クロネコと契約
こうみえても、ピチピチのX歳です(*゜ー゜)v
「やあ、また会ったね」
そう言って、クロネコは私の枕元に座った。
「今何時だと思ってんのよ、この変態」
「あらあら、今は夜中の2時。でも此処は夢の中よ。だから何の問題もない。それに一応私の性別はメスよ」
クロネコは前足を軽く上げて私をからかうような表情を見せた。
実際にベッドから出て時計を確認すると、短針が北東の向きを指していた。驚いた事に、秒針は6の数字の上を行ったり来たりしていた。
立ち上がって外を見てみると、いつも通りの夜景が見えている。夢の中にしてはかなり現実寄りだ。
「本当にここは夢なの?あなたが私を真夜中に叩き起こしたようにしか見えないけど」
「少々酷いいいようね。確かにいつもとは殆ど変わらないけれど、少なくとも非現実である事はそこの時計が証明してくれているよ」
恍けるように言ってはいるものの、その言葉は真実味を帯びていた。
まぁ、望んだのは私なのだから、今更気にしなくてもいいだろう。
「まず改めてお互い自己紹介をしよう。と、その前に1つ聞きたいことがある。」
クロネコは、凛とした目を片方閉じて、茶目っ気を入れながら尋ねる。
そして、噂通りの言葉を呟いた。
「君の願いを叶えよう。その代償に、私の願いを叶えなければならないわ」
「目には目を。歯には歯を。等価交換ではなく、望みには対価と」
「ーー君の大事な一部を」
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最近シャンプー集めにハマっております。