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エピローグ

「赤沢ソラさん、調子はどうですか?」


 薄暗い、外から鍵の掛かる狭い部屋。金属パイプ製の白いベッド以外には何も置かれておらず、窓には鉄格子が入っている。部屋の隅には仕切りも何もなしに洋式便器が据え付けられていて、この部屋から出ずに生活できるようになっていた。


 ベッドの隣の椅子に座った白衣の中年医師に訊かれ、ベッドに腰掛けた赤沢はニコニコしながら答えた。


「黄山、今日はひろしが初めて私をママと呼んでくれたぞ! ひろし、もう一回言ってみてくれ! ほら、ママって言った!」


 赤沢は擦り切れてボロボロになったぬいぐるみを嬉しそうに医師に見せる。赤沢がここに来る前から持っているぬいぐるみだ。映画館でたかしに買ってもらったものだが、そんなことは医師には関係ない。


 全く回復の兆候はなし。仕事を終えた医師は立ち上がる。


「お変わりはないようですね……。それではまた一週間後、診察に参ります」


「黄山、もう行ってしまうのか? でも、仕方ないな。黄山は世界を救ったヒーローだから。ひろし、パパを励ましてやってくれ。パパは凄いのだぞ。パパは世界の悪と戦っているのだ」


 赤沢は医師を見上げながら微笑む。無言で医師は部屋から出た。医師を見送った後、ドアの方を見ながら赤沢は目を細める。


「黄山、いつまでも私は待っているぞ。私とひろしが、黄山の帰ってくる場所だから……! 今の私は、ほしかったものの全てを持っている……!」


 赤沢の瞳に穢れはない。赤沢は、幸せだった。ただ純粋な好意だけが、ドアの向こうに向けられていた。

 これにて終了です。いかがだったでしょうか。読んでいただいた皆様、ありがとうございました。


 あまりに後味が悪いというのが反省点です。たまにはこういうのもいいかなと思ったのですが、やり過ぎかなあと。未来からたかしと赤沢の子孫がやってきて最後に逆転、という案もありましたが陳腐すぎる気がしたのでやめました。あるいは題材は変えずコメディ路線で書いた方がよかったのか……。


 次回作は普通にハッピーエンドの話になります。またお会いできれば幸いです。

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