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転生エルフ無双! ~筋肉さえあれば魔法など不要という暴論~  作者: ぽんこつ少尉@『転ショタ3巻/コミカライズ3巻発売中』
第六章

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第45話 魔族滅亡

前回までのあら筋!



ババア、覇道を征く!

 レヴァ子曰く。



 えっとですね。

 その後ストラシオン騎士団は何度か橋の突破を試みたらしいのですが、なんだかえっと……その……絶大な被害? 損害? を出してしまったらしくって、ストラ街道の橋を渡ることはあきらめたそうです。


 え? 被害総数ですか?

 さすがにそこまではキュバ子さんも聞いていないとのことでしたわ。


 ただ、リガルティア様は不殺ではキリがないと言って途中で足止めが面倒になったらしくって、騎士をどんどん川に投げ落とされたようですわ。

 投げ落とされた騎士たちは仮に泳いで戻れたとしても鎧と剣を川底に捨てざるを得ないので、武装解除もできるから一石二鳥じゃあグハハハハーと言っておられたとか。


 あとその件に関しまして、これは何を仰っておられたのかよくわからないのですが、精霊王まで水に叩き込んでやったとのことです。ウフフ、さすがに何かの間違いだとは思いますけれども。


 まあ、その結果として、被害があまりに大きくなり過ぎたので、王都ストラシオンから自由都市国家ガラディナに救援要請が送られたらしいとだけ。


 ウフフ♥ きっととてつもない被害だったのでしょうね♥


 幸か不幸か、今のところは人魔戦争の再発はどうにか阻止できていますが、亜人領域にあるガラディナから亜人たちの軍勢まで派兵されてきたとなれば、人、魔、亜の三国がくんずほぐれつの大乱こ――あ、いえ、大乱闘ですわっ。


 フフ、アンデッドが捗りますわね。


 あ。ただ、ストラシオン騎士団も亜人軍の救援が来るまで黙って見ているわけではなかったようです。


 どうにか橋を守る三名のエルフ様方を迂回できないかと、およそ五千の勢力を二つに分散させたようで。リガルティア様たちが立ち塞がっている大橋におよそ半数を残して、残る半数は消えちゃったらしいです。


 消えた半数の行き先ですか?


 フィラの街を経由して北上、レインフォレストを東側から迂回、フィルガ湖付近から向こう岸に仮設の橋を通すつもりだったらしいのですが、それを先読みしたリガルティア様は足の速い(マッスル・ランナー)フェンバート様に命じて、仮設橋の対岸にまで先回りさせ、建設中の橋脚をへし折らせるという嫌がらせに出たみたいですわ。


 亜人軍の到着時期ですか?


 さすがにそれは予想がつきませんわね。亜人軍はその大半が獣人(ライカン・スロープ)ですから、馬を必要としないくらい足の速い方々ばかりですもの。


 現状のままですと、リガルティア様とルフィナ様は、お二人でストラシオン騎士団と亜人軍の連合を相手されることになるでしょうけれど、大丈夫なんでしょうかねえ?

 といいますか、亜人軍でしたら橋などなくとも、川くらいは泳いで渡ってしまいそうですけれども。



     ※



 二人のエルフは白目を剥いて頭を抱えた。

 人魔戦争を阻止するため、国境都市ランデルトを占拠した魔族リゼル軍と、王都ストラシオン騎士団の接触を止めるつもりで頼んだのだが、どうやら裏目に出たようだ。


 これまで沈黙を保っていた亜人王が、同盟相手である人王のために派兵をした。

 このままではレヴァ子の言うとおり、人魔戦争どころか人魔亜の大陸戦争に発展してしまう。


 否。裏目と決めつけるのはまだ早い。もくろみ通り、人魔戦争の開戦を先延ばしすること()()は成功している。

 さっさと魔神イブルニグスを倒し、リゼルを魔族領域ライゲンディールに帰し、ランデルトを無傷で解放すれば、いかな人王とてその矛を収めざるを得ないだろう。

 報復措置はあるだろうけれど、大規模な戦争には発展しないはずだ。



「セイさん……」

「うむ……ばーさんめ……。……やり過ぎだ……」



 アンデッドの王とも言われるレヴァナントは、吹雪や疲労など意にも介さない。

 モルグス近郊の猟師小屋で旅支度をしていた誠一郎は、思いの外早く戻ったレヴァナントのレヴァ子の報告に顔をしかめた。


 騎士団の数を減らせば、当然援軍が来る。軍規模が大きくなってしまう。

 まさかそこに亜人国家が乗り出してこようとは思ってもみなかったけれど、これは本当に大変なことになってしまった。

 このままではアズメリア大陸の全土が戦禍を被るかもしれない。



 神影との戦いから四日が経過していた。現時点でレヴァ子が戻っているということは、睡眠も休息も取らず、マドラスとモルグスを往復してくれたということだ。


 誠一郎は黒地に白のレースをあしらったドレスの美女に、頭を垂れる。



「すまなかったな。助かったぞ、レヴァ子よ」

「いえいえっ、そんなっ! その……もしお礼をいただけるのでしたら、精気をほんの少しだけ分けていただければ……と」

「悪いが、今はだめだ。体力を減らしたり筋肉を萎ませたりしている場合ではない」



 顔色の悪い美女の顔が曇った。



「……あ、はい」

「だが、イブルニグスを倒した暁には、約束しよう。良質の精気をキミにたらふく喰わせてやる」



 フィリアメイラが非難がましい目で誠一郎を睨む。



「セイさん!」

「かまわんさ。その分またおれが筋トレを積めばいい」

「そういうことじゃなくて……」

「あ、あ、ありがとうございますっ」



 わかっている。

 死者であるレヴァナントにとっても、体力は無限にあるものではない。精気が必要だ。

 それに、レヴァナントの力は陽光の下ではかなり衰える。死の森のごとく、多少なりとも陽光を遮る木陰でもあれば別だが、朝夕を問わず平原を走り続けるのは並大抵のことではない。

 長距離をわずか四日で帰ってこられたのは、ライゲンディール地方北部であることが幸いしたからだ。すなわち、常時空を覆っている雪雲だ。


 それでも陽光は雲を貫き大地を照らす。

 走ったのだろう。この漢のために。レヴァナントの女は。


 ただ、それでも。



「嬉しい♥ お慕いしておりまぁ~す♥」



 目にハートが浮かんでるんだよ、こんにゃろう。身体をくねらせやがって。


 とはいえ。

 フィリアメイラはそっと誠一郎の横顔を見上げてため息をついた。



「それがセイさんよね……」

「ん?」

「なんでもありませんっ」



 直後、猟師小屋奥の扉が開き、大柄な継ぎ接ぎだらけの生態ゴーレムが身をかがめながら室内に入ってきた。



「出発できるか、セイ?」

「ああ。もう問題はないぞ、レーヴ」

「それと、先ほど雪原を南へ移動している一家に話を聞いた。ガルザミルはすでに滅亡している」

「ぬ!?」

「ガルザミルを治めていたディアボロス・グルドも、イブルニグスの胃袋の中だ。向かうだけ無駄。もはや生者は誰もいないらしい」



 フィリアメイラが絶句して眉をしかめた。



「じゃ、じゃあ、もうライゲンディールの都市はすべて……」

「むう……」



 誠一郎が小さくうなる。


 誠一郎の師匠の消息はモルグスで途絶えている。イブルニグスを追ってガルザミルへ向かったか、あるいはすでにイブルニグスに喰われたか。



「レーヴ。犠牲者の中に、人間のようなディアボロスはいなかったか? 恐ろしく強い御方だ」

「ああ。それなら聞いたぞ。単身でガルザミルの軍勢を突破し、イブルニグスの襲来とディアボロス・グルドの敗北を予言しに来たやつがいたそうだが、それが原因でグルドの怒りに触れたらしい。ガルザミルの刑場で処刑されたそうだ」



 誠一郎の表情に戸惑いが浮かんだ後、驚愕へと変化した。



「バカなッ!? そんなバカなことがあるものかッ!?」

「なんだ? 知り合いか?」

「おれの師匠だ。おそらくな……ッ」



 そのあまりに険しい表情に、レーヴが慌てたように付け加える。



「待て、セイ。まだ続きがある。処刑は執行された。確実に。毒殺だ。執行官もやつの死を確認した。ところが、その日のうちに死体は刑場から消えたらしいぞ」

「なんだとっ!? くそっ! もうわけがわからん……ッ!」



 滅多に見せない誠一郎の表情の変化に、フィリアメイラは戸惑った。

 どう声をかけてよいのかわからない。



「セイさん……」



 しばらく沈黙した後、誠一郎は長い息を吐いてから口を開けた。



「レーヴ。逃亡した一家はどこへ向かっているのだ? 南に都市はあるのか?」

「ない。オークタウンがあるだけだ」

「オーク……タウン?」



 フィリアメイラがつぶやくと、レーヴが説明してくれた。



「オークどもの発祥の地だ。争いを好まんオークはオークロードの元を離れ、オークタウンに向かう。そこにはオークしか存在していない。逃亡していた一家はオークではないが、もはやそこにしか行き先を見出せなかったのだろう」



 フィリアメイラは心の中で「うわぁ~……」と思ったが、声には出さなかった。


 お芋さんと、セクハラ。オークにはその二つの概念しかないのだから。避難中の一家に女性がいれば、セクハラの嵐に巻き込まれるのは間違いないだろう。


 レーヴがぽつりと付け加える。



「魔族は事実上滅亡状態だ。それこそディアボロス・リゼルの一派を除けばな。喜べ、人魔戦争など起こそうにももはや起こりようがない。リゼル一派の一千だけが、魔族に残された勢力では、人間の一方的な虐殺にしかならんさ」



 フィリアメイラは思った。

 人類最強のストラシオン軍もリガルティア様にボコられてるから、結構いい勝負になるのでは、と。



「ふむ。ならば我らもオークタウンへ向かうか」

「はい……えっ!? ちょっ!? イブルニグスってディアボロスみたいな強い生物を食べることが目的なんですよねっ!? オークなんて食べてもお腹壊すだけでしょ!?」



 レーヴがあからさまにあきれ顔で言った。



「オーク領域の先には神域が存在し、その西には最上位生物であるレッドドラゴンが、南には野生の力を持った亜人の領域がある。それら二つの種族は、人間以上に魔神の標的になりやすいはずだ」

「つまり……?」

「オークタウンと神域を通って、我らはイブルニグスを追う。そうだな、セイ?」

「ああ。それに、死体が消えたのであれば師匠は生きている気がする。あの方は生者を守るためにのみ戦う。ならば、どのような命も見捨てはしまい。南へと向かわれるはずだ」



 そうして誠一郎はぽつりと付け加えた。



「オークタウンか。師匠が猛烈なセクハラに遭っていなければいいのだが」



 その言葉に心底同意でうなずいてから、フィリアメイラはふと気づいた。



 あれ? お師匠様って……女性なの!? ちょっとっ!? 聞いてないんですけど!?


オーク族?

あんなもん、ロード以外はただの豚だ!


(♯`^ω^) n

⌒`γ´⌒`ヽ( E)

( .人 .人 γ /

=(こ/こ/ `^´  

)に/こ(


※更新速度さらに低下中です。

 しばらくこの状態が続きます。

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