4話 ミラとホムンクルスのミリス
寝ている間に夢を見た。とても懐かしい夢...でもとでも悲しくて寂しい思いになった。目が覚めると内容も思い出せずに涙だけ流れていた。
「んー...私なんで泣いてるのかな?懐かしい夢だった気もするけど全然思い出せない」
涙を拭きテントから外に出た。外はまだ少しだけ暗く遠くの空がピンク色に染まり朝日が昇ってきているのがわかる。
「まだ少しだけ肌寒いわね...顔を洗ってご飯食べようかな」
〘クリエイト〙で桶を創り水魔法で水を入れ顔を洗った。土魔法で桶を作ってもいいけど何度でも使える方なら創った方がいいわよね。
「魔力もまだ641もあるから試しに枯れ木の果実を創ってみようかな。〘クリエイト〙ん?少しだけ重くなってる気がする?...気持ち悪い...」
残り魔力を確認すると41しかない...600も消費したみたいで私はその場に座り込んだ。
「気持ち悪くて何もする気になれない...マナポーション飲まないと...」
少しづつマナポーションを飲み10ずつ回復していく。立てるまでしばらくかかりそうなので私は枯れ木の果実を食べてみた。
「シャキッとして甘くて美味しい...リンゴのようだけどリンゴじゃない感触と味。はちみつとリンゴを足したような味ね」
前不味かったのは魔力が足りなくて未完成だったのね...600消費して創られたのがちゃんと美味しいのね。これからも食べたいけど1日1個が限界かな...。2個も創るには魔力が足りなすぎるもの。
「魔力が132まで回復したわね。まだ本調子までははいかないけど歩けそうね」
魔法は使うのは控えて今出来ることをしようかな。昨日ダンジョンの中にあったアルードさんの部屋から持ってきた物の確認をしようかな。
「なにかの本が30くらいだったけど後は袋が3つね。この中には何が入ってるのかな?」
本はまだ読めないのでパス...となると気になるのは袋の中身よね。ガサガサと袋を漁るとどうやらアイテム袋のようで入っていたのは釜と綺麗な宝石が入っていた。
「これどれくらい入ってるのかしら?この釜は何に使うのかわからないし宝石は...綺麗ね。でもこれが錬金釜かな?あとは...レンズ?」
記憶の中にメガネみたいだけど片方だけある感じのアレ...名前が...えっと。そう!モノクル!
「このモノクルつけて何か変わるのかな?何も変わんない」
オシャレ用かな?こんな時は鑑定とか欲しいわよね...。そう思うとモノクルが反応し今見ている宝石の名前が出てきた。
「これって...鑑定のモノクル?この宝石が聖者の結晶って名前みたいね。こっちの錬金釜っぽいのは...錬金釜ね」
これがあれば読めない本も読めるのでは?そう思った私は本を見て見た。これでは読めないみたいで残念です...。
「ダンジョンの宝石は何かしら?...これがダンジョンコア(精霊石)って書いてあるわね。入手するのが難しいわけよね...」
でもこれで素材は揃った。あとは...どう作ればいいのかしら?もう一度本を読み返してみましょ。作れるなんて思ってなかったから。
「魔法生命体の作り方は魔導の核と魂の結晶に魔力を流しながらゆっくりと合わせ合成してゆくと魔結晶ができる。その時に自身の一部を入れる事によりより高位の魔結晶が完成する。次に精霊石と粘土に魔力を流しながら合成し揉み込む。精霊の粘土ができる。」
なるほどね...手順は難しいけど魔力がかなり必要そうね。私の一部は...髪の毛かな?それ以外だと...唾液くらいね。他は無理よ?
「今回復してる魔力は252まで回復してるわね。ん?今思ったけど私の魔力また増えてない?前が651だったはずなのに今の最大値が662になってるし。もしかして枯れ木の果実の効果なのかしら?次食べる事があったらそれも見ておかないとね」
マナポーションを飲んで魔力を322まで回復させた。お腹ちょっといっぱいになったかも...後でお花摘み行かなきゃ。
「魔力もこれくらいあれば平気よね?頑張って作るわよ!」
私は小さくオォっと手を掲げました。少し恥ずかしかったけど...。
「まずは魔導の核と魂の結晶に少し切った私の髪の毛を...汗で私に張り付くわね。よし、これに魔力を込めながら合成...」
少しづつ形が変わり丸い結晶になった。これが魔結晶...今のだけで120も消費したみたいね。
「これ持つかしら...精霊石と粘土に魔力を...はぁぁ!...で...できた!でももう無理...」
190も消費して残り12...魔力がもっとあればこんな事には...。気持ち悪い。
「まだテントが近くて助かったわ...中で休んで回復させなきゃ...」
這いずりながらテントに入った。後で綺麗にすればいいので今は休む。テントの中で20分くらいだろうか?それくらい休んだ気がした。魔力も120回復したみたいで身体も少しよくなった気がする。
「ちょっとマナポーション飲みすぎたみたいね...お花摘みに行ってこなきゃ...」
私は茂みにしゃがみこみスッキリさせた。風が少し吹くとスゥスゥするのであまり好きでは無いけど...。漏らすよりかは何倍もマシ!〘ウォーター〙と〘クリーン〙でちゃんと綺麗にしてから下着を履いた。
「はぁ...紙も欲しいけど自然に帰るのかしらあれ...。スッキリはしたけどちゃんと穴を掘ってからしたから平気だよね?ちゃんと埋めてクリーンもしたし」
今怖いのは感染症とかの病ね...治せるか分からないから気をつけてはいるのだけど。
「さてと、魔法生命体を作るにはどれくらい魔力が必要なのかな?本には書かれてないのよね...とりあえず魔力が全回復してから作りましょ」
私は魔力が回復するまで魔法生命体の形を想い描きながら地面に描いていた。
「こんな感じがいいわよね?でも魔法生命体って私が思った通りに人型なのかな?勝手な妄想だけど化け物とかじゃないわよね...?急に怖くなってきたわ」
ブルブルと鳥肌が立ったが妄想なので本物を見ないとなんとも言えないよね?そんなこんなをしてるうちに魔力も全回復した。
「よし、イメージはあるけど本には一切そんなこと書かれてないから意味ないかもしれないわね。でもやるわよ!」
私は地面に魔結晶と精霊の粘土を置きあとは魔力を大量に流すと完成らしい。それに従ってみてダメなら今は諦める。
「私の魔力500を流し込むから出来てよね!」
魔力を流すと魔結晶と精霊の粘土が地面の土を飲み込みながら人型に姿を変えていく。その光景は美しくもあり恐ろしくもあった。姿は同じ女の子でありますようにと願いながら作っている。
「はぁ...はぁ...魔力は流したからあとは完成を待つだけね」
姿はだんだんと女の子の人型になり私より大きな胸がある...髪はロングで茶髪身長は私と同じくらいになり完成したみたい。肌は肌色で少し白くもあった。
「目もあって見た感じ人と区別つかないわね...えっと...私の事わかるかしら?」
作ったばかりなので全裸だった...今着せれるものがないのでとりあえず私のローブをかけた。
「なかなか目が覚めないわね...失敗しちゃったのかな」
少しショックだなぁっと思っていると魔法生命体は動き始めた。
「...?」
立ち上がりせっかくかけたローブも落ちてしまった。何故か首を傾げている。私も同じように首を傾げてしまった。
「えっと...喋れる?私はあなたを作った魔女のミラ」
わかってるような...わかってないような?そう思ってると喋り始めてくれた。
「私を作ったミラ!私のマスター!」
ぎゅぅっと抱きしめられてしまった...フワフワしてて柔らかい...。
「はっ!そうよ、私は貴女を作ったの。えっと...名前は必要よね?」
欲しそうに首を縦に振る姿は可愛らしかった。でも...私より胸が大きい事に納得いかない。
「うーん、そうね。貴女は...ミリスって名前でどうかしら?」
頭に浮かんできた最初の名前がそれだった。
「ミリス...私ミリス!マスターありがとう!」
抱きしめられるのは悪くないかも...すごく癒される。でも、マスターはやめて欲しいかも。
「ミリス?マスターはやめて?出来たらミラがいいかな。それと私のローブ着てなさい!その格好だと困るでしょ?」
不思議そうな顔をしながらローブを受け取り首に巻いてる。
「できた!これでいいですか?」
そんなに目を輝かせないで...違うって言いづらいじゃない。
「違うわよ...これはね。こうやって着るものなのよ。」
ちゃんとに着させようとすると胸で詰まった...。少し強引にしまい込んだ。
「ミラ様ありがとう!私ミラ様に作ってもらえてよかった!」
また抱きつかれてしまった...。下は無毛なのね...今の私と一緒。胸は負けてるけど...。
「それはよかったわミリス。貴女は戦える?」
首を縦に降り戦えると言っているのがわかる...首を振る度に胸が揺れるのでちょっと羨ましい...。
「ミリス戦える!ミラ様の役に立つ!それとミラ様のお世話もする!」
私のお世話?私がお世話するんじゃなくて?
「私もミリスをお世話するからミリスも私のお世話よろしくね?」
これでいいのかな?なんか思ってたのと違うけど...いいよね。
「見た感じ中身はまだ幼いわね、私は身体だけ幼いだけだけど...。」
この子は魔力で動いてるけど私には寿命がある...別れはきっと悲しいわよね...。ミリスにそんな思いさせたくないな...。
「ミラ様?何考えてるの?私はずっとミラ様の隣にいるから安心してください!」
まるで私の心を透かしたかのようにバレ少し涙が出てきてしまった...。涙を流した私を見るとミリスは優しく抱きしめてくれた。温かくてとても落ち着く。
「急に泣き出しちゃってごめんね?もう平気だから、ミリスの服を創るわね」
サイズは私のを大きくした感じでバストを大きめにして...よし!あとは下着とスカートを。
「そう言えばミリスはその...お花摘みとかって行くのかな?」
私がそう聞くと意味がわからないのか首を傾げた。
「ミラ様?お花摘みってなんですか?お花を取りに行くんですか?」
私はちょっと口にするのは恥ずかしいけどちゃんと説明した。
「ミリスはは...排泄はするの?」
私の顔はちょっと赤く染っていた...普通こんなこと聞かないもの。
「するのですよ!でも食べたり飲んだものは魔力に変換されて体内に吸収です!お花摘みとはそういう意味なんですね!ミラ様はお花摘みに行くんですか?」
「行かなくはないけど今はいかないよ?恥ずかしいことは聞かないで...」
耳まで真っ赤になるのを感じた。
「ミラ様真っ赤!抱きしめると温かいのですよ」
恥ずかしすぎて困った...私はミリスに下着とかの付け方やつける意味などを教えた。
「教えるのはこれくらいね、あとはその時になってからね?」服も着せたがスカートは無しになりました。動きすぎて捲れるのでパンツに変えざるおえなかった...。
「ミラ様はなんで魔女なんですか?」
魔女がよかったからかな?考えたこともなかったわね。
「魔女の方が楽しいと思ったのよ。楽しい方がミリスも嬉しいでしょ?」
「はい!ミリスも嬉しい!」
念の為私とミリスには隠蔽した方がいいスキルとかあるわね...〘クリエイト〙隠蔽の魔導石を2つ創り1つは私が使い残りはミリスに渡した。
「これは何ですか?食べ物?」
口に入れてモグモグし始めてしまったので急いでとめました。少し前の私を見てるようだわ...。
「これは使うアイテムよ。そう言えば今のミリスの魔力はいくつかしら」
鑑定のモノクルで見てみると魔力1200もあるわね...。私より多いいってすごい。
「ミリスはたくさん元気で役にたちます!ミラ様のお世話もする!」
元気でいい子のミリスが出来て本当に嬉しいわね。隠蔽をすると鑑定のモノクルだとわからなくなるみたいね...。念の為鑑定の魔導石も出しておきましょ。〘クリエイト〙!鑑定の魔導石。
「これで覚えれたわね。周りに出した素材や本などはしまってそろそろ出かけようかな」
出かけると聞き首を傾げるミリス。
「どこへ行くのですか?置いて行かないでほしいのです!」
置いて行かれると思ったのか抱きついて泣きはじめてしまった...置いていくつもりは無いのだけど。
「置いていかないわよ。ミリスも一緒に行くから泣かないで?」
優しく頭を撫で落ち着かせた。
「本当に置いていかないですか?」
グスっと鼻をすすり私を見つめた。私の大切なミリスだから置いてなんていけないもの。
「本当よ、だから安心して。貴女は私の大切な家族なんだからね」
ミリスは嬉しそうに笑顔になった。
「ミリスはミラ様大好き!」
「ありがとう。私も大好きよ」
一緒に立ち上がり今置いてあるテントなどをマジックバッグにしまうのを手伝ってもらった。
「お手伝いできた!ミリスえらい?」
本当に小さな子を見てるようで微笑ましくなるわね。
「ミリスはえらいよ。そろそろ一緒に旅に出かけようね」
「はい!どこまでもついて行く!」
一緒に手を繋いで森の中に入りあてのない旅がまた始まります。出来たら街か村に行きたいけどあるのかしら?...ある事を願いたいわね。
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モチベが上がるので...続きは評価など良かったら書きます。