27話 禁呪の本と魔女
私はどの棚に禁呪があるのかを探してやっと見つけました。属性魔法の禁呪について...。これは禁呪について色々書いてありそうね。書いてなかったらなんのためにあるかわからないものね。
「ちょっと気になるわね、まぁ見た所で使えるようにはならないのだけど興味はあるからね」
本を開くと水火土風雷には禁呪指定されているものがあるが複合魔法も含まれているらしい。
『水魔法の禁呪について、基本四属性の1つ。名前のみ記載しておくが詠唱は書かないようにしている、悪用するものが現れるかもしれないからだ。禁呪水魔法水の大地は大地を水で多い尽くしたとされている、過去にこの禁呪を使い巨大な湖が出来た場所も存在する。火魔法の禁呪について、基本四属性の1つ。こちらも名前のみ記載しておく......禁呪火魔法〘炎獄の門番〙......その他の魔法はこんな感じのでした。……風魔法〘暴風の怒り〙はその場にあるもの全てを切り裂き粉砕する、周囲は跡形も無くなるとされている。土魔法〘地脈の鼓動〙は大地が揺れ始め大地を引き裂き地上を崩壊させる。雷魔法〘雷龍〙は周囲を消滅させる程の雷を落とすがその雷はドラゴンのような姿で降り注ぐ。』
「どれも恐ろしいわね...次のページが複合魔法の禁呪ね」
『複合魔法の禁呪の1つが水と風の複合禁呪〘氷の世界〙である。しかし普通に複合魔法を使う分には平気だがとある詠唱と共にした時に本当の効力を発揮する。北の大地は昔草の大地だったがこの魔法が使われ数百年間氷の大地と化してしまっている、現在も極寒のため立ち入りが制限されている。
複合禁呪...火と風〘風炎〙は指定した場所は一時的に息ができなくなる』
「なるほどね...色々わかったけど詠唱って何かしら...そう言えば盗賊の人達も小声で何か言ってから魔法が出てたわね...もしかして魔法を使うには詠唱が必要なの?」
でも私は詠唱なんて唱えた事ないけど使えるし何か違いがあるのかな?その辺も調べなきゃね。
「最後のエアフレアは酸素が無くなるのかな?」
私もちゃんと覚えている訳じゃないけど、元素のなにかがあったはずなのよね…。記憶が完全じゃないからわからないわね、私の記憶って戻らないのかしら?前世の記憶が薄れていくとかないわよね…?
「さすがに考えすぎかな?でもいつかは前世の記憶が消えて、今この時を生きる私の記憶だけになった時…私は私なのかな?」
だめね…ここに居るせいなのか変な事ばかり考えてしまう。たぶん禁書の本の魔力の影響かしら…。
この後も色々と調べある程度の事がわかったのでミリスに合流し禁書庫から出ました。
「出来たら一日中篭もりたいけど精神が持たないわね...はぁー...」
「ミラ様お疲れなのです」
「ちょっと本の魔力に当てられただけよ、すぐに治るわ」
「無理はダメなのですよ?」
「わかっているわよ、でも心配ありがとう」
私はそっと頭を撫でてあげるとミリスは嬉しそうに微笑みました。この笑顔に癒されるわね...私一人だけだったらどうなっていたか...。
「そう言えばあの名前を探すの忘れちゃってたけどここのお兄さんに聞けばわかるかな?」
「誰かを探しているのです?」
「ルナルカって名前しかわからないのだけどね」
「うーん、わからないのです」
「そうよねぇ...あ、お兄さんいた」
私はお兄さんに話しかけルナルカについて聞いてみました。するとその答えはすぐに帰ってきたのです。
「なるほどルナルカ様ですか...」
「知っているのですか?」
「誰なのです?」
「君達はまだ若いから知らないかもですがここより離れた地に聖皇国がありそこで祀られているのが運命を司る女神ルナルカ様なのです」
「そうなんですね、教えていただきありがとうございます」
「ありがとうなのです」
「いえいえ、教えられる事であれば教えますのでいつでも聞いてくださいね。私の答えられる範囲ですが」
「お兄さんは物知りなのです」
「そうね、女神様っていっぱい居るのかしら?」
「女神様は6人居るとされています、この場で教えましょうか?」
そんなに居るのね...その中に断罪を司る女神も居るのかしら?でも名前がわからないなら居ないのかな?
「お願いします」
「まずは『創造を司る女神ルゥミナス様』『世界を司る女神アイリス様』『太陽を司る女神ファルサ様』『大地を司る女神グラトニエ様とマルティア様』『運命を司る女神ルナルカ様』ですね」
「なるほどそんなに居たのですね、ルナルカ様は運命を司る女神だったんだ」
「あとわからない事はありますか?」
「えっと...禁書の中の内容でも平気ですか?...」
「それですとここで話すのは危険なので私が使っている部屋までお越しください」
「わかりました」
「はいなのです!」
管理室の中を通りもう1つの部屋につきました。『そこで椅子に座って話しましょう』と言われたので座る事に。
「それで禁書の中で聞きたい事とは?」
「えっと...断罪を司る女神の事を見つけたので...」
「なるほど...確かに気になりますよね」
「ミリスも知りたいのです」
「私もほとんどの事は知りませんが魔術断罪院と言うのに聞き覚えは?」
「ありません、そこはどこなのですか?」
「そこは罪を犯したまたは罪を犯したであろう者が最初に送られる所ですね、そこでは一切嘘はつけず嘘をつこうとすれば体に断罪の証が浮き出て激痛を伴います」
「それは断罪を司る女神がそうしているのですか?」
「多分そうですね...そこでは神官長ですら嘘を吐けば断罪されますからね」
「その断罪の証は消えるのでしょうか?」
「聞いた話ですが...死ぬまで消える事はなく断罪後契約に縛られるそうです」
その話を聞き少し体が震えました...怖いのはもちろんありますがもし私がその場に...考えたくもありませんね。
「断罪を司る女神の名前は現在誰も知らないと思われますが、侮辱などはされませんように」
「そんな事は絶対にしません!」
「ミリスもしないのです!」
「2人とも本当に素直でいい子ですね、特別にお菓子を上げましょう」
「もらってもいいのですか?」
「嬉しいのです」
「えぇ貴女達のような若い子がここに来て調べているのが嬉しいのですよ。最近は若い方が来る事は減りましたからね...」
「お兄さん......私達はまたここに来ますから元気だしてください!」
「そうなのです!まだ読んでない本いっぱいなのです!」
「そう言ってもらえると嬉しいです、これをどうぞ」
手渡されたのは紙に包まれた黒いお菓子でした、匂いはとても甘い匂いでしたが嗅いだ事はありませんね。
「これはなんて言うお菓子なんですか?」
「えっと...チヨコ?と言うお菓子らしいですね、私も何回か食べた事はあるのですが名前が難しいので中々覚えられないのですよ」
「こんなお菓子あるんですね...お兄さんも一緒に食べましょ?」
私はチヨコをパキッと折りお兄さんに半分渡しました。
「これは...ありがとうございます、小さいのにしっかりしているのですね」
「小さくないもん...」
「あ、すみません女の子に失礼でしたね...」
「でも優しいのはわかるので許します」
「ミラ様怒ると怖いのですよ?」
「それはそれは...女の子の怒りは本当に怖いですからね...あはは」
お兄さんはどこか遠い目をしていました、昔女絡みで何かあったのでしょうか?それよりもこのお菓子美味しいですね。口の中でとろけて...。
「美味しそうでよかったですよ、この紙に包まれているあいだは保存魔法で溶け無くしてあるんですよ」
「保存魔法って色んな使い方が出来るんですね...勉強になります」
「これ美味しいのです!」
「あはは...ミリスはお話より食べ物ね...」
「魔法は使い方次第でどんな物にもなります、ですが使い方を間違えれば自身に返ってくる事も忘れてはいけませんよ?」
「はい!まるで先生ですね」
「はいなのです!」
「あはは...少し前まで学園で生徒に教えていましたからね」
「本当に先生だった!」
「すごいのです...」
お兄さんはどこか恥ずかしそうにしていましたがその理由は教えてくれませんでした。お菓子も食べれてお話も聞けて満足ですね。
「そろそろギルドに戻りますね」
「わかったのです」
「気を付けてギルドまで行ってくださいね、それとミラさんは教師に向いているかもしれませんよ」
「私なんか無理ですよ?まだ子供ですし」
「大人っぽかったり子供っぽかったり忙しいですね」
「むぅ......」
「すみません...からかい過ぎました、ではお気をつけて」
図書館を出た私達は話しながらギルドに向かいました。歩きながらなので着くまでに少し時間はかかりますけどね。
禁呪や女神についての話でしたね、図書館のお兄さんはとても優しい人です。ミラに教師は......あはは
詠唱があってもミラは必要としませんでしたがそれが吉と出るか凶と出るか...。




