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第19話
研究所内は、警報が鳴り響いている。
処刑が失敗しただけでなく、反乱まで起きたとなれば、もはや緊急事態として取り扱われるのは当然だ。
「出現したか…」
連隊長がつぶやく。
「すみません、連隊長殿」
先に非礼を詫びるネロ。
何かと聞くよりも先に、残った1発を連隊長の盾へと撃ちこむ。
それと同時に、少女が縛られていた紐を全て切った。
「逃げるぞ」
「え、ちょっ」
何かを言うよりも先に、手を掴み走り出す。
「まずは武器の調達からだな……」
ネロが走って逃げていく背中を見つつ、連隊長はためいきをついた。
「…やれやれだ」