8話 街で1番大きな図書館です
朝の鐘が鳴り目が覚めると隣に抱き着きながら寝てるミリスがいました、頬を触るとモチモチしてて気持ちいい...じゃなくてそろそろ起こさないと。
「ミリス?そろそろ起きなさい」
「ふわぁ、ミラ様おはようなのです」
「おはよう、着替えましょうね」
「はいです...」
眠い目を擦りながら起きて着替えを済ませ椅子に座らせて髪をセットしてあげた。寝起きなだけあって少しボサボサでした、私の髪はミリスがしてくれました。ちゃんと出来るか心配だったけど出来たみたいで安心しました...。
「さてと、そろそろ部屋を出て下に行こうかな」
「ミリスもついてくのですー」
「一緒に行きましょうね」
「はいなのです!」
部屋を出るとちょうどお隣から耳が長い女性が出てきました。お隣の女性と目が合い挨拶を交わしました。
「えっと、おはようございます」
「おはようなのです!」
「あら、おはようね。貴女達見ない顔だけど最近泊まった方?」
「はい、昨日泊まったばかりです」
「そうなのです!お姉さんは耳がなぜ長いのです?」
「あ、やっぱりそうだったのね。耳が長いのはエルフだからよ?見るの初めて?」
2人で首を縦に振り耳をじーっと見てしまいました、エルフってみんな金髪なのかしら?という疑問が頭の中にありました。
「自己紹介しなきゃ...私はミラって言います」
「ミリスはミリスなのですよ」
「丁寧にありがとうね、私はルーミナ・ササリーよ。親しい人はルナやサリーって呼ぶわ、貴女達も好きに呼んでね」
「では、サリーさんって呼びますね」
「サリー覚えたのです!」
「うんうん、覚えてくれて嬉しいわ!」
私はふと思いました、エルフって長生きする種族とかってゲームだとあるよね?この世界でもそうなのかしら?
「サリーさん失礼を承知で聞くのですが今おいくつなのですか?」
「えっと、今年で124歳ね、まだまだ若くて子供なんだけどね」
「124歳!?エルフの人は見かけじゃ分からないんですね...」
「ミリスもたくさん長生きするのです!」
「あはは、確かにエルフと人族だと寿命の概念が違うね。100年とかは私にとっては最近の出来事のように思うけど人族だとすごい昔になるのよね?」
「そうですね...因みになのですがなぜエルフ族は長生きなのですか?」
私はその疑問が知りたくサリーさんに聞いてみました。すると返答はこうでした。
「それは魔力量ね、エルフ族は魔力が比較的に多く歳を重ねる事に魔力量も上がっていくのよ。でも人族は別ね?たまに魔力量が多く200年生きた人もいるけど基本は67~90歳ね」
「そうなのですね...魔力をどうにかしてあげれば寿命とかで亡くならないのかな」
「うーん、基本はそうね」
「ミリスも長生きできるのですか?」
「ミリスちゃんは長生き出来ると思うわよ?人族ぽいけど何か違うオーラが見えるのよね」
エルフ族は魔力を可視化する目を持っていてそのオーラで強さや種族を見る事もあるらしいです。
「はい、ミリスは人形族みたいな子かな?」
「そうなのです!ミリスはミラ様をたくさんお世話するのですよ」
「そうなのね、おっと、長く話し込んじゃってごめんなさいね。そろそろ依頼掲示板に行かなきゃ、貴女達も依頼受けるなら早めに来なね!先輩冒険者からのアドバイスよ」
「ありがとうございます、でもしばらくは調べ物をする予定なので」
「なるほど、頑張ってね、それじゃ失礼するわね」
そう言い残しサリーさんは急いで階段を下りギルドへと走って行くのでした。
「忙しそうな人だったわね」
「はいなのです、でもいい人そうでミリスは好きなのです」
「そうねぇ、私もサリーさんと仲良くなれそうね。私達は食事をしてから図書館を探そうね」
「ご飯食べたら頑張って探すのです!」
下に降り食堂に向かうとシアちゃんのママさんが食事を作っていました。私達が降りてくるのが分かっていたかのようにこちらに話しかけてきました。
「おや、お嬢ちゃん達昨日はよく眠れたかい?」
「はい、とても気持ちよく眠れました、ご飯もとても美味しかったですよ」
「ご飯も美味しくてよく眠れたのです!」
「それはよかったわ、お弁当とかも作れるから必要な時は言うんだよ?」
「はい、ありがとうございます」
「わかったのです」
2人で頭を下げるとそんな事はしなくていいよと言われてしまいました。
「そこのテーブルに座っていな、直ぐに朝ご飯持っていくからね」
「はい」
「はいなのです」
窓際のテーブル席に座り少し外の様子を見てると朝ご飯が運ばれてきた。いい匂いがしてきてお腹が鳴りました。
「朝だから胃に優しいのにしたわよ、野菜スープに目玉焼きの乗ったパンね」
「ありがとうございます、食べ切れるかな...」
「ミリスは食べ切れるのです」
2人で手を合わせてから食べました。私には少し量が多かったみたいです...。朝は少食な私でした...。
食べた後は図書館が何処にあるかをギルドに聞きに行きこの街で1番大きな図書館を紹介してもらいました。ついでに内緒話をするように生理用品が売ってるお店も紹介してもらったので時間があったら買いに行こうと思います。
「ここが図書館なのね...まるで大きな教会みたい......」
「見上げると首が痛くなるのです」
「早速入りましょうかね、中では静かにするのよ?」
「はいなのです」
この中に保管されてる本には保存魔法がかけられており劣化しないらしいですね、本を管理する一級魔導士が保存魔法を使用しているみたいです。
「昔話からおとぎ話まであって、古代文字の本など色々ね」
「どれを見てもわかんないのです...つまらないのです」
ミリスにはまだ本は早すぎたのかしら?とりあえず絵本を手に取りミリスに渡してみる事にしました。
「これならミリスでも楽しめそうよ」
「森の動物とエルフの少女?」
「そうよ、中には絵が描いてあるからミリスでも楽しめるでしょ?」
「これなら読めそうなのです」
ニコニコしながら渡された絵本を読み始めました。座るところもあるので座って読ませる事にしました、立ってると他の方にも迷惑になっちゃうからね。
ー数時間後ー
色々調べてわかった事があるわ、奴隷や闇市など危険な物がある事や100年前くらいに初代国王が勇者召喚をして異世界から召喚に成功した記録も見れた。その後どうなったのかは書かれてないので分からないけど...。
「そもそも何のために勇者召喚何てしたのかしら?魔王がいるとか聞いてないし...余程の事があったのかな」
後は勇者が残した謎の文字が書き写された本も見つけました、書かれた文字からして...日本語ね...。内容はいい内容ではなく読みたくなかった、怒りの言葉や恨みの言葉がほとんどだから。
「まぁ...勝手にこんな世界に召喚されるなんて相当嫌だったでしょうね...向こうの世界では多分失踪扱いだと思うけど正直なところはわからない」
そう言えばミリスは今どうしてるかしら?ちょっと様子を見に行こうかしら。
「あ、ミラ様この絵本面白かったのです」
「そう、それならよかったわ、それにしても色々持ってきて読んだのね」
「はいなのです、面白いのや少し悲しいけど最後は幸せになるのが多かったのです」
うんうんと私は頷き嬉しそうに話すミリスでした。
「読み終わった絵本は返しに行きましょうね」
「はいです、これも読み終わったから戻してくるのです」
ミリスは置いてある本を胸に抱えて戻しに行きました。
私は今調べたい事は終わったのでまたここに来て色々読み漁ってみようかな。ミリスが本を戻し終わり戻ってくるとお昼を知らせる鐘がなりました。
「外で何か食べる?」
「食べるのです!」
「それじゃ行きましょ」
「えへへ、ミラ様とご飯なのです」
「でも残りのお金が銅貨20枚なのよね、これってどれくらいの価値なのかしらね?」
「図書館の人に聞いてみるのです!」
「それもそうね、あのすみませんちょっと聞きたい事が...」
図書館のお兄さんに聞いたところこんな感じのようです。
小銅貨子供のお小遣いに渡される事が多いらしく10枚で銅貨1枚分の価値らしいです。因みに小銅貨ではかなり品質の悪いものしか買えないようです。
銅貨は1枚で宿にも泊まれるし普通に買い物ができる金額らしいです、主に銅貨10枚あれば1週間は暮らせるそうです。
小銀貨は銅貨50枚分で一般冒険者が普通に稼げる金額らしいです。
銀貨は銅貨100枚分でシルバーのC冒険者が一日で稼げる量で1ヶ月は食べるのに困らないようです。
小金貨は銀貨500枚分で一家族なら余裕で養えるそうですね。
金貨は小金貨1000枚分で半年は食べる物に困らないそうですね。ほとんどの物は買えるそうです。
大金貨は王族や貴族またはSミスリルの冒険者が国からの依頼で受け取る報酬と同じだそうです。...そもそもこれ1枚あれば数十年は遊んで暮らせるそうです。金貨10万枚だそうです......。
ミスリル硬貨は世界に8000万枚しかなく数枚で国1つ買える額だそうです...大金貨にして100億枚です。まず私が手にする事は一生ないと思いますけどね?
「お兄さん色々ありがとうございました」
「ありがとうなのです」
「いえいえ、知らない事を教えるのも僕達大人の役目だからね」
優しい人でよかった...。この街の人はみんな優しそう。
「そう言えば君達は冒険者なんだよね?」
「そうですよ?」
「色々大変な事もあると思うけど応援しているよ」
「ありがとうございます!」
「そっちの子はウトウトしてるみたいだけどね...」
「えっミリス?」
「ウトウトしてないのです...」
目を擦りながら少しウトウトしていた、話しは聞けたからご飯を食べに行きましょ。
「それじゃご飯食べに行きましょ」
「行くのです!」
「気をつけて行ってきてくださいね」
「気をつけていってきます」
「また絵本読みに来るのです!」
ミリスは手を振り図書館を後にし商店街に向かった。色々な美味しそうな匂いがしてお腹が鳴っている。串肉屋さんがあったのでそこで食べる事にし串肉を4本注文した。
「串肉4本で銅貨6枚だよ」
「銅貨6枚ね」
「買ってくれてありがとな、焼きたての串肉だ火傷するなよ?」
「ありがとうなのです、美味しそうな匂いなのです」
「ありがとう...ん...美味しい」
もぐもぐとその場で食べる...味付けも塩だけなのにとても美味しくて噛めば肉汁が溢れてきます...これは何個でも食べれそうです。
「串肉美味しかったのです、おじさんありがとうなのです」
「こっちこそ買って食べてくれて嬉しいぜ、また来いよ」
「またミリスも連れてきますね」
そう言ってその場を後にしました。あと何かする事があったような無かったような...忘れたので気にするのは辞めます!
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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ブックマークも13人の方がしてくれてるのでビックリしました...暇な時間とかで読んでもらえると嬉しいですね。
誤字報告ありがとうございました!