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第23話
「キャッ」
少女は思わず声をあげる。
耳元を銃弾がかすめていったのだ、無理もないだろう。
「…警告、ですか」
ネロが連隊長に聞く。
まだ煙をわずかに吐き続けている銃は、先ほどと位置をわずかに変えた程度で、相変わらずネロを狙っている。
「そうだ。元の仲間をそのまま殺すのは忍びないからな」
「心遣い、ありがとうございます。しかしながら、そこを退いていただかなければならないのです」
「それはならぬと、すでに言っているだろう」
「ならば、実力行使ですっ」
ふわりと少女の体は宙に浮く。
「ふぇ?」
何が起きたのか分からないようで、少女は息を吸い込むような声を出した。
実際は、ネロが連隊長めがけて少女を投げ飛ばしたのだ。




