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第1話 歌舞伎町で印税をおっぱいに使い果たしたい

 終わらせられた物語が復讐を果たしに来た。



 もう誰にも止められない。






















 印税で行くおっぱぶは楽しいか?いえす!たのちいです!


「ふぅ楽しかった」


 俺はおっぱぶの店から出て歌舞伎町の街を歩いていた。ここは混沌の極みだ。路上喫煙は当たり前、酔いつぶれて寝ている馬鹿もいる。明らかに怪しい客引きを追っ払いながら俺は路地を行く。その時だ、正面を何か黒い影が通った。それは犬のような形をしている。そして近くにいた人を飲み込み吠える。


「はぁ?俺酔ってる?いや酔ってるけどね。幻覚見るほどじゃないはず……」


 一度目を瞑って目を開く。まだ影の犬はいた。それは俺のことを見ていた。そしてこちらへ走ってくる。


『WOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOOON!』


「はは。うけるー」


 俺は特に避けずにそのまま立っていた。今にも俺を食おうと大きく口を開いた瞬間だった。


「足止めご苦労!」


 綺麗な女の子の声が聞こえた。そう思った瞬間、目の前の影の犬は真っ二つに切り裂かれてさらさらと消え去った。目の前には長い黒い髪でブレザーの女子高生っぽい女が立っていた。


「たいしたものだな。大抵ああいう場面では大の男でもおじけづくのに、そなたはちっとも動じなかった。おかげであいつの隙をつけた。感謝する」


 慇懃無礼なものいいだ。ていうかイタイ話し方だと思った。だけど目の前の女の子は非現実的なまでに美しい顔をしている。なにより目を引くのは鮮やかな赤い瞳。リアルに見えない。かと言ってコスプレ臭くもない。


「だが今日見たことは他言無用だ。市井の人々が妖のことをしればパニックになろう。それは我ら防人の望むところではない。我らは影よりこの世界を守るのが定め故に。では失礼」


 そう言って少女は刀を鞘に仕舞って颯爽と去っていった。俺はそれを見送り。


「銃刀法違反じゃね?」


 ただそれだけしか口にできなかった。








 おっぱぶはいい。二店目を楽しんでから俺は再び路地を歩いていた。すると警官に絡まれている銀髪の女の子が見えた。セーラー服を着ている。ガルバの呼び込みだろうに、そんなのに絡む警察とかダサすぎる。俺はいわゆる無敵の人である。だからスマホのカメラで録画しながら近づく。


「ねぇねぇぽりぽり!ガルバの女の子を虐めて楽しいかいほぉおおおお!」


 酔っている俺はニチャニチャしながら警官にカメラを向ける。彼らは嫌そうな顔をしている。


「今職質中だ!邪魔するな!」


「でもただの女の子相手ですよねぇ?どう見てもガルバのキャストやん。この子だけ特別狙い撃ちは良くないと思いまーす!」


「この子がただの女の子?学生証を持っているんだぞ!しかもどうもそれも偽物のようだしな!だからこれは正当な職質なんだよ!邪魔するな!」


 警官さんたちはむきになっている。俺は銀髪の女の子の顔を見る。今にも泣きだしそうだ。そしてはっと思った。この子も非現実的に美しい。白人崇拝主義者のぼくがかんがえたりそうのはーふって感じの顔立ちだ。提示している学生証に記載されている住所は東京都だが聞いたことない区の名前が書いてあった。


「ぽりちゃんぽりちゃん」


「やめてくださいその呼び方!」


「この子はあれだ知ってる!あっちの方にあるガルバの子!この学生証はそこのキャストさんが持ってるアイテム!行ったことあるからわかるよ!」


「なに?」


 警官は俺を疑うような目で見ている。だけど俺がカバンから今日貰った大量のおっぱぶやらガルバやらの女の子の名刺を見せびらかすと、途端に顔色変えた。


「なぁここまで遊んでる奴が言ってるってことはマジなんじゃない?」


「ぽいな。すまなかったねお嬢さん。だけど制服で歩くと勘違いされがちだから今度から気をつけて。あと外国人登録証とかも持ち歩くようにね」


 それだけ言って警官たちは去っていった。


「ありがとうございます!」


 銀髪の女の子は綺麗な所作で頭を下げた。


「わたし気がついたらここにいて、そしたらお巡りさんに捕まっちゃって泣いちゃってすごく怖かったです。本当にありがとうございます!」


「あ、そう。いいよ別に」


 気がついたらここにいた?もしかして風邪薬とかオーバーしちゃってる系?こわ!


「まあ今日はもう帰りな。ここは制服だといけない夜の街だからな」


「はい。そうします。でもいったいいつ魔術結界にひかかったのかなぁ……」


 何かを呟きながら銀髪の少女は帰っていった。俺はそれを見送る。


「俺は思うんだ。相手がわかってないと思って母語でデレてる女の子ってもし相手の男の子が実は自分の言ってること理解してて知らないふりしてニチャニチャしてたって知ったら死ぬまで殴り殺すよねって!だって俺もハーフだからよくわかる。うんうん」


 ラノベのハーフ女子の名前被りの可能性一致率は異常。俺は次のおっぱぶを目指して旅立った。










 おっぱいおっぱいおっぱい。ふぅ。でもさ。肌のしっとり感も大事だよね。ところで時たますごく冷たいおっぱいに当たるときあるんだけど、あれってもしかして偽乳?禁断の箱を開けそうなことを考えながら俺は路地裏を歩く。すると俺の横をシースルーのドレスを着た金髪の女が通りかかった。下着のブラとショーツが見えている。でも淫靡さやエロさは感じない。不思議と清楚な感じだった。


「XXXX!XXXX!XXX!!XXX!」


 なにか知らん言葉で話しかけられた。


「英語とポルトガル語なら大丈夫だけど?」


「XXXX!XX!!!!!!」


 金髪の女は非現実的に美しい顔立ちをしていた。あと耳がなんか長い。瞳は緑色で頭にローマ人みたいな葉っぱのわっかをつけている。


「何語だ?全然わからない……」


「xxx!xxxxxxx!!」


 金髪の女の子は俺の手を掴み、表通りの方を指さした。するとそちらの方から警官たちがやってきた。


「またお前か!」


「やあぽりぽりくん。どうしたんだい?」


「そこの外人さんにようがある」


「ガイジンとかいうのやめてくれない。俺その言葉でメッチャ虐められてるから腹立つのよ。ポリコレ守れよポリ公!」


「クッソくだらないダジャレはやめろ!その女!どう見ても公序良俗に反している!」


「あー。まあ確かに」


 俺は金髪の女を見る。そりゃそうだ。なんかもうすっけすけだもんなぁ。


「今俺が言って聞かせますよ」


「なに?」


「俺はあんたたちと違って英語ができるんだ。あんたたちと違ってな。あとポルトガル語」


 実はスペイン語も少しできる。俺は英語で金髪の女に話しかける。


「(いますぐに服着ろバカ!)」


「xxx?xxx……」


 全然通じてねぇ。英語圏の人ではないようだ。だけど警官たちは英語が出来ぬ。俺と金髪の女が会話したように聞こえるだろう。


「彼女はこう言ってます。祖国ではこのくらいでは逮捕されないから大丈夫だと思った。必要ならホテルに行って身分証をお見せしますだと」


「ふーん。なんだ。文化の違いか。まあそれならいいや。別に捕まえるほどでもないか。だけどすぐにホテルに戻って服を着るように言ってくれ」


「わかった。(よかった。これで解放だとよ)」


「xxx?x!」


 警官たちが去っていくのを見て、金髪の女は嬉しそうにしている。そして俺の手を握ってブンブン振り、笑みを浮かべた。感謝のアピールのようだ。そして彼女は俺に背を向けて去っていた。スケスケのまま。


「エルフは裸族だった?」


 俺はそう呟いて次のおっぱぶに向かった。







 俺は別におっぱい星人ではない。だけどおっぱいにしか癒せないものがこの世にはある。それは打ち切りである。俺はラノベ作家だった。そう。だった。打ち切られたので、もう作家ではない。一巻で打ち切られた元ワナビである。俺は今日行く先々のおっぱぶで女の子のおっぱいに顔を埋めては泣くことを繰り返していた。嬢もサービスのいい子は俺の頭を撫でてくれた。もちろんシャンパン入れた。善意は金で買うものである。そして俺はトーヨコを通りかかった。そろそろ始発が近い。でもここにはキッズがたむろっている。警官たちはその子たちをメッチャ睨んでいる。俺みたいなおっさんには関係ない。俺はラストおっぱぶするか始発待つかの二択に迷っていた。そんな時だ。


「あのさぁ。ここコスプレ会場じゃないんだけど?」


「どいてください!このままだとあの人から疚しい心が解放されて怪人が生まれちゃう!」


 地雷系、ヤンキー系、ホスト系の男子に絡まれるピンク色の髪の女の子がいた。俺はその横を通りかかった。その子は非現実的に美しかった。だって桃色の髪の毛の色がぴったりに会っているのだもの。でも恰好が変だった。ミニスカートに白を基調としたノースリーブのトップスにオペラグローブ。そしてゴテゴテにフリフリしてリボンやレース。アニメとかに居そうな魔法少女っぽい感じだ。


「いいから俺らと4pしようぜ!俺ら歌舞伎町の三連荘ズって呼ばれてるんだぜ!三本のゾウさんのトリプルぱぉーんで逝き良きイキさせてやるぜぇ!」


 男複数のエッチをしたがる気持ちが俺にはわからない。だって結合できる穴は一つである。入ってないゾウさんの人はその間どうするの?残った人たちとゾウさんでフェンシングでもするの?うげぇ吐きそう。


「おいそこのおまえら」


「あ?なんだよおっさん!?」


 俺は絡まれている現場に割り込んだ。そして。警官に見えないように、三人の少年たちに腹パンした。


「「「おろろ!」」」


 三人はその場に膝をついてゲロを吐いた。


「いまだ行け!」


 俺はピンクの少女にそう叫ぶ。


「ありがとうございます!」


 ピンクの髪の少女は駆けだす。そしてフラフラしているジャンキーみたいな男の人に跳び蹴りをかました。え?なに?だが一瞬見えた。何か湯気のようなものが男の人からすうっと抜け出るのが見えたのだ。男の人はしばらく蹲っていたが、しゃっきりとしたキラキラな目で立ち上がり。


「なんだかすがすがしい気分だ。ブラック企業なんてやめてやる!起業だ!うおおおおおおお!」


 そして元気よく走り去っていた。ピンク色の少女はそれを笑顔で見送った。そして俺の近くに寄ってきて。


「ありがとうございます。怪人になる前に疚しい心を浄化出来ました。でも今見たことは内緒にしててくださいね。それじゃ」


 ピンクの少女は思い切りジャンプした。そして近くのビルの上まで飛び上がってそこからさらに飛んで見えなくなった。


「パンツは黒かった……白くないんかい!」


 綺麗な子のパンツを見れて俺はちょっと満足してしまった。おっぱぶにはいかずに始発を迎えた駅に向かうことにした。












 打ち切られた作品の印税を使い切ることはなかった。つまり女性の性の商品価値とはデフレの一途をたどっているのである。これは何か良くない兆候を感じるのは俺だけだろうか?おっぱいが安いのは間違っている。そう思った。そして俺は新宿駅の東口に辿り着き、中に入ろうとする。その時だった。誰かに腕を掴まれた。


「客引きは歌舞伎町でやれよ」


「違う。そうではない。覚えているか?あのときの者だが」


 俺の手を掴んでいたのは刀を持っていたあの時の黒髪の女の子だった。なにやら困ったような顔をしている。


「あ!すみません!助けてください!」


 さらに人ごみの中から銀髪のセーラ服の女の子が俺の傍に寄ってきた。


「xxxxxx!xxx!xxx!」


 さらに耳の長い金髪の女も出てきた。


「あ、おじさん!すみません!お願いがあります!」


 そしてピンク色の髪の少女が駅ビルの上から俺の傍に飛び降りてきた。なにこれ?今日遭遇した歌舞伎町の変人共が勢ぞろいしてしまった。


「あのさぁここ歌舞伎町の外なんだけど?変態やるのやめてくれない?」


「変態?いや私は変態じゃない。頼みがあるんだ」


「わたしもお願いがあります」


「xxxx……」


「お願いします!」


 そして四人はこう言った。


「「「「行くところがないんです!泊めてください」」」」


「はい?はぁ?ええぇ」


 突然のお願いに俺は狼狽え戸惑った。そしてエルフちゃんよ。お前、日本語できたんかい……!





続く!


★★★★★入れてください!

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