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寝不身  作者: 尚文産商堂
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第21話

ネロは研究所の秘密の地下通路を抜け、それから外へと出るための脱出行をひた走る。

「ねぇ、本当にあなたは誰なの?」

走りながらも少女は、マシンガンを確認し、すぐに撃てるようにしながらネロに聞く。

「…だんだんわかってきたんだ。僕が何者なのか」

「じゃあ、あなたは誰」

「僕は、北鷺翼士。北鷺派のトップだった男だ」

それを聞いて、少女は思わず笑う。

「どうした」

「だって、それならもう死んでいるはずだもの。軍閥の一つ、ラグルレータ率いる一派の少年少女部隊にね……」

その時、少女ははたと気づく。

「もしかしてあなたが私を助けたのって、その時の記憶が?」

「しっ」

静かにするようにネロは言う。

「ここを通ると思っていたよ」

研究所の裏口には、ただ一人で腕組みして立っている男がいた。

連隊長その人である。

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