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第20話
全ての研究所内の図面は、ネロの頭の中に叩き込まれている。
そのため、裏道、抜け道、隠し道。
どこにだってもぐりこむことができた。
それがたとえ、警備厳重な武器庫であっても。
「よし、武器は扱えるな」
「一応は…」
武器庫の中であっても、警報音ははっきりと響き渡っている。
だから、多少の足音や声は、かきけしてくれていた。
ネロと少女は、巡回で見回っている兵士らや、走り回っている人たちの隙間を縫うようにして、いくらかの武器をもらった。
「じゃあ、さっさと逃げよう」
ネロは、あっという間に武器庫からいなくなる。
少女は、慌ててネロの後ろをついていった。