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家に帰るまでが遠足
彼が授業中にグラブルをやらなかったのは今日が初めてだった。かと言ってまともに授業を受けているわけでもなく、ノートの余白に美少女のモンタージュを描くのであった。ノートの白ですら表現しきれない透けるような肌の白さを思い出すと、また胸が苦しくなった。
授業は終わり、夕日は煌々と高校を照らしていた。靴箱からローファーを取り出し、周りをねっとりと見渡し、あの美少女を探したが見当たらなかった。もう帰ったのだろうか、と発達障害者と共に駐輪場へと向かった。
駐輪場には何人かの発達障害者たちが待ち構えていた。
「ってオイイイイ!!!陽キャじゃねーかアアア!!」
「陽キャだよねそれ!陽キャだよねエエ!!」
彼らが発狂するのはすごく気持ちのいいものだった。すげー爽やかな気分だった。
発達らを従え、帰路につく彼の瞳には女子高生の生足などはもう映ってはいなかった。彼の瞳はブルーベリー色に染まっていた。