33話 魔女は闇深き森へ向います
今回からミリスの口調が変化します。
星草の宿に着いた私たちは温泉にゆっくり浸かっています...次はいつ入れるのかわからないのでここで出来るだけ堪能します。
「ミラ様今日でここをお別れするのです?」
「そうよ、女神様が私に忠告をしてくれたからね。この街に居ると迷惑をかけちゃうから」
「わかったのです、シアに色々お世話になったのです!」
「グレンさんやマーサさんにもね...ちょっとだけ寂しくなるわ」
「ミリスはミラ様を守るのですよ!それとあの子も早く力になりたいって言っているのです」
「ふふ、ありがとうね。少し元気が出てきたわ、旅に出たら出せたらいいわね」
「少しのぼせてきたのです...ふぅ...」
「それじゃそろそろ上がりましょうね」
温泉から上がり体をちゃんと拭いて服を着ました、寝巻きも創ろうと思ってたけどずっと創らなかったわね...まぁ...旅に出てから創っても遅くないわよね?着るならやっぱり可愛いのがいいわよね...。
「ミラ様考え事なのです?」
「ちょっとね、ミリスは寝巻きを着るならやっぱり可愛い方がいい?」
「寝巻きってなんです?」
「寝る時に着る服よ?寝る時以外着ない気もするけどね」
「うーん、よくわかんないけど可愛い方がいいのです!」
「旅に出てから創るでもいいかしら?」
「それでいいのです!出来たらお揃いがいいのです!」
「わかったわ、それじゃご飯を食べに行きましょうか」
ここで食べる最後の食事ね...理由は用事で他の街に行かなくちゃ行けないって事にしようかな。1番面倒なのは探される事だけどたぶん探されないわよね?闇深き森に向かうのにどれくらいで着くかわからないし明日は宿を出たら色々買い揃えて行こう。
「あとは寝る前にでも考えればいいわよね」
「何か考えてたのです?」
「まぁね、でも後で考える事にしたから」
「あまり無理しちゃだめなのですよ?」
「あはは...わかっているわよ」
今日の食事は野菜スープとベアウルフの煮込みでした、野菜スープは野菜の甘さがあってとても美味しい。スパイスも使っているみたいだけど何かはわからない...。ベアウルフの煮込みもお肉がやわらかくて口の中で噛むとホロホロと崩れていきます、すごい美味しいけど...クマなのかオオカミなのかハッキリして欲しい!
ミリスも美味しそうに食べているわね、隣に座っているシアちゃんも幸せそうな顔している。見ているだけでこっちも幸せになるわね。
食事を食べ終わったあとグレンさんが居たので少し話をしました。
「グレンさんちょっといいですか?」
「おう!どうしたんだ2人して」
「その、明日別の街に用事で行く事になりましてそれでいつ戻れるかわからないのでその事を伝えようかと」
「なるほどな、それじゃこの宿を出るなら銅貨を返さないとな」
「いいですよ!それは取っておいてください」
「いいのか?それじゃ次この宿に泊まった時はその分だけ無料にしとくよ」
グレンさんは慣れてなさそうにウィンクしてくれました、でも嬉しかったです。
「ありがとうございます、この事はシアちゃんに言わない方がいいですか?」
「娘には俺から伝えとくさ、それに別れは何度も経験してるから平気だとは思うが」
「私は心配しすぎなのかな?」
会話に参加していないミリスを見ると眠たそうにしていました、明日もあるからそろそろ寝ようかな。ミリスがもたなそうだし...。
「グレンさんおやすみなさい」
「おう!ゆっくり休んで明日から頑張って来いよ!」
「はい!それでは」
グレンさんと話を終えトイレに行ってから眠りにつきました...何か忘れている事あるような...何だっけ...?それは明日思い出せばいいかな。
「んーっ!よく眠れたわね」
「ミラ様おはようなのです」
「おはようミリス」
朝起きた私たちは早速旅に出る支度をしました。しまう物はほとんど無いけどこの宿ともお別れなのね...。
「ミラ様準備できたのです!」
「私も準備完了よ、それじゃ行きましょうか」
「はいです!」
扉を開けて下に降りるとグレンさんが待っていました。居るとは思わなかったので少し驚きです。
「ゆっくり寝れたか?お前さんたちが居なくなると少し寂しくなるが元気でやれよ」
「ゆっくり眠れました、短い間ですがお世話になりました」
「お世話になったのです」
「また来いよ?みんな待ってるからよ」
「また来れた...ですけどね?それと部屋の鍵です」
「確かに受け取った、またな」
宿を出る時にグレンさんに2人で頭を下げて『いってきます』っと言いました。グレンさんの目には涙がありましたがそれは言いませんでした。
まだ少し早いのでお店などは閉まっていますね...買い物とかしていきたかったけど諦めた方がいいわね。
「買い物は出来なかったけど出発しましょうか」
「わかったのです」
「世界の加護でいつでも地図が見れるのはありがたいけど今はまだ使っても意味はなさそうね」
歩いていると門まで来ました、衛兵さんも居ましたが特に止められる事なく出られました。今回はこの街にはもう帰らないのだけどね...今までお世話になりました。
「門は無事に出れたわね」
「はいなのです!あの勇者が落とした魔法ですごい大きな凹みがあるのです...」
「ここまで大きいとはビックリね...近づくとちょっと臭うわね」
「それでどこに向かうのです?」
「闇深き森よ。女神様にそこに行けばいいって言われてるからね」
「頑張ってついて行くのです!」
「ありがとう、それと街も出たから口調も直して平気よ?」
「わかったのです...じゃなくてわかりました」
「慣れるまで少しかかるかな?」
「たぶん...」
ミリスもこれからは普通に話してくれるはずだけど慣れるまで時間がかかるかもしれないわね。まぁ最終的にはミリスが話したいように話してくれればいいかな?
「サミリスの街ともお別れね...」
「そうですね...ミラ様寂しそうな顔ですよ」
「まぁね...少ししか居なかったけど居心地はよかったからね。それでも迷惑とかはかけたくないからね」
「私はミラ様が思うままに動きますしこれからもついて行きます」
「ありがとうね、これからもよろしく」
「はい!もちろんです!」
私たちはサミリスの街を離れ南に向かいます。女神様に見せてもらった地図ではかなり下の方だったので行くまで時間がかかりそうですね...。まぁのんびり行きましょう!
「またミラ様と2人で旅ができて嬉しいです」
「私もとても嬉しいわ、それとミリスの中の子も取り出してあげなきゃね」
「早く出してほしそうにしてますよ」
「出したいけど体を作ってからね」
「楽しみに待ってるって言ってますよ」
「ゆっくり待っててね、時間はかかるかもだけど」
ミリスと楽しく話しながら1時間くらい歩いています。身体強化を使いながら歩いているのでそこまで疲れませんが魔力は減っていきますね...まぁ勇者から魔力を奪ったので少しは増えてますけどね?
「ミラ様疲れてないですか?少し休みますか?」
「まだ平気だけど魔力を回復させたいから1度身体強化は解除するわね」
「それでは少しペースを落としますね」
「ありがとうね、強化魔法が無いと体力全然ないからすぐ疲れるのよね...それよりもミリスの喋り方こっちの方が落ち着いた感じがして私は好きよ」
「ありがとうございます。ミラ様にそう言っていただけて嬉しいです、今までは少し演じてる部分もありましたから」
「そうだったの?全然気が付かなかったわ...」
ミリスはちょっと嬉しそうにくすくす笑いました、見抜けない私を面白がっていたみたいですね。悪い気はしないのでいいんですけどね?
サミリスの街を離れ闇深き森に向かう2人はこれからどうなって行くのかドキドキですね。ミリスの口調が変わったと言うか元に戻りましたがどうですかね?




