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言葉の壁

作者: 南波英人

人類は技術の発展や研究で人口問題や環境問題を少しずつ改善していきました。


でも、解決できない問題もありました。


それは国同士における戦争でした。


価値観や宗教の違いもありましたが一番の原因として言語の違いが挙げられました。


言語が分からないから意思が疎通できない。


疎通できないから争いが起きる。


それを解決するためにそれぞれの国を代表する博士達が集まり研究を始めました。


博士達は深く幅広い知識と高い知能を持っていましたが欠点もありました。


異常な好奇心と探究心でした。


「言葉は完全に理解できるようにしよう」


「遠くの人とでも意思の疎通が出来るようにしよう」


「言葉を発しなくても分かるようにしよう」


博士達は何年もかけて装置を世界中に作りました。


どんな兵器でも災害でも壊れないように厳重にし地下深くに設置しました。


装置が起動すると世界中で戦争や紛争、個々の小さい争いさえもなくなりました。


そして世界中で様々な声があふれました。


それは希望の声ではなく絶望の声でした。


知りたくもない相手の言葉が分かる。


それも時間を問わず毎日毎日・・・


それだけでなく動物や植物、虫、菌の声も聞こえるのです。


それらの声は人間の声とは違い生きる事に貪欲な声でした。


それは人々の食欲を奪いました。


何か食べるには生き物の断末魔を聞かなくてはいけないのです。それも世界中から。


耐えられなくなり自殺しようとしても世界中から

非難され出来ない。


世界は平和になりました。


人間を除いて・・・

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― 新着の感想 ―
[良い点] 良いですねぇ!こういう英国式皮肉マックスなバッドエンド大好きですねぇ! どんな兵器でも災害でも壊れないように厳重にし地下深くに設置しました。の辺りであっ…(察し)となる構成も素晴らしいです…
[良い点] 生きることに貪欲って言葉が心に残りました。奥が深そうなテーマですね。
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