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stardust fantasy  作者: そうしょう
1 始まりの三人
6/36

6

「えーっと…」

ごそごそと日が傾いた部屋の中で、彼女は探し物をしていた。と、彼女の後ろから声がかかる。

「これ?」

「あった!そうそれ!」

青年が手に取った本を指さして、彼女は嬉しそうに声を上げた。


冷音部。≪力≫を調べ、研究し、纏わる謎を解決する部活。

どこか遠い、遠くの昔、声がする。悲痛そうに、自分を殺してと訴えた少女の声が残って消えない。もう、あんな声を聞きたくない。いつだって、どんなときだって。

「前くん、これで良さそうだよ。でもって、正直予想していたことの最悪のパターン、かな」

「………、そっか。」

前は資料に目を通す。


―――君のためなら、なんだって。


×××


風が強く吹いている。その中で遠いところに来たのだと、なんとなく少年は思った。フードがついた上着と短めの髪。そして右目を隠す黒布。何より不思議なのは、少年が星さえ見えている空の元、赤い傘を携えていることだった。少年はゆっくりと深呼吸をすると、ポソリと呟き、黒布を外す。

「≪二重人格≫」

黒布に隠されていた瞳は輝く金色だった。赤と金の瞳が何回か瞬きをすると、やがて笑みが口元をなぞる。

「――行くか、≪運命≫を探しに。」

一人、そう呟くと――地を蹴って、身を宙に踊らせた。








傘が花を咲かせるかのように夜空の元で開かれた。

彼が≪運命≫を担う者と出会うとき、物語は始まる。


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