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バカとハサミは使いよう

 「バーンッ!」


 これほど騒がしく教室のドアを開ける必要があっただろうか。いや、今日の彼にはあるのだ。より目立つ必要があったのである。

 

 教室へ入るとリズミカルに身体を揺らし始めた。てんかんの発作が出たわけではない。

 彼の脳内には星野源のSUNが流れていたのだ。それほどまでにご機嫌だったのだ。だが、傍から見れば紛うことなき障害者のそれであった。


 席に座り、自分が辺りの興味を集めていることを確認する。隣でおやつを欲しがる犬のように息を荒げている発達障害者がいることに気がつくと、それを利用しようと試みた。

 「さっきの美少女のことは誰にも言うなよ」とそっと発達に耳打ちをする。発達はうなずくと発達特有のクソデカボイスで叫んだ。美咲野の名物である。


 「ささみくんが告白されましたァーーッ!!」


 云わば人間拡声器だろうか。

 発達障害者のやることは手に取るようにわかる。自分も発達なのだから。


 周囲がざわつく。


 ささみの席の周りに人が集まってくる。それは小学6年生の頃に女子にいじめられて以来の経験だった。


 


 

 

 

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