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2019/7/1公共施設屋内の全面禁煙。ふりがなさん、タバコ規制から政治を語る

作者: ふりがな


2019/7/1より公共施設の屋内が全面禁煙となりまして、それについてちょっと書こうかなという作品です。


ともすると、荒れそうな内容なので、先に、私の立場を明確にしてしまいます。

私こと、ふりがなは、喫煙経験なし、かつ、タバコ規制に対して懐疑派です。

懐疑派である根拠は、仮に人に悪い影響がある物を、何でも規制して良いのだとすると、類似品を、何でも規制出来てしまう先例となってしまうからです。

砂糖、植物性油、アルコール、白米、食物でなくてもあらゆるコンテンツ、私達の生活には、全く同じ理屈で、規制出来そうな物に溢れています。

それらに対して、政府が積極的に規制していくべき物なのか、私には判断がつきません。


まぁ、懐疑派としては、テンプレみたいな立場のようですね。


さて、同問題を調べるに辺り、私が真っ先に調べたのは、現世代で『タバコ規制派』の世界観を作った、中心人物でした。

政治の世界というのは、最前線に立つ、中心人物の敷いた世界観に、従って動く物です。


その業界において、最前線かつ代表的な人物となると、必然的に政治の世界では、60代前半の人物となる事が多いのです。

日本の歴代総理大臣の平均年齢からしても解るように、政治の世界は、高齢者の入り口に立ったと言える人が、現役世代の代表者となっています。

※かつ男性が非常に多い


つまりは、60代前半が、政治業界での、権力のピークという事も言えそうですね。


※他の業界でも考えてみると、業界毎の代表者の年齢の違いや、代表者その人が解ったりしますよ、やってみよう


テレビを見て、その議員がどういう地位にあるかは、まず、年齢と当選回数を見て、そして、大臣や官房長官等の経歴を見て、知るのです。


という事で、タバコ規制派の中心人物を調べようとしたのですが、タバコは規制すべきという論調の記事ばかりで、反規制派のタバコ族議員への批判は出るのですが、規制派の中心となると、非常に露出が少ないのかなというのが、検索での所感でした。


近年の立法府における、タバコ規制派の中心人物は、いったいどなたでしょうか?


※規制が進んでいる以上

、反対派閥を、調べる必要性は、欠片も感じないので割愛します


これ、知っている方は、少ないんじゃないですか?


自民党、塩崎恭久衆議院議員(現68歳)、元厚労相です。

2016-2017に、受動喫煙の規制を、強力に推し進めました。

権力のピークから、多少前後しますが、政治と政策の見方としては、中心人物として、妥当という感じです。


現職の加藤信勝厚労相(現63歳)は、多少妥協しているそうで、その世代の厚労相の意思決定が大きいのが、タバコ規制と言えます。


もちろん、タバコ規制の歴史は、塩崎元厚労相だけの話で終わりません。

少し前というか、もうずいぶん前なんですね、分煙の進むきっかけとなった、2002-健康増進法、時の厚労相は、公明党の坂口力元衆議院議員(当時68歳)です。

第一次小泉内閣の時の話です。


厚労省は権限が大きすぎるので、同法案において坂口力さんが、どの程度の役割を熟したか、見つけられないのですが、恐らくは、今と変わらないでしょう。


もう少し前になると1995年、村山内閣で、今は厚生労働省となった厚生省の「たばこ行動計画検討会」の報告書による、受動喫煙対策があります。

当時の厚生大臣は、故森井忠良さん(当時66歳)。

たばこ行動計画検討会は、メンバーがはっきりしています。

座長は島尾忠男さん(当時71歳)。


このように政策は、政府が上から何となく決める事ではなく、ソフト(人材)で、決まる事が多いと覚えた方が良いでしょう。


※逆に、発案者の顔の見えない政策って怖いと思いませんか?


2003年-WHO『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約』で、中心的な役割を果たしたのは、グロ・ハーレム・ブルントラントさん(当時64歳)でした。

彼女は、1998年WHOの事務局長就任演説で「たばこは人殺しである」との、持論を展開しています。



遡って、嫌煙運動に対して、その過激過ぎる様を、ナチスドイツが一時期行っていた反タバコ運動になぞらえた、禁煙ファシズムなんて言葉もあるようです。


1980年代後半に、私と概ね同じような考えの方が、反タバコ運動を、全体主義的であるとして、批判しています。


團 伊玖磨さん1987年(当時63歳)夕刊コラムにて

筒井 康隆さん1987年(当時53歳)小説新潮にて

山田 風太郎さん1988年(当時65歳)文藝春秋にて


――Wikipediaより転載


非喫煙者によるタバコ規制への批判もあり、むしろ関係の無い人の方が、冷静に批判出来るのかという所ですね。



話は戻りまして、タバコが健康に悪い事は、古くから知られており、タバコ規制自体は、嫌煙運動の前にも度々ありました。

肺に悪いと言うことで、明治時代、軍役のために、未成年への規制を決めています。

WHOが、1975年に「煙草とその健康に及ぼす影響」を報告します。

現代の日本の嫌煙運動は、1977年に中田みどりさん(当時25歳)の作った「嫌煙権」という言葉と、渡辺文学さんとが共同代表となった「嫌煙権確立を目指す人びとの会1978-」から始まったそうです。


1985年渡辺文学さん(当時48歳)が、平山雄さん達と共に、たばこ問題情報センターを設立。


嫌煙権確立を目指す法律家の会の嫌煙権訴訟1980もあり、嫌煙運動は、全国に広がって行きます。

総理府調査によると、嫌煙権の認知度は1983-1994まで概ね70%前後。

嫌煙権という言葉が生まれてから約5年で認知度70%ですので、マスメディアに大々的に、取り扱われたのでしょう。

嫌煙権の早期実現は14%前後、もっともだが30%前後、各自常識に任せるが、42%前後となっております。


さて、この手の嗜好品規制で、比較し易いのが『アメリカ合衆国における禁酒法1920-1933』です。


禁酒法の出来る原因は、なろうの読者も大好き?度数の高い「蒸留酒」の流行でした。


産業革命で形成されたスラム街で、低所得者向けに、大麦、ライ麦、ジャガイモ等を原料とした、安価なとある蒸留酒が出回り、大量のアルコール中毒者を生み出します。


その蒸留酒の名とは、皆さんも、ご存じの「ジン」です。


その「ジン横丁」の悪過ぎるイメージは、1830年代、世界各国にアンチ・スピリット(禁酒)運動を、まき起こします。

産業革命を迎え、比較にならないほど供給量の増大する酒類、特に度数の高い蒸留酒は、同時に大量のアルコール中毒者をも、世界へと、生み出したのです。


かの悪名高き禁酒法とは、大量に出回る安価な蒸留酒の『反作用』の結果だったのです。


政治の世界では、過去の教訓である『反作用』の力が時に、大きく扱われます。


某総理が良く使うフレーズ、何々党時代は悪夢だとか、原発の停止は、反作用の影響が、民主主義の政治力学において、非常に大きいのだということを物語っています。


では、この嗜好品の規制である禁酒法と比較して、たばこ規制における、近年の反作用の原因となった出来事とは、いったい何でしょうか?


それは、現役世代60代前半の政治家の代表者が、大きくたばこ規制に動きたくなったような、出来事です。


皆さん、自分でも、考えてみて下さいね。


これは、先に出した渡辺文学さんの事を調べると、当時と現在の違いが解ります。


渡辺文学さんは、自身が嫌煙運動に転換する前、一日60本のタバコを吸う、ヘビースモーカーだったのです。

タバコ価格の高くなった今では、ヘビースモーカーの話は、滅多に聞きませんよね。


政治思想は多感な20代の影響を大きく受け、概ね40代で固まります。

現在のタバコ規制に繫がる嫌煙運動、その嫌煙運動の始まった40年前、1980年前後、現在の政治家の代表者が20代だった時代には、高所得者であればあるほど、自身が一日100本吸うのも珍しくないヘビースモーカーか、もしくは自身の職場の周りがヘビースモーカーで溢れていたのです。

※俗に、主張されている低所得層は喫煙率が高いという話は、タバコ規制後の話で、かつ『一日に吸う平均本数』では相関しない、もしくは反比例です。


その頃、たばこの値段は、200円前後でした。

駅前の道ばたは、どこもタバコの吸い殻に塗れていました。

駅の構内では、どこでもタバコが吸われていました。

社内では、みんながみんな、タバコを吸いながら働いていました。

部屋の中は、たばこの煙で真っ白だったのです。


――これは、イメージの悪過ぎるタバコ横丁――


今ではタバコは1箱480円。

駅前の道ばたに、吸い殻が溢れてる光景なんてものは存在しません。

駅の構内は禁煙です。

社内で働きながらタバコを吸う?――とんでもない、あなた正気ですか?

非喫煙者のために、真っ白な部屋である喫煙所は、隔離して設けられています。


マナーや健康問題から、あらゆる会社のデスクから、タバコの姿が無くなりました。


今現在のタバコ規制派の代表者が、40代(2000年前後)になった頃、20年続いた嫌煙運動により、タバコ環境が徐々に改善する社会を見て、その思想は固まる事となったのです。


つまりは、純粋な健康問題以前に、世代として、反作用の影響が非常に強く残って居るのが、今の世代の、タバコ規制派の、代表者と言えます。


その政治家の思想を考えるには、20代前半の時代背景を調べ、40代に至った思想を見ると、だいたい解るという感じです。


世代としてのイデオロギーですから、そもそも、タバコ問題は、アルコールと同列に語るような、健康問題ではないのだと言えます。

そして、20代前半は、その世代の代表者の世界観の影響を、さして根拠も無く最も受ける多感な層です。


今現在の20代前半は、周りにヘビースモーカーを見たこともない、昔と比較してマナーが段違いだとしても、悪いハズなんだと、60代現役世代の反作用に共感し、信じ込む世代と言えましょう。


※今もヘビースモーカーが存在してるのか調べると、坂上忍さんは今でも一日100本吸う時があるとか。

和田あきこさんは、一日200本吸っていた時代もあったそう。

ちなみに私は、一箱何本入っているか今調べて知りました、20本だそうです。

一日3箱となると、今では、なかなか喫煙所に通い詰めて吸える量ではありませんよね。


個人的には、国内問題に限るなら、次の世代から、タバコ規制の波は、おさまって行くのかなと予想します。

それは、反作用をイデオロギーとして持つ世代から、反作用の世界観を持たない、次の世代へと、世界観が移り変わってくるからです。


因みに、厚労省によると、一人辺りのタバコの消費本数がピークに達したのは、1975年前後だそうです。

※これ15以上の人口で割ってるのかな?はっきりいって人口で割る意味が解りませんが。

1975年の15歳以上の人口は約8500万人、喫煙率は、男性76%。


※女性は右肩下がりですが、15%をピークにほぼ横ばいのため割愛


巻きたばこの販売本数は1975年に3000億本、1996年にピークの約3500億本となります。

そして、販売本数のピークとなる1996年の15歳以上の人口は、約9500万人、男性の喫煙率は56%。


一人辺りの消費本数というか、何とか言うか、喫煙者の一日に吸う平均本数として、日本は1996年頃、喫煙率の減っていく中で、一番、ヘビースモーカーが多かった時代となります。

1996年、喫煙状況まじやばい。


その後、喫煙率は相変わらず緩やかに減少し、販売本数も、1997以降急激に減少に転ます。


今ではヘビースモーカーは、絶滅危惧種状態かもしれません。

と言うことで、今回の話は、政治の世界では、科学的根拠よりも、意外と反作用の力の方が根強い、という物でした。



つまり いせかいに じょうりゅうしゅ って じつは  まじぱねぇ


さいきん わだい の はんほげーかつどう も あてはめて みると いまが ぴーく だ


当時高所得者の方がヘビースモーカーが多かったというのは、自身の経験の方が反作用が大きいという事から、嫌煙運動は、非喫煙者よりも、むしろ重度の喫煙者か、重度の喫煙者に関わる人達が積極的に参加したという話もあります。

今政策に関わる層が、嫌煙を積極的に支持するというのは、つまりそういう事です。

基本的にパワーエリートと言うのは、歴史的にも、集団で変な宗教に引っかかったり、狭い繋がりでの流行に振り回される事の多い層なのです。


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[一言] 喫煙者にとっては肩身の狭いご時世です 電子タバコのコーヒーフレーバーは嫌いじゃありません…舌先に残りますが 経験から、1日何箱という方の多くは巻きの半分も吸わないんじゃないかなあと ひと吸…
[一言] 僕自身は嫌煙者ですが、あれだけ増税だの全面禁煙だのと狙い撃ちで冷遇されていると若干かわいそうな気もします。 オリンピックに向けてクリーンな社会をアピールしたいのかもしれませんけど、ちょっとや…
[一言] JTのせいもあると思います 専売法で政治家がバックにつきづらくなり、公社化で癒着が減ったようです 農家数もガンガン減り輸入タバコメインになり 販売数もどんどん落ちるとなると殴られる方に回るで…
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