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鬼様此方  作者: 神山里美
1/2

一走目

今日も久我ちゃんの怪談でクラスが静かになる。


静かな教室で久我雅の怪談話が響く。





「十一年前、俺らが小学三年生の頃に起きた話。」


「え、実話なの?」


中山ひかりが口を挟む。


久我ちゃんが「嘘なんじゃねーかな?」と言った後、話を続けた。


「とある少年がいて、その少年は二つ年上の四人の女子に苛められた。少年は抵抗することも出来ずただ苛めに耐えていた。」


久我ちゃんの怪談の語りは上手くて、

イメージが出来る。


「そろそろ苛めに耐えられなくなったある日、学校に呼び出された。とある事をすれば苛めを止めると四人は言った。」


「そ、その条件は…?」


恐る恐る聞くと久我ちゃんは言った。


「二階から飛び降りる事。勿論少年は奇跡に助かった。だけど打ちどころが悪く、失明してしまった。」


久我ちゃんは続ける。


「少年は家族の笑顔が大好きだった。でも目が見えなくなった。それに絶望した。彼は耐えられなくなり…





自殺した。」





自分が少し震えてることに気付いた。


「その後を追うように二人のいじめっ子は謎の病にかかり、死を迎えた。」


久我ちゃんがいつもより不気味に話してゾッとする。


そう言えば、語りを練習してると聞いた。


だからいつもより不気味に見えるのだろうか?


「え?でも後の二人は?」


久我ちゃんは答えた。


「さぁ…その二人は…呪いで殺されたんじゃないか?」


そう静かに呟いた。


「あ、それとなその死んだ少年。鬼ごっこが好きだったらしいからさ、今度皆で夜学校に忍びこんでやろうぜ?二時丁度にやると出てくるんだって。」


付け足して久我ちゃんは言った。


強制参加な?


と…。


「雅がやるんだったら俺やるわ。」


中山終は言う。


男子は結構乗り気だが女子は数人しかやりたい人が居ない。




「嫌なんだけど俺。」


俺榎本杏理は、同じクラス、同じ美術部の小田真由に愚痴る。


「まじそれな…私も嫌なんだけど。」


真由はとても可愛くモテる。可愛い系女子。


「え!?何なに!?何話してんの!?」


このうるさい声は…


「果鈴…。」


福山果鈴は、美術部の副部長。もう三年生は引退したから果鈴が仕事をしてる。


真面目何だけどたまに頭可笑しいんじゃないの?っていう行動をする。


「クラス全員参加の肝試し的なやつの話。」


「え、やりたい!二年の美術部全員で参加しよう!」


「は?」


何言ってるんだ?俺達嫌だっていう話してたんだけど?


「真由ちゃんがやるなら私もやる!」


と余計な事を言ってきたのは、山里百合。いつもテンションが、高く笑ってる。こうみえて頭が良い。


「よしやろう!じゃ真由、杏理ちゃん頼んどいてね!」



面倒なことになった。二人で顔を合わせそう思った。


あとの美術部員何も知らないのに、大丈夫か?












呑気な考えを持つ俺はまだ知らない。
















この先の絶望と恐怖を……。

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