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母とルンバと私  作者: 佐藤ませーろ


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9/19

いつ帰れるの

 母が入院してからは、

 毎日のように見舞いに行っていた。


 母はいつもベッドに横たわり目をつぶっていた。


「母さん、来たよ」

と声をかけ肩を軽く揺する。


「今日も来てくれたの。悪いわね」

 そう言って私の顔を見た。


「ちょっと手を貸して」


 母は私の方に手を伸ばす。

 細い手首をそっと握り、体を起こした。


「いつ帰れるの?」

 母は決まってこう尋ねた。


「もう少しの辛抱だよ」

 そう答えるしかなかった。


 病院での一日の様子を聞く。


 検査のこと、味気ない病院食、親身な看護師への感謝の言葉ーー


 だが、またしばらくすると


「いつ帰れるの?」と訊く。


「もう少しの辛抱だよ」

 同じやりとりを繰り返す。


「明日も来るからね」

 帰り際、母にそう言う。


「わかったよ。ねえ、いつ帰れるの?」

 母の小さな声にしばらく、私は答えることができなかった。



 もう少し母のそばにいることにした。




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