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ブルーベリージャムは甘すぎない

「……あぁん?」

 興奮を抑えつつ冷静さを交えようとした彼の声はいつにも増してより一層マヌケな声になっていた。

 

「あの…これ!受け取ってください!」

 彼女は無駄な問答はしたくないのかはたまた恥ずかしいのか分からないが、すぐさま彼に紙袋を渡し何処へと走り去っていった。


 はわわぁ。。。と走っていく超絶色白バスケ部風美少女の後ろ姿をただ漠然と目で追っていた彼だったが、心臓の雷神ステップのおかげで頭に血が巡ったのだろうか。すぐさまこの状況を理解した。というかその先のことすら考えていたし、あの娘の裸とか寝落ちモチモチとか単純な温もりだけを思い出していた。


 隣の発達障害者にニチャァ…と得意げな表情を向ける。お得意のマウント取りだ。それに対し、発達障害者は「ささみ早く中身見せろ。」と陰キャ特有の早口を炸裂させる。二人は冬の寒さを忘れ、小学生のように教室へと駆け出した。

 

 彼らの脳内からスプラトゥーンという言葉が完全に消え去ったのはこの先の人生において、教室に着くまでのこの数十秒だったに違いない。


 



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