同居④
「姫乃ちゃんの彼女ってどんな子」
「かわいい子っす」
「へぇ、そうなんだ」
朝ご飯を食べながら男同士のコイバナ。まぁ姫乃ちゃんにはちんちんついてないけど。
「どんな感じの子? 写真とかないの?」
「写真っすか。なくはないですけど」
ポーカーフェイスでご飯を食べる姫乃ちゃん。動く気配なし。
これはつまり遠回しの拒否。
けれどここで引き下がるのも面白くないのでもう少し揺さぶってみる。
「姫乃ちゃんがどんな子と付き合ってるか気になるなぁ。きっとすごくかわいい子なんだろうなぁ。いい人そうだなぁ」
「……いい人そうっすか?」
「うん。だって姫乃ちゃんの自慢の彼女さんでしょ? きっと優しくて素敵な子なんだろうなって思ってさ」
俺がそういうと、姫乃ちゃんは視線を下げて少しフリーズ。
時間差で顔が赤くなる。
青春かよバカヤロー。
「ちょっとだけならいいっすよ」
しばし考えてから、ズボンのポケットに手を突っ込みスマホを取り出す姫乃ちゃん。
操作に時間がかかってるのは見せてくれる写真を選んでいるのか。
焼きたてめざしの頭なんぞをかじりながら穏やかほほえみフェイスを維持する。
地味にこの時間、童貞のHPがガリガリ削られています。よせばよかったぜ。
「これっすけど、一瞬でいいっすか」
そういうと、本当に一瞬だけ見せてくれた。
今どきの子にしては珍しい茶髪縦ロールの上品清楚かわいい系。
髪と服と顔がちょっとアンバランス。ロリータ系がばっちり合いそうなお顔立ちでした。
「かわいいじゃん! なんで一瞬」
「いや、なんていうか、まぁ、えなりさんなら惚れたりしないでくれるとは思うっすけど」
「え。それって、横取りするとかって話? ないない! そんなのあり得ないよ。それにこの歳で高校生への片思いとかきつすぎるから!」
「あ、はい。……そうっすよね」
俺の返事を聞いて姫乃ちゃん、ちょっと微妙な顔をした。
なんか欲しかった答えじゃなかったっポイ。
え、なんていえば正解だったんだろう。
つらい。こんなおっさんに恋敵的警戒とかしてるに違いない。青春かよ!
姫乃ちゃんの少年っぽい青春光がまぶしすぎます。
僕にはこれ以上ご飯が食べられませんでした。胸が苦しくて。




