだまだ描けるスペースがあるので、描いていって、来週の報告でまた貼ろうかなと思います。

 他の人の、ごちゃっとした上手なイラストを見ると、うらやましいな〜と思いますね。 マージ自分のスキルの無さでヘコんだりしますからね。


 あとは、次の改稿文のチョイ見せですわ。 あ、マズイ、報告してる本人が暗くなってめっちゃつまんねェ報告になってる気がする! だから海斗頼むわ!! 明るい雰囲気にしてくれオナシャス!!!



 昼の陽の下で、はずむボールの軽快な音が響いていた。 アリフトシジルにも、原っぱのような場所がある。 とても広いというわけではないが、海斗とラーファは、街からはずれた、城から西方面にある広場でボール投げをしていた。

 今日はあまり仕事が多くなく、昼過ぎに全部終わった海斗に、ラーファが、あそんでくれないかと言ってきた。 確かに、いすにばかり座っているのは不健康そのものだと思った海斗は、おずおずと、機嫌をうかがうような上目遣いのラーファの申し出をのんだ。 そしてラーファに誘われここにきてみたが、なかなかにいい。 ほとんどを芝に覆われ、数本の木が見えた。 かしもあるようで、杉もある。 海斗のずっとうしろには、ガレージが横についた二階建ての家が、この広場は我のものと言わんばかりにどっしりと立っていた。 たまにドリルを使っているような音が風に流れてきてから、なにかをつくっているのだろうか。

 飛び切らずに、途中で落ちてころころ転がってきたボールを、海斗はしゃがみ取った。 ラーファは笑顔で、両腕を取れんばかりに振っている。 海斗は、自分が兄になったような、父になったような気持ちが混ざる心を抱いた。 そして今度は、馬鹿正直にただ投げるのではなく、ボーリングのように強く転がして見せた。 ボールが芝を踏む、さわっさわっという音の先で、ラーファがにこやかにわしっと、身体全体で取った。 それからあの笑顔をむけてくる。 変な気持ちになるのは、ああいった、些細なことに対しても一生懸命に見えるからなのだろう。


「魔王様、いくよ〜」


「お〜」


 あれから何度かボールを往復させたあと、海斗が、少し強く投げて、ラーファの頭上を大きくこえてしまった。


「あっ! すまん!!」


 あまり気にしていないように、微笑みながら走り出そうとするラーファは、突然止まった。 見えない壁でもあったかのようで、それは、飛んだボールの終点にちょうどいたアイナのせいだった。 海斗とラーファのあいだ以上離れた場所の彼女は、足先にとんと当たったボールをかがんで取って、2人を微笑気味に見た。

 海斗は彼女に向かって、手を振った。


「アイナ〜、投げてくれ〜!」


 アイナは静かに笑い、

「お前こんなところにまで投げるなんて、ちっとは手加減してあげなくちゃいけない、ぞっ!」

振りかぶって海斗向かって投げた。しかし彼女の物言いとは裏腹に、風をぶった斬るような投げ方をした彼女のボールは、海斗をいとも簡単に超えた。

海斗は凄まじい速度で過ぎ行くボールをあおぎ見た。


「ちょっ!お前こそ手加減が必要だろうが!!あぁッ!!そっちには民家がァッ!!」


 飛んで飛んで、小さく成り果てて、ボールは、ちょうどあいていた民家の窓の中にはいりこんだ。

 なにをやっているんだかと、海斗の口からおもわず「あーぁー……」と声が漏れた、その途端。 ひゅっと、なにかが圧縮したような音がした直後、その民家の中から途轍もない爆発音と、窓から炎と黒煙が膨れ出た。

 三人はつかのま、呆然と立ち尽くしてみていたが、海斗ははじかれたように民家へと駆け出した。



 明るくなったかな海斗。 ちゃんといい空気にしてくれたかな海斗。

 辛いんですが、楽しいのは楽しいんですよ。 やっぱり物語るというのは、自分が本当にやりたいことなので、やり続けたいとは思うんです。 でも最近、イラストでも小説でも、「うーん」っていう場面が増えたんです。 これからどうしようという意味でも、これはいいのかという意味でも。


 これを乗り切って、スキルアップするんだよキバごん。

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