進む
突然の雨上がり、
初めて知ったあの雲の背中、
僕はなんとも冷静に、
無知というのを自覚した、
ああ、ここは未だ境界線か、
意味ありげな雨音が滴る、
古いトンネルではいつも一人、
疑いながら抱きしめにゆく、
この暗闇を超えた先、
はるか遠くに輝く光、
光があって影があって、
今懸命に駆けている、
でもそれは逃げ水のようで、
まるで目に見えるだけのプリズム、
僕は魔法のような時を待ってる、
好奇心でもない、
ただの優しい願いというのは、
それこそが愛、
僕が勝手に名付けてしまえば、
もうきっと誰も触れられないから、