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086.途方に暮れる


 この世界は地龍、風龍、火龍、水龍の四体の龍によって守られ支配されている。

 神龍とも呼ばれる四体は人々にら時に恩恵を、時に被害をもたらす存在である。

 そんな龍のお守り役ともいえる我が一族は常々頭を抱えていた。

 まずは火龍。

 とんでもない大喰らいだが、火龍がげっぷをすれば辺り一面焼け野原となるので、適量以上食べないように見張っていなければならない。

 続いて水龍。

 寝相が悪く、寝返りを打てば津波が発生し、海岸近くは甚大な被害がでるので、寝る際は手足を固定させてもらう必要があるため、拘束する代わりにと子守唄を要求される。

 それから風龍。

 龍なのに風邪を引きやすく、咳やくしゃみをするだけで台風となる。龍用のマスクを用意して、風邪対策をしなくてはならない。

 最後に地龍。

 こいつはものすごく臆病で、びびる度に地中に潜り込み、ガタガタと震えるもんだから、その度に地震が起きる。仕方ないので、怯える度に頭を抱えて宥めてやる必要がある。


 神龍、だよな、こいつら。



 当代の世話係というかお守り役がこの俺だが。

 嫌だったのに、一族の他の奴らがこぞって押し付けてきたので逃げ損ねた。

 そして今日も俺は途方に暮れている。

 目の前には、

 腹が空いたと涙目の火龍、

 眠くてぐずり出した水龍、

 杉林で寝ていた風龍、

 アリに驚いた地龍がいる。

 全員いっぺんに問題起こすな。あと風龍と地龍は理由がしょぼい。

 世話役、やめてえなあ。

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