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極私的仏教考察 Extreme private Buddhist consideration  その3    (インドでの終末期仏教)

作者: 舜風人


㊟あくまでも私の個人的な、私的な考察であり、この考察が、科学的・学術的に、必ずしも正しいという保証はできかねます。念のため申し添えておきます。

納得するか?納得しないか?

信じるか?信じないか?

それはあなた次第です。









直接原因はイスラム教徒のインド侵入と席巻である。

かれらは仏教寺院を徹底的に破壊したからである。

そしてインド北部は完全にイスラム国家となったのである。

しかしインドの南部にまでは侵攻できず、インド南部はインド古来のバラモン教の

国家群が栄え続けた。そしてインド伝統のヒンドウー教が護持できたのである。

そうして異端派?に過ぎない仏教は南部でも、急速に勢力を失っていった、

というかインドの大きな民族伝統であり背骨であるところのヒンドウー教に吸収されて消えた、、と言ったほうが良いのかもしれない。

そのころの仏教はもはや原始仏教の清新さも失せて

インド伝統の性力派宗教であるタントラ教とほぼ同じと化していたからである。


仏教は、、そもそも、インドに於いてはヒンドウー教の一派、、というか

異端派、、として認識されており、まあたとえは悪いかもしれないが

キリスト教とは、ユダヤ教の、一分派、、1異端派だというとらえ方にも似ているのだろうか?

確かにイエスなる存在も、ユダヤ教の土壌からしか生まれえなかったという事実からもそれは

正当だろう。

仏陀、、ゴータマシッダルタも、インドのバラモン教的なヒンドウー教的な地盤からしか

生まれなかったのだから。

そういうわけで仏教はインド人にとっては、ヒンドウー教の一派?、、という認識なのである。


さて前置きが長くなりすぎました。



インドで仏教が滅びたのは

仏教自体の内部原因もある、、と私は考える。

先にも書いたように当時の仏教は

いわゆる密教であり、しかも左道密教である。

いわゆる原始仏教においては清新な平等主義や

中庸主義が主流であり、教え自体も素朴な?内容であった。

しかしその後、インドという宗教のるつぼ?のような国では

他宗教との論争に勝つために仏教の自己確立のために

より論理的に、、宗教哲学を確立させる必要があったのである。

そこで生まれたのがいわゆる大乗仏教の空の哲学であり

唯識思想であった。


そこから更に如来蔵思想が生まれて

さらに、法華経、華厳経、浄土教の各宗派が生まれた。

これらはもはやすでに原始仏教のころから見れば全く異質の仏教?である。

というかもう仏教ではない?とさえいえるかもしれないだろう。

というのはあの現身の釈迦が説いたはずもない教義がそれらの大乗経典では堂々と説かれているからである。


では彼ら大乗教徒たちはその齟齬をどう説明したのか。


あの、肉身のの仏陀ゴータマシッダルタはつまり化身であり、実は

仏陀とは過去世に於いては何千人も存在しており、その中のおひとりがあのお釈迦さまに過ぎない、、というのです。つまり久遠仏こそが本当の仏陀でありこの法身仏は未来仏でもあるわけですね。


肉身の、あの、お釈迦様だけに依拠するべきではない、、というわけですね。


つまり法身こそが信仰されるべきであり

最末期の仏教である「インド密教」では

それこそは「大日如来」であり

「毘盧遮那仏」であると。

まあ簡単に言うと、、

あの仏教の開祖の現身のお釈迦様はですね、こういう法身仏の、使いぱっしり?みたいなもの?ということです。


更に密教では大乗仏教よりもさらに、高次の境地として

「ヴァジラヤーナ」(金剛乗)を唱えるのである。

「ヴァジラヤーナ」っていうと、どっかで聞いたことおありでしょう?

これ以外でも、「クシティガルバ」(地蔵)とか「マイトレーヤ」(弥勒)とか

ポア(チベット語で死ぬという意味)とか

インド仏教用語とかヨガ用語を適当に流用、誤用しまくってましたよね。

まあインド仏教からすればいい迷惑ですよ。

何の関係もないんですから。



でもバジラヤーナの本来の意味は

陀羅尼と真言と曼荼羅、ムドラ、という修行法に依る、秘密仏教です。

これらを大乗仏教を越えた最上の仏教として彼らは

ヴァジラヤーナと称したのです。


しかしこの教えはあまりにも大風呂敷を広げ過ぎて

すべてを全肯定するという危険な教えでもあるのです。

だから

これらは、しかし、ごく一部の心得のある修行者だけが許された

秘密の、仏教であり、そういう人だけに許された

即身成仏なのである。


誰も彼にも公開したら危険なのですね。


なぜなら


煩悩即菩提であり


愛欲即菩提であり


悪人即菩薩であり


快楽即菩提である。


これが公開されたら?ヤバイ?でしょう。


ただ、、どうでしょうか?


これらの教えを表面的に解釈によっては


酒飲もうが


愛人10人持とうが


あくどい金儲けして人を自殺させようが


キケンドラッグ吸いまくろうが


或いは殺人しようが


すべてOKということですからね。


そういうわけで

最末期のこれらの密教の一派に於いては


「美しい娘と交合することがサトリだ」という


まさにタントラ教と同一なところまで行ってしまった一派もあるのです。



まあ、ここまで来ると


お釈迦様もビックリですよね。


これではもう仏教ではないでしょ?


かくしてイスラム教徒の侵入以前に


仏教自体の自己崩壊が始まっていた、、と、見るのは


わたしだけでしょうか?


かくしてインドでは12世紀には仏教は終焉を迎えるのです。




ああ


原始仏教の、あの、清新な御教えは、どこに消えたのでしょうか?



諸悪莫作


衆善奉行


八正道


論争の超越


諸行無常


執着するな


五蘊皆空


涅槃寂静


万人平等


中道こそ正道



ああ、



これらの教えは



一体どこに


消え去ったのでしょうか?



まあ


11世紀にインドで


仏教が


何やらわけのわからない


密教(左道)という,進化?というか


堕落というか


を、遂げて


その結果、滅亡したのも、


ある意味、


当然であったのでしょうね?



まあ、当時のインドの宗教界を見渡せば


そりゃあもう、


オカルト的な、秘儀や、秘跡や魔術や、祈祷やら、性宗教が蔓延してたのですから


まあ仏教だけが


清新に、、清らかに、、と言っても、


ムリ?だったのは、、まあ、理解はできますがね。


時代に合わせて仏教も変化せざるを得なかった?ということでしょうね。

時代が下るとあの清新な初期仏教も、

当時隆盛を極めた「タントラ教」の教義も取り入れてもはやタントラ教と同じ?になってしまった


だが、、そうして変化してしまったことで


仏教はその本義をいつしか失い


インドの当時の魔術的民間信仰と同一化してしまったというわけでしょう。


そうして仏教ではなくなって?


タントラ教と同化してしまい、インドの大地に吸収されて消え去ったということでしょうね?


ところで、


今、日本で、庶民にまで信仰されているのは



やはり


法華宗(日蓮宗)であり


禅宗であり


浄土宗である


というのも、うなずけますよね。


これらはタントラとは無縁ですものね。


性儀式やまじないや、呪符、呪い、祈祷、超能力、秘密儀式を


取り入れたら、、それは、、その宗教は相当



キケンなところに手を出した?と、


言われても仕方ないでしょうからね。


特に宗教と性儀は、絶対にダメです。


それ以外は?


まあ程度モノでしょうね。



ところで、今、日本にある、


まあ真言密教にしろ


天台密教にしろ


性儀は完全に排除している、


健全派?密教ですから、


そこは誤解の無きようにしてくださいね。





続く




お知らせ


私の作品で、、続き物、連作、シリーズものを、すべてお読みになりたい場合には、「小説家になろう」サイトのトップページにある「小説検索」の欄に、読みたい連作シリーズ作品群の「共通タイトル名」を入力して検索すれば、全作品が表示されますので、たやすくお読みになれます。

続きを読む方法は「小説家になろう」サイトのトップページの「小説検索」の欄に

「極私的仏教考察」と入力して検索すれば全編が表示されますので全編読むことができます。







主要参考文献


インド思想史  中村元


印度哲学史  宇井白寿



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