逆襲の謀略
1995年 リムソンシティ サン・ドリル地区
「兄貴!」ライアンは戸口からよろよろと出てきたパッチドに言葉を失う。「ああ・・・ライアンか・・・みっともねえ姿を見せたな。」真っ赤に充血した目、煙草と酒の匂いがする口、鼻水が垂れている鼻、ぼさぼさと不規則に伸びた無精ひげ。どれをとってもいつもの兄貴らしくない。「ダベスの死が忘れられなくてな・・・一晩中酒を飲んでいたのさ。全く・・・情けねえよなあ・・・」「兄貴!!シャワー浴びろよ。服が臭いぜ!」「はん!俺はお前の母親かよ・・・まあいい、入れ!」
「おいおい・・・」部屋の状態も酷かった。床に転がるビール瓶、机の上には煙草の吸殻があふれ出した灰皿。涙でぐっしょりと濡れた枕とふとん。ライアンは灰皿を取り、吸殻をゴミ箱に捨てながら言う。「ボスが呼んでいる。いそいで髭を剃って出て来いよ!俺が送る。」
30分後
「おいおい、顔色が悪いぞ。」ボスのデゥラハンはパッチドの顔色を見て言う。「ああ、すまねえ。昨日は寝れなくて・・・」「そうかそうか・・・お前は目の前でダベスに殺された上ずっと敵地に監禁状態だったからな。無理もない。」「ああ、それで何だ、ボス?」「おう・・・ダベスが死んで予期しない形で幹部席が一人分空いてしまってな・・・」「はあ・・・俺がダベスを継げと?」「ああ、そうだ。ダベスの管理していたシマはお前が管理しろ。」「ボス・・・すまねえが・・・辞退させてもらいてえ・・・」「ああ、気持ちは分かるぜパッチド。だけどダベスのシマの中で一番根性あるのはお前だ。俺たち幹部全員で話し合った結果だ。受けろ。」そういったのは若幹部のアブデゥライだ。「今の俺を見ろよ!腑抜け男だ。俺はハイチ人どもがダベスを切り刻む様子を見て顔をそむけた。仲間の死から目をそらした!」幹部達は泣き崩れるダベスの様子を見て顔を見合わせる。「分かった。お前は幹部確定だ。これは俺の命令だ。だが一週間は休め。」とデゥラハン。
「ああ・・・情けねえ・・・」と出てきたパッチドに対して罪悪感を感じるライアン。あの時俺が足がすくんでいなかったら兄貴とダベスは監禁されなかったしダベスの死はなかった。「ごめんよ兄さん。」「お前のせいじゃねえ。あの気持ち悪いハイチ人どもだ。あいつらが・・・くそ・・・」
「おい新人、兄貴は俺が送る。お前はアブデイの護衛をして来い。」と声をかけてきたのはダッツだ。ピンキーライオンズが経営する店の用心棒の元締めだ。
車に乗ったライアンに声をかけるアブデイ。「兄貴は大丈夫そうか?」「いや。酒浸りだ。しばらくは現実逃避してるだろう。」「・・・そうか・・・で、お前は?」「俺?」「そう、お前だ。お前は大丈夫か?」「・・・ああ、大丈夫さ。」「ハイチ人の誘拐とダベスの死の責任を感じているな?」「ああ。俺がマシンガンで威嚇すれば兄貴とダベスの手助けができたのに・・・」「そうだな。でも、もう終わったことだろう。過去は見るな。未来を見るんだ。お前の父さんが俺たち後輩に叩き込んでいた教えだ。」そう言うとアブデイはアクセルを踏んだ。
30分後 ニューカブキチョー
ニューカブキチョーは日本人街だ。瓦屋根の建物や石塀に囲われた屋敷などが乱立し、祭囃子の音楽が流れる風情ある街。
だが日本文化を興味を示す数多のアメリカ共和国民もここは観光しない。何故ならばこの街は治安の悪さで有名なリムソンシティの中にあり、日系ギャング組織である「ヤクザ」のシマであったからだ。今ここを支配しているヤクザ組織は武藤会系の団体だ。中核組織武藤組を始めとした多数の武闘派組織が武藤組内部で決定した各々のシマを持ち、そこでシノギを削る。他のマフィア・ギャングから重火器を仕入れる組、紙幣偽造を行う組、闇金を営業する組、盗品売買を行う組・・・など組の特徴は様々であるが皆ヤクザ以外のマフィア・ギャングがヤクザとの合意に基づく取引以外の目的で街に入ることを極端に嫌う。縄張り意識が強いのだ。
今アブデイのバンが到着した日本料理店「三笠亭」が位置する場所もそんな排外的な武闘派「武剛組」のシマ内だ。武剛組は武藤会系南雲組の二次団体であり、組織内での序列は低い。しかし血の気が強い連中が多いとしてリムソンシティ内では有名な組織だ。おまけに最近進出してきた本国最大のヤクザ組織「善輪会」系の有力ヤクザ組織複数とも同盟を結んでおり、敵に回すと面倒なことになる。
そんなわけでアブデイは黒い車を使い、ピンクの服も今脱いで着替えているところだ。ライアンもアブデイの指示で腕のピンク色のバンダナを取った。店にもし武剛会の者がいたら厄介だからだ。
「ようこそおいでくださいました。」店の入り口に立つ紫色の羽織を着た日系人の男が迎える。明らかに一般人ではない。顔に傷が走り、鼻がつぶれている。そして腰には日本刀を刺している。ここの料理店を護衛しているギャングの一人だろう。「ああ、客じゃない。じつはあんたのボスに会いたいんだ。あんたら、三笠亭を裏で経営している歌舞伎町ブラックスだろう?」とアブデイ。ライアンは明らかに死線をくぐってきた用心棒に対して素直に尋ねるアブデイの魂胆に感心した。用心棒は日本刀に手を掛けながら言う。「何者だ?」「ボスにあんたらを運び屋として雇っている奴の取引相手の黒人だと伝えてくれ。」「分かった。ボスが了承したらお前たちを奥座敷まで案内してやろう。」と言い、男はぬるりと中に入っていった。「逆襲の始まりさ。」とアブデイがつぶやく。
戻って来た用心棒の後ろには一見普通の従業員に見える和服を着た日本人の女が付いてきた。「今から奥座敷にご案内します。」とその女は言い、二人はついていく。
「ああ、くそ・・・まあそうだよな。」奥座敷を見て溜息をつくアブデイ。慣れていないセイザとやらで座らなければならない。
「やあ!雇用主があんたらに乗り換えたんだって?まあ俺にとっちゃどうでもいいけどな。」と口を開いたのは金髪で長髪、大きな銀のピアスを付けた日系ギャング「歌舞伎町ブラックス」のボスだ。店の表側にいる用心棒と違い、店を裏から牛耳る奥座敷の幹部達はカジュアルな服装をしていた。
「実はな・・・あんたらの雇用主が乗り換える前の相手だ。」それを聞いたボスを挟む二人は腰からピストルを抜く。「へえ。どうして来た?」と威圧的な声でボス。ライアンはびくっとなるがアブデイは全く動じない。「別にあんたらを責めにきたわけじゃない。あんたらはただ運び屋をやっているだけだ。悪いのはあんたらの雇用主、そして俺らの敵だ。」「ふん、よく分かってるじゃねえか。だけど質問に答えてねえ。俺らに罪はねえのに何故乗り込んで来た?」「実はな・・・俺らもあんたらを雇いたいんだ。」「へえ。おいてめえら、銃を下ろせ。具体的に話を聞いてやろう。」「ああ、単刀直入に言おう。今度あんたらが輸送するブツをハイチ人から受け取ったら俺らに渡してほしい。」「おいおい、俺らの雇用主との関係が悪化するぜ。」「そうだ。当然リスクもある。だから俺らはお前らに回収したヤクの一部を渡そう。」「魅力的な提案に聞こえるが・・・残念ながらここではヤクは金にならねえ。俺らのケツ持ちの武剛会の決まりでヤクの取引は禁じられてるのさ。」「そうだろう。だからヤク市場の一部もやろう。貧民街でのあんたらの売買をサポートする。プエルトリコ人はヤクが強奪されたら俺らに乗り換える筈だ。そうしたら俺らは貧民街で捌く分の一部をあんたらに安値で流す。貧民街にはメキシコ人やハイチ人、ラキア人、そしてあんたらが嫌いな中国人も拠点を構えてる。だけどそいつらは俺等で排除してやろう。どうだ?」すると半グレ達は顔を見合わせる。「初回時とその後のヤクの俺たちの配分を教えてくれ。」「ああ、分かった。初回は大サービスだ。半分やろう。取引状況変化後は四文の一を流す。」再び顔を見合わすハングレ達。そしてボスが言う。「いいだろう。ヤクを奪ってやる。」
翌日
ライアンがアパートの前に到着するとグテーレスがアパートの護衛をしていたダッツに食ってかかる様子が見られる。「ライアンは私のパートナーよ!あなたには関係ないでしょう!?」
ライアンは慌てて駆けつける。「グテーレス、戻ったぞ!さあ、中に入ろう!」「ちょっと・・・あなた傷だらけよ!耳の包帯は何よ!?あんた・・・」グテーレスがダッツにつかみかかる前にライアンは慌てて言う。「説明するよ。」
ダッツはライアンに頷いて見送ると溜息をつく。「ここの護衛は大変だぜ、全く・・・」
「やっぱりギャングになるべきじゃなかったわよ!で、顔の傷は?」「ボスだ。俺がヘマをしたから・・」「何ですって!?いくらボスでもそれはないでしょ!?抗議してやるわ・・・」玄関に向かうグテーレスを慌てて止めるライアン。「どいて!」「ああ・・くそ!話を聞いてくれ、最後まで聞け!」ライアンが怒鳴ると「分かったわよ・・・」グテーレスは泣きながら座った。「な、落ち着いてくれ。頼むよ。」「ええ。で、耳の包帯は?」「耳の傷?これか・・・馬鹿なことなんだが・・・車のドアに挟んじまった。」ライアンは本当のことを言うとグテーレスがヒステリックになると考えて嘘をついた。
二日後
シマ内のモスクでダベスの葬儀が執り行われていた。
ライアンが用心棒係のブラナーと共にモスク外の護衛をしていると泣きはらした初老の女性がモスクの外側に立っている様子が見えた。「ああ、ジェマ・・・」ブラナーはその女性の肩に手を置く。「ごめんなさい・・・我慢できなくて・・・泣いちゃったわ。」「ああ、無理もないさ。本来はあんたの夫の遺体を土葬する予定だったんだからな。実際は・・・」ブラナーも女性につられるように泣き出した。「・・・あいつの遺体はここにはない。あいつは敵地で死んだ。」「ええ。でも彼のことよ。最後までシルバーウルフの奴らに唾を浴びせかけたんでしょう。」「ああ。そうだろうさ。ダベスは死を恐れない男だったからな。」「ねえブラナー、約束して頂戴。」「ああ、なんなりと。」「絶対シルバーウルフを叩き潰して頂戴。そして・・・第2のダベスが出ないようにしてね。」「ああ、もう仲間を死なせない。」とブラナー。「頼んだわよ。ああ、それからあんた・・・」ジェマはライアンに近づいてきた。「あなたは若いわ。命を無駄にしちゃ駄目よ。」「ええ。」「ダベスが殺されたことは悲劇的だったわ。でも彼でよかったとも思っているのよ。「はい?」ジェマの言葉に動揺するライアン。するとジェマは微笑んで優しい声で言う。「あなたみたいなピンキーライオンズの将来を担う若者が死ななくてよかったわ。」
翌日
今日はボスのデゥラハンの家で行われる定例会だ。アブデイの話によるとハングレが麻薬を渡すまでのシマ内の運営とシルバーウルフへの復讐について考えるそうだ。いよいよ緊迫した雰囲気になってきた。
目の前に見たことのあるピックアップトラックが停まった。「兄さん!」パッチドだ。「よお。」数日前とは違い、元気な様子だ。顔色もよく、笑顔さえ浮かんでいた。「どうした?」「今日は定例会だろ?俺はな、覚悟を決めたよライアン。」「へえ?」「シルバーウルフを倒す計略が進行中だろう?ダベスの仇を取るために俺も計略に参加しねえとな。」
ライアンはボスの家の玄関口をノックして「何だ?」と聞くボスに言う。「兄さんが来た!」
「大丈夫か?」と聞いたボスに対してライアンは答える。「ああ、大丈夫だ。ダベスの仇を討とう。」「そうだな。それでハングレとの細かい日程調整はアブデイがやってくれるそうだ。カルテルとの話をつけとかなければな。」「ああ、俺がやろう。」とドリアン。「頼んだぞ。シルバーウルフの勢力を削ったらスムーズにヤクの配分を変えてもらえるようにな。」「ああ、分かった。」そうドリアンが答えたとき電話が鳴る。「今でますね。」デゥラハンの妻シーナが電話に出る。「はいもしもし。ああ、デブラさんですか。どうしたのかしら?ええ!分かったわ・・・今変わるわね。」シーナは「ブルーライオンズからよ。」と言って電話を渡す。「おう!どうしたデブラ?何だと!分かった。今アブデイを向かわせる。」そう言って電話を切ったデゥラハンは苦虫をかみつぶしたような顔をしている。「済まんがアブデイ、エドウィンからブルーライオンズが買い取ったモーテル覚えてるか?」「ああ。そこに行けばいいのか?」「そうだ。新人とダッツを連れていけ。ヤクザ連中が俺らと話し合いたいとさ。」「くそ!」アブデイは軽く舌打ちをした。どうやら武剛組に歌舞伎町ブラックスとの取引が露見したようだ。
1時間後 中央区
モーテルのフロアのソファにアブデイと武剛組の組長・本部長が向かい合って座る。ライアンはアブデイ側のソファの後ろにに控えている。
「それにしてもすごい情報収集力だぜ。なぜここが俺たちの友好団体のブルーライオンズだとわかったんだ?」と聞くアブデイ。「ふん。中央区には情報屋が沢山いるからな。俺たちも奴らとは関係を作っておくのさ。」と口を開いたのはスキンヘッドの本部長前島だ。だが隣に座っていた禿げで筋肉質の組長高田がどすのきいた声で言う。「前島、余計な話をするな。で、アブデイさんだっけか?」「ああ。」「うちの事務所を訪れずにハングレの奴らと取引したらしいじゃねえか。話は通してもらいてえもんだぜ。」鋭い眼光だ。ライアンは少し身じろぎするがアブデイは動じない。「ああ。その件か。歌舞伎町ブラックスさんに聞いたのかな?」と冷静に問い返す。流石の幹部だ。やはりギャング歴が長い人のオーラは違うな、とライアンは思っていた。
「ああ、そうだ。あのガキどもの頭を問い詰めたら何と貧民街でヤクを売る約束をあんたらとしたと言うじゃねえか。どういうことだ?」「あの話か・・・ああ、ブラックスの奴らがあんたらのシマ内でのヤク取引はできねえと言ったんだ。それで我々も考えたよ。あんたらのシマ荒らしにならねえように貧民街でのビジネスを提案したぜ。」「そうか・・・少々誤解があったようだ。」と口を開くのは前島。「俺らはシマ内でのヤク取引を禁止してるわけじゃねえ。ハングレのガキどもには組織的なヤク取引を禁止してる。だから中央区あたりでガキの一人が他の売人から仕入れたブツを売りさばく程度なら問題ねえ。だけど今回みてえに組織間の取引でヤクを扱うのは禁止してる。」「そうだったのか。すまねえ。ブラックスの連中が承認してくれたからすっかり・・・」「あのガキども!前島、お前森山をボコして来い。奴はブラックスの頭目にふさわしくねえ。確か水原のところに原山ってガキがいたろ?」「ああ。野心溢れるヤンキーですね。最近は水原組の雑用をしてるとか聞きますけど。」「水原には話を付けとく。原山にブラックスの頭をやらせろ。」「承知しました。ボコった森山はどう・・・」「そんなの決まってるだろうが!ボコしたら小指落としてシマから追放だ!」ライアンは物騒な内容に少し顔をしかめる。すると高田が睨んで来たので慌てて無表情で前を向く。
「あの・・・すまねえが武剛組さん?」とハングレへの怒りで頭がいっぱいなヤクザ連中にアブデイが声をかける。「ああ?どうしたよ。あんたらにも言い分はあるがそれは俺等のケツ持ちの南雲組にかけあって・・・」「ああ、そうだがな、その・・・なんだ、代替案はねえかな?」「あん?代替案?」「ああ。ブラックスとの取引の内容は詳しく知ってるか?」「ああ。ガキどもが雇用主からヤクを横領してお前らに渡す。お前らはガキの雇用主に取引をもちかけるってんだろう?」「ああ。そうだ。そうなるとだな・・・」するとアブデイはいきなり前に身を乗り出す。「あんたらの要求を飲んで貧民街での協力をしないとなると・・・俺らまたは俺らが雇った別の誰かがブラックスを襲撃してヤクを奪う羽目になるぜ。」強面のヤクザ連中相手にすごい圧をかける。しかし高田組長は言う。「安心しろ。ブラックスの連中にヤクを奪わせるくらいの仕事ならやらせてもいい。だけどあんたらがその見返りに行うことは貧民街でのビジネス拡大協力じゃねえ。」「ほう。俺らは何をする?ちなみに俺らはカルテルへの支払いがあるから金はそこまで沢山払えねえぞ。」「構わねえ。求めるのは金じゃねえ。」「まじかよ・・・」アブデイは少し警戒する。「ああ。マジだ。まあそう構えるなよ。ブラックスの代わりに少し厄介な奴らを貧民街のビジネスに参加させてやってくれ。」「話を聞いてからだな。誰だ?」「腐敗軍人どもさ。複数の州軍にまたがって存在するネットワークだ。」「ほう。そいつらが貧民街でのヤクの販売を?」「ああ。そいつらはメキシコのカルテル壊滅作戦で押収した大量のブツやら作戦に協力した別のカルテルとの取引で得たブツやらを世界中の米軍基地に流通させてる。流通網の中には我々善輪会の支部が存在する沖縄のファーストオブアメリカンズとかいう米軍基地軍人ギャングも含まれる。」「ああ、話が見えてきたぜ。沖縄で捌く分をリムシンシティの貧民街で捌けるようにして欲しいということだな?」「ああ。軍人どもはファーストオブアメリカンズにヤクを流さない代わりに別の流通網の開拓を協力するように求めてきた。ヤクについては俺等よりあんたらの方が詳しいだろう?ファーストオブアメリカンズの連中とヤクに変わる武器の取引を仲介してもらうため明日腐敗軍人どもとの会合がある。あんたんとこのボスも出席して欲しい。奴らに貧民街でのビジネスを提案してくれ。」そう言った高田か前島を促し、アブデイの返事を待たずに立ち去った。