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第2話 物語の王

 俺は結局根負けして変態女どもを家に持って帰ることにした。俺の自宅は高円寺にある。エルフのバカがスケスケ服なので、奮発してタクシーで帰ることにした。


「かたじけない」


「ありがとうございます!」


「xxx!」


「ありがとう!」


「おい、エルフ。いい加減日本語出来ないふりはやめろや」


 家に女たちを上げてから俺は抗うつ薬と非定型抗精神病薬を飲んだ。本当は安定剤も入れたかったが、まだ酒が残っているので、危険が危ないからやめた。


「で?おまえらなんなん?どこから来たの?」


「日本千代田区…のはずだ」


「東京都播磨区です」


「xxxx!」


「ネオ・メトロポリス・OKAYAMAです!」


「エルフ。日本語しゃべれぇ」


 とりあえずこいつらは住所不定なわけである。


「まあいいよ。名前は?」


「風見小櫻(おざくら)


「大伴羅宇葉(ラウハ)


「エリシャバ」


「在原梨杏奈(りやな)


 きらきらしてるぅ!名前だけで酔いそう。だけどこいつらの名前どこかで聞いたような?その時だ、びびっと来た。


「は!」


「なんだ!なにかわかったのか?!」


「気持ち悪い。ゲロってくる」


 俺は急いでトイレに駆け込み、ゲロッた。ゲロって出てくる瞬間の一歩手前が一番きついよね。でも吐いたらすごくすっきりする!そして俺はトイレから出て台所で口をゆすいで続きを促す。


「で?俺の家に泊まりにきたってことはよ。帰るところがないってことよね?警察案件?弁護士雇ってやろうか?」


「いやそうじゃない。違うんだ」


「ないんです」


「ココジャパンですかぁ?!ユーシャーのくにぃ!」


「私の知ってるOKAYAMAがないんです」


「はい?つまり?」


 女の子たちはいっせいにこういった。


「「「「ここは私たちのいた世界じゃないんです!!!」」」」


 らりってるのかな?日本もとうとう薬物汚染が若年層にまで広がったのか…。


「悪いけど他人の中二病に付き合うほど暇じゃないのよ。俺は俺の中二病で忙しいの」


 これでも元ラノベ作家である。中二病は纏うものではなく書くものである。だいたい欹世界とか汚っさんの逝くところであって、可憐な美少女たちが来るところではないおっぱい。ぞうさんってどうして酒飲みすぎるとみ水になるんるだんろうか?僕は宇宙に猫がいると信じているがそれでもまだ犬が世界を好くことを願ってお願い!


「どうやら私たちは元居た世界からこの世界に飛ばされてしまったらしいのだ」


 ソープに行ったことがないけど非童貞の場合、それは玄人童貞でいいのではないんだろだがおうあか?AV女優のソープもの見てソープランドの値段見たらAVの配信何本も買えるわけ!つまりVRこそが次の時代のセックス!へい!DV!DV!DV!


「わたしたちはこの世界に拠点もみぶんもありません」


 侵略国家の侵略が破綻しつつある状態でオリガルヒの娘設定のあの作品のヒロインはきっと貧乏になるさ駄目なんだね。可哀そう。やっぱりメシェンビキの二段階革命こそ正しかったんや!おのれ!ボリシェビキめ!


「ユーシャー召喚するつもり、逆にこっちきた。失敗」


 異世界行ってもNTRがスタンダードになりつつある昨今BSSをあえて持ち込みVECTORを加減産して俺がハーレムの超転移たつ!


「だからおじさんに頼るしかないんです」


 魔法少女!男の子が政治的正しさで変身したときに結局男の娘好きがフルゾウさんしたのはきっと政策人のごさんだったらがおる。しこしこ!ばかやろう!このこの!ばかやろう!男の娘はオナニーさせとけばいいんだよ!無力な自分に打ちひしがれてオナってろ!メスガキVS男の娘。ふぉいおーふぁい!


「「「「だから助けてください!お願いします!」」」」


「いいか大久保公園はやめとけ。ちゃんとソープに就職しろ。なんでも客の保険証を確認するらしいから病気のリスクは少ないんだ!」


 サンピース!この世のすべての男子の夢!サンピース!めっちゃやって見てぇ。なんでもさんぴーするにはセフレのお友達を紹介してもらうのがいいらしい。俺にはセックスする相手はいるが彼女たちは別に友達だとも思ってないので、セックスパーソンと予防。


「おい。そなた。さっきから大丈夫か?言ってることがおかしいぞ」


「頭なら昔からおかしいわぼけぇ!打ち切り喰らって鬱克服したはずなのにさらに悪化したわ!ひゃははは!打ち切り万歳!」


 女たちが心配そうに俺を見ている。あれ?おれなにかすごいことやっちゃったかな?それってモラハラの威力が弱いってことだよな?セルフ追放!シャンパン!シャンパン?あ、俺変になってる?しゃんびりだこれ?!俺は急いで余っている抗うつ剤を飲み込む。そして。その場で横になり目を瞑る。酒の頭痛がメッチャヤバいけど、しばらく待つ。


「円周率が約3.05より大きいことをを証明するにはどうすればいいと思う?」


「いやそんなことをいきなり言われてもわからないのだが?」


「内接円と余弦定理を用いれば出せるんだよ」


 東大の過去問をあっさり解いてしまった俺マジジーニアス。よって思考がちゃんと戻ってきたようだ。


「とりあえずまともになった。とにかくお前らはなんか他所の世界から意図せず迷い込んだってことね。わかった。いいよ。しばらくここにいても」


 そういうと女の子たちがぱぁっと笑顔になる。


「「「「ありがとうございます!」」」」


「だけど家事はやれよ。どうせ金ももってないんだろ?それなりに家計に貢献しろよ」


 一応釘は差しておく。家主は俺だとわからせしておかないとこの先、何があったかわかったもんじゃない。俺はソファーから立ち上がりシャワーを浴びに行く。そしてシャワー中に気がついた。あいつらの名前聞いたことある。シャワーから出て、自分の部屋に行き、パソコン起こしてブラウザを開く。そして彼女たちの名前を調べる。


「おいおいおいおいおいおいおいおいおいおいおおいおいおいおあじょあじょはおふぉおははじゃ!!!!!」


 彼女たちの名前は出てきた。ちょっと前に打ち切られたラノベのヒロインの名前として......。











 一人の黒人の男が園田の家の屋根の上に腰掛けていた。彼は下から聞こえるヒロインたちの喧騒と園田の困惑の声に笑みを浮かべている。その横顔はとても美しい。なぜならば彼はとある地域において神としてあがめられる存在だからだ。そして彼はあなたたちの方に振り向き、あなたと目が合った。


「やあ。私は物語の王。この物語にご都合主義を齎す語り部さ。私の正体はまあググり給え。そうすればすぐにわかる」


 物語の王は優し気に笑みを浮かべている。そしてあなたに向かって優しく語り掛ける。


「この物語のご都合主義は全部私の力でやらせてもらった。彼女たちがこの世界に現れたのはまあ私のせいだ。だが私は別に黒幕ではないよ。ラスボスでもないし、敵対する気はまったくない。残念ながらこの世界には危機が迫っているんだ。落ち着いて聞いてほしい。打ち切られた物語。すなわち作者以外の誰かに殺された物語は一体どうなると思う?現代人はね。無秩序に物語を作りすぎては殺し過ぎたんだ。そのしわ寄せが今からこの世界にやってくる。復讐に来るんだよ。自分の力で終わりたかった物語たちが、自分を殺した者たちを滅ぼすために行進を組んで進軍してくる」


 骨董無形なことを言う物語の王だが、彼の言っていることは本当だ。あなたはこれからそれを目撃するだろうから。多分。


「すべては一人のラノベ作家の虚無と絶望と怒りの中で生まれた企みだ。付き合うも付き合わないも自由。だけど彼の心に少しでも寄り添ってくれたならこれほどうれしいことはない」


 そう言って物語の王はふっと姿を消した。物語はここから始まる。


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