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恐怖の物語  作者: 枯谷落葉
第3章 幽霊の物語
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01 湖



 なぜか一年に一度、とある村にある、とある湖が赤くなる。


 はじっこの方の目立たない場所だけが、そうなる。


 人々はこれを、亡霊の仕業だと噂した。


 この湖で死んだ女の霊の仕業だと。


 それは小さな村の出来事だったけれど、摩訶不思議な出来事として広く知れ渡った。


 多くの人が一目見ようと押しかけて、村の名前はどんどん広まっていく。


 人がやってくるようになると、その村は変わっていった。


 見物客のために宿や料理店などができていった。


 みるみるうちに村は賑やかになり、豊かになっていく。


 村人たちは大喜び。


 湖が赤くなるのは不気味な出来事だったけれど、たくさん人が来てくれたから良い事もあったと。


 けれど一部の村人達はびくびくしていた。


 なぜなら、湖を赤くするために、定期的に人を殺めていたからだ。






 初めのうちはただの事故だった。


 もめていた男女がいて、かっとなった片方が石で相手の頭を割った。


 証拠隠滅のために死体を湖に沈めたら、一日中その部分が赤くなってしまったのだ。


 つぎも偶然だった。


 その殺人現場を目撃した第三者が、自首するように説得していたが、それが喧嘩に発展しどちらかが死亡。


 死体を投げ入れられた湖が、また赤く変色した。


 生き残った人間は、それを見て思いついた。


 この現象を利用して、村を発展させようと。


 その目論見は成功し、見事に村は大きくなった。


 一日に一人だけが消える村は……。


 それはその後何日も続くことになる。


 湖の秘密を探ろうとした誰かが、亡骸のあふれる水中に潜る日まで。



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