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星闘家、星を殴るまで  作者: 竹小
エルフの大陸
9/32

九星 知ってます?異世界では何かと身体を刺すんですよ

 はい俺は今村長に腕を差し出していますが、何故腕を差し出しているのでしょう。制限時間は3秒です。321はい終了正解は__


 自分の属性適性を調べられているからでした。どうやってやっているかって?また身体に刺すんだよ。いやね別に痛くないから良いんだけどさ、なんかこう…なんか抵抗あるじゃん。


 という訳で今調べられているが、さっきから村長の顔が凄く驚いた顔してる。なんかすごい属性の適性なのか、はたまた適性が無いのか、だから早く結果を言って欲しいものだ。


「ごめん、遅くなったね」


「君の適性は氷が一番高かった、その次に雷だったが氷に比べて余りにも適性が無いね。使えても身体に纏える程度だ」


「でも適性が氷に高い分扱える氷魔法はレベルが高い物を扱えるから余り気に病まないで」


「分かり…ました」


 まじかぁ…雷の適性無いのか俺。少し残念だな。でもまあ、一点特化型で魔法を極めるのもまた一興か。使えるだけマシと思っておこう。


「君に今から魔法の使い方を教えてあげよう。さあ授業だ」


「よろしくお願いします」


 村長の話ではこうだ。魔法を使うには13の言葉を組み合わすとか、単体で使用する事で魔法が使えるとのことだ。


 その13の言葉は火の言葉、水の言葉、風の言葉、雷の言葉、土の言葉、氷の言葉、強化の言葉、範囲の言葉、形の言葉、探査の言葉、身体の言葉、清めの言葉、心の言葉、だそうだ。


 それらを組み合わす事で術者本人のイメージ力と魔素を体内で循環させる程の耐久力を持つ事で魔法は発動するとのこと。


「では私が手本を見せてあげよう」


「火の言葉」


 村長が俺の目の前で人差し指を天井へと向け、唱えると人差し指にライターでつけた程の火が人差し指から発火している。


「魔法は術者本人がどれだけ魔素による耐性が強いかで魔法の威力が変わる。君はきっと強くなれる」


 今は凄く身体が疼いている。興奮と期待で身体がワクワクしているんだ。強くなれる自分にはまだ先に登っていける。


 現代では自分の可能性に期待なんかしたことはなかった。それは自分自身の伸び代を客観的に数値化された物がなかったからだ。凄い、凄いぞ異世界!


「さあ、君もやってみるといい」


 目を瞑る。俺の適性は氷。即ち氷の言葉を使い、イメージする。イメージはそうだな冷蔵庫で作られる氷ぐらいをイメージ。呼吸をする、その時に周りにあるモヤを吸うように。身体の中で何かがある違和感がするその違和感は俺の掌へと移っていく。


「氷の言葉」


 俺がそう唱えると掌に冷たい感触が伝わってきた。この事が伝えることは一つ、魔法は発動した。


「……っ!?」


 おうどうした村長、また驚いて。そんな本来あり得ないものを見る目は。そんなに驚くことはないだろ、そりゃあ飲み込みが早いなとは自分でも思うけどさ。


「どうかしましたか?」


「あり得ない、そんなことはあり得ない筈だ…」


 そこまで言う必要ないだろ。……もしかしてだけど魔法を使うためにはまだ何かやる必要があって、俺はそれを吹っ飛ばして魔法を使ったからとか…?


 まあ別に良いか、使えるんだったら。それから村長によるマンツーマンの授業はお開きとなった。


 さて、それはそれとして。気になるだろう自分の可能性に。どこまで言葉を組み合わせられるのか。いつかやってみたかったんだ。どこぞの魔王みたいにただ単純に初歩の魔法が火力が高すぎて格の違いを見せつけるあのシーンのように。


 それから村長の家を後にした。後、エリサからめちゃくちゃ心配された。俺を何だと思ってんだろ。


 家を後にした俺の後ろから走って来る一人の女エルフが村長の家に慌てて入って行った。何があったのだろうか。でもあの格好どっかで見た事があるんだよぁー。


 金髪で編み込んだ髪の毛に剣を腰に吊し、軽装備で胸元に鉄のプレート…。見覚えがあるのにも関わらず記憶が霧の様にモヤがかかって思い出せない。


 だが、一つ言える事がある。何か嫌な予感がする。こう何とも言えないが、命の危機を迎えそうな気がする。俺の勘が警鐘を鳴らしているんだ。


 俺はそんな事を冷や汗をかきながら小屋へと戻って行った。と言っても何もやる事がないからな…。寝るか。


 俺はそのままベットに横たわったが寝付けない。そりゃそうだわ。何時間寝たと思ってんだ。起きて、食って、寝るなんざクズの所業だろ。こうなったら、魔法の自主練してやるよ。


 という事で俺は今先程見た大樹の下に居ます。ここだったら畑もないし、人もこなさそうだろうし。村長の話じゃ俺は雷の適性は身体に纏える程度らしいが、武器にも纏わせる事ができるのか少し疑問に思ったので…。試しに魂鎮に纏えるかやってみるとする。


 結果失敗。雷が指先までしか纏えなかった。それも少しは握りの部分は纏えていると思っていたが自分の身体だけしか纏えていなかった。こりゃあ本格的にダメだな、という事で氷を重点的に使っていくとしよう。


 魔法はイメージ。なのだが、イメージする物によっては言葉一つだけでは発動しないものがある。それは形であったり規模であったりだ。例えば土の言葉を使い、小石を形成するとしよう。この場合発動するのだが、巨大な岩を形成したいとき、土の言葉だけでは発動しなくなる。そんな時には形の言葉を付け加えると、自分のイメージ通りになる。ある一定のラインを超えると言葉一つだけでは発動しなくなる。それを補助する言葉を補助魔語というらしい。また属性自体を決める言葉を主要魔語というらしい。


 なんか英語みたいだな。また文法的なものがあり、主要魔語→補助魔語→…と順番が決められている。じゃあ主要魔語は二つ以上入れてはいけないのだろうかと聞かれると入れても大丈夫だ。まぁ俺には二つも属性を持ってないも同然なんですけど。はぁ…。


 さて更に疑問が出てくる。回復や身体強化などのお馴染みの魔法たちは無いのか?否ぁ!!ここで登場するのが代主要魔語だ。これに分類されるのが探索、清め、身体、心だ。これらは属性を持たない為他者に攻撃することはできない。ん?身体強化は攻撃する為に使用しているのに矛盾していないのかって?目的自体は身体の強化なので無問題。


 つまり魔法は言葉を組み合わしていけばいいのでそこら辺は余り覚えておかなくてもいいかな。そして俺はナイスなアイデアを思いついた。氷の言葉と形の言葉使って剣とか作れるんじゃねって。


 結果から言うが一応成功したさ。冷た過ぎて持たないことを省いたらな。無理に持って振ろうにも元が氷のせいで直ぐに砕けるとか言うジレンマ。これを実用レベルにするには多分強化の言葉使うしか無いなこれは。他の属性に比べて難易度高くね氷って。


 火は元から攻撃的な感じだし、水は…お前もか。んで風はイメージに…よるか。雷はまぁこれも攻撃的だし。土は小石とか岩系統の強みがあるから一応攻撃寄りかな。あれ?他も似た様なもんかこれ。当たりが実質3分の1の確率なのが最高にクソだな。


 つまるところ、俺に残された魔法の使い道は氷で遠距離からチクチク攻撃することだけだ。身体強化もどうイメージしたら良いのかわからないし。心なんてもってのほかだ。探査もイメージしずらいし。あれ?俺の異世界ロマンはここで潰えたか…。


 そうやって俺は絶望していると、エリサが急いでこちらに走って来た。何かあったのだろうか…。いやあれだわ、絶対あのエルフが何か厄介ごとをもって来たのだろう。


「聞いてユウ!姉さんがダンジョンから帰って来たのだけれど、お仲間の人達がまだダンジョンに居るの_」


「それで、助けに来てほしいってことか?」


「そう、お願いユウ。姉さんの仲間達を助けて…」


 深々と下げられた頭を見ながら俺はどうにも最悪な答えが頭の中に渦巻き、覚悟を決めろと幻聴が聞こえてくる。ふざけるなよ、運命め。

魔法適性による恩恵


恩恵を得られる基準は数値で表すと100だが、100ではなくても50や20でも魔法自体は使える。ただし恩恵の基準まで無いと本来の使い方が出来ない。


火…筋力のステータスが基本の職業によるステータスに比べて高くなる。例筋力100としたら110程の差。また暑さが感じにくくなります。

水…抵抗のステータスが上がる。抵抗は魔法によるダメージが抑えられます。水分を保持しやすくなります。また火に対して抵抗を得ます。

雷…速力のステータスが上がる。速力のステータスが少しだけ上がりやすくなります。

風…体力のステータスが上がる。落下によるダメージが少しだけ抑えられます。

氷…器用のステータスが上がる。水と同様に水分を保持しやすくなります。寒さが感じにくくなります。

土…防御のステータスが上がる。防御のステータスが少しだけ上がりやすくなります。

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