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寝不身  作者: 尚文産商堂
24/31

第23話

「キャッ」

少女は思わず声をあげる。

耳元を銃弾がかすめていったのだ、無理もないだろう。

「…警告、ですか」

ネロが連隊長に聞く。

まだ煙をわずかに吐き続けている銃は、先ほどと位置をわずかに変えた程度で、相変わらずネロを狙っている。

「そうだ。元の仲間をそのまま殺すのは忍びないからな」

「心遣い、ありがとうございます。しかしながら、そこを退いていただかなければならないのです」

「それはならぬと、すでに言っているだろう」

「ならば、実力行使ですっ」

ふわりと少女の体は宙に浮く。

「ふぇ?」

何が起きたのか分からないようで、少女は息を吸い込むような声を出した。

実際は、ネロが連隊長めがけて少女を投げ飛ばしたのだ。

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