六章 罠
突然姪の面倒をみなければいけなくなったり、中間テストがあったり、もうすぐ修学旅行だったりとハードスケジュールだったので更新が遅れてしまいましたが、11月上旬からはちゃんと更新できそうです。
一行はチャトを出て、徒歩でルートを目指した。その道中は3kmほどの平野なのだが、商業の街と交通の街を繋ぐ道というだけあってちゃんと舗装されているどころか、そこだけアスファルトになっている。
約1kmくらい行った時、幸太郎はそんなに体力があるわけでもなく、ましてやこんな距離を徒歩で移動したことがないのでクタクタになっていた。
「そ、そろそろここらで・・・休まない・・・?」
「またですかぁ?これでもう3回目ですよ?」
ポポはガノンの兜の上に乗りながら言った。
「お前は・・・頭の上に・・・しがみついてる・・・だけだろ・・・!」
幸太郎は息を切らせながら言った。それを見かねたフレイヤが休めそうな場所がないか、辺りを見渡した。フレイヤはエルフなのでこの中の誰よりも目がいいらしいからだ。
「あのすぐ近くに生えてる木の横から屋根みたいな物がはみ出してるのが微かに見えるわ。」
他の全員がその木を見たが、誰も屋根の片鱗すら見ることができなかった。
「分からねぇがフレイヤが言うんだから確かだ。この辺りにあるとすれば休憩所だろうからそこで休・・・、」
「でも何か嫌な予感がするのよねぇ・・・。」
ガノンの言葉を遮ってフレイヤが言ったので、ガノンは少し不機嫌な顔をした。
「エルフは第6感も優れていると聞きます。勇者様、このまま通り過ぎます?」
ポポが幸太郎の方に飛んできて言った。幸太郎は悩んだ末に結局休むことを選んだ。
フレイヤが言った辺りには本当に休憩所のような、4人掛けの椅子が1つあるだけの小さな東屋があった。
「い、椅子・・・!」
幸太郎はフラフラと椅子に歩み寄り、倒れこむように座った。
「もう、だらしないですね〜。瞳は女の子なのにちっとも辛そうじゃありませんよ?」
そんな馬鹿な!幸太郎が瞳の方を見ると、本当に何んともなさそうだった。
「何で!?」
あまりの衝撃に幸太郎の声が裏返った。まさか自分の体力がこんなか細い女の子に負けているなんて・・・。
幸太郎が唖然としていると、瞳が戸惑ったような顔をした。
「なぜかはわたしにも分かんないんだけど、“夢の国”に来た頃からずっとこうなの。」
「それはきっと、ある種の魔法ですよ。」
またポポの解説が始まった。
「魔法というのはそもそも人の想像や感情などが具現化した物のことで、その能力があまりに強すぎてちょっと何かを思ったり感じたりしただけで、その能力の片鱗が出てくる人が時々いるんですよ。つまり瞳には魔法の才があるってことですね。」
そうか、宿屋での揺れはそういうことだったのか。
「わたしに・・・?」
瞳は驚いて目を瞠った。
「はい。少し学べばすぐにでも魔法をマスターできると思いますよ。あ、そういえばまだ“マジック・インスペクター”を使ってませんでしたよね。休憩がてらに2人の“魔法気質”を測ってみましょう。」
「“魔法気質”?」
聞きなれない言葉だ。僕と瞳は今から何を測られるのだろう。
「要するにどんな魔法に向いているか、ってことよ。」
フレイヤは、ガノンが持っている荷物の中から袋ごと出した、“マジック・インスペクター”を受け取りながら言い、それを2人に配った。
「それを袋から出して握ってみて。」
“マジック・インスペクター”はただ白いだけの石だったが、2人がそれを握ると瞬く間に水色、オレンジ、青、赤、黄、緑、白、紫、黒の9つの色に変化した。まるで領地図のようになっている。
「それはその人の性格を現していて、水色、オレンジ、青、赤、黄、緑、白、紫、黒は、順に破天荒で“天”に、穏やかで“地”に、冷静で“海”に、要領がよくて“炎”に、荒々しくて“雷”に、優しくて“療”に、奥手で“護”に、誰にでも平等で“能”に、賢くて“人”に向いています。」
えっと、僕の石の色で一番多いのは・・・。
「そうそう、“天”は自分勝手だとか、“地”は天然だとか、“海”は根暗だとか、“炎”は適当だとか、“雷”はバカだとか、“療”は騙されやすいとか、“護”は臆病だとか、“能”は八方美人だとか、“人”はずる賢いだとかいいますよ。」
・・・1:1:10:1:1:1:1:7:3で青で海・・・要するにすっごい根暗・・・。
「誰が根暗だって〜!?」
幸太郎が怒るとポポは慌てて謝った。
「す、すすすすみません!!」
「わたしってそんなに騙されやすいのかな・・・。」
幸太郎が騒いでいることに乗じて、瞳はボソッと呟いた。
フレイヤはそれを見て笑っていたが、突然真剣な顔になって辺りをキョロキョロと見渡し始めた。
「皆、敵よ!取り囲まれているわ!」
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