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第17話
5本の杭のうち、真ん中の杭へ、手がくくられている紐がくくりつけられる。
さらに、少女の体がぶれないよう、首、体、足とさらに太い紐を結ぶ。
首は緩く、ただし動かない程度にはきつく。
体と足にはかなりきつめに。
それらが縛られてから最後に、連隊長がネロのところへゆっくりと歩み寄り、耳打ちする。
「大丈夫か」
「はい、大丈夫です」
ネロは、不思議と心が穏やかになっていた。
ここまで経験がしたことがないほどに。
連隊長の言葉も、全てはっきりと聞き取れながらも、何も考えていない。
そして、午前10時の鐘が鳴った。
ネロは、弾が3発入っていることを確認して、銃を少女に向かってかまえる。