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恐怖の物語  作者: 枯谷落葉
第3章 幽霊の物語
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02 公園



 公園の、どこかにある穴。


 そこに飛び込むと、向こうの世界に連れていかれてしまう。


 だから、見つけても決して近づいてはいけないよ。


 あちらの者に引きずりこまれてしまうからね。






 いつも遊んでいる小さな公園。


 そこで不思議な穴を見つけたのは最近の事だ。


 その穴はちょうど、子供一人分くらいが通れるサイズ。


 公園の隅の、茂みの中にあった。


 最初は誰かが穴を掘ったのかなと思った。


 でも、穴は底がないように見えた。それに、はさみで切り取ったようなくっきりとした穴のフチだったから。


 不思議な事が起きてできた、不思議な穴なんだなと思った。


 そんな穴は、時々奥の方がキラキラ光った。


 その光は、すごく奇麗で、ずっと見つめていたくなるようなものだった。


 だから穴をのぞき込んでる時、ついつい身を乗り出してしまうんだけど。


 一度落ちそうになって、かなりヒヤッとした。


 だからいい加減やめなければと思うんだけども、公園に来る度にまた覗いてしまう。






 その日も心の中ではあれこれ考えるんだけど、結局覗き込んでしまってる。


 いつも通り、穴の底ではキラキラとした光が輝いている。


 じっと見つめていると、いつもはすぐに消えるはずのその光がなかなか消えなかった。


 おかしいなと思ってると、ぐんぐんとそれが近づいてくる。


 丸い形の光る何かが、二つ。


 好奇心が勝っちゃったみたいで、そこから動くのが遅れた。


 あの二つの光、何かに似てるなと思っていたら、脳裏にひらめく光景があった。


 夜道で出会った、野良動物の目だ。





 あ。


 声を一つだけ残して。


 私はその穴の中に引きずり込まれた。



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