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記憶  作者: 一之瀬 輝
5/15

衝突

 正直誤算だった


 まさか同じ課の人に見られるとは


 まぁ、いいこれは仕方ない


 それより浅尾さんに頼んだ書類はどうなったのやら……


 時間は十二時になりお昼のチャイムがなった


 いつものように休憩室で煙草を吸い、コーヒーを飲む


 海上自衛隊の仕事柄、飯の時間が大幅にずれる事が多いためか

 あまり昼飯を食べる習慣が無くなった


 自販機で煙草を買い火を点ける


 「……あれ?」


 ジッポーで火を点けようよすると火が点かない


 すると何処からか火が自分の前へ点いた。それは村木さんだった


 「あれ?村木さんって煙草吸うの?」


 「OLですから何でも持っていないと」


 「そうか、有り難う」


 そう言い俺は煙草を火の近くに着け、軽く吸う


 煙草の先は一瞬赤くなりそれから先が黒くなった。火がついた


 思いっきり肺に吸い込み口から紫煙を吐く 


 「……うまい」


 「ホントに煙草好きなんですね」


 「え?」


 「いや、瀧瀬さんって煙草吸うときは至福のときって顔するから」


 「え、本当?」


 「まぁ、いいわ。それよりあんたミユの事どう思ってるのよ?」


 「ミユ?」


 「美雪よ美雪」


 「どう思ってるって?普通だよ」

 

 「ふ〜ん、そ」


 そういい村木さんは何処かへ行ってしまった


 俺は短くなった煙草を見て鼻で笑いもう一回吸ってから捨てた


 





 昼の終わりのチャイムがなって再び仕事についた


 「瀧瀬さん」


 「ん?」


 振り向くと浅尾さんがいて右手には頼んでおいた資料があった


 「これ、終わったんで渡します」


 俺はそれを無言で受け取り席を立とうとすると


 「待ってください!」


 振り向くとすごい剣幕をした浅尾さんがいた


 「本当に言う事が無いんですか?」


 「特に無いが?」


 「あの、瀧瀬さん"お礼の言葉"て知りませんか?」


 「知らない」


 「いい加減にして下さい!」


 彼女が思いっきり腕を机にたたいた


 「人をなんだと思ってるんですか!?」


 「あぁ」


 意識がボォーとする。体がフワフワ浮いて何処にでも行けそうな

 気がする、意識が飛びそうだ


 俺の眼の前には愛しい恵子がいる


 「恵子……」


 俺は恵子に抱きつくように倒れた


 海将補が青ざめた顔で俺を呼んでいた様な気がした




 










 「……何処だここ?」


 「あぁ、瀧瀬ようやく目覚めたか」


 「海将補じゃなくて課長どうしたんですか俺?」


 「まったく君は倒れたんだよ」


 「え?」


 どうやら俺は倒れたらしい。原因は極度の睡眠不足と疲労らしい

 最近寝れた無い原因……


 「恵子ちゃんじゃないのか?」


 「ーーーっ!」


 「墓参りにいったらどうだ?」


 「しかし……」


 「社長にはもう言ってある、行って来い"上官"命令だ」


 「わかりました……」


 「まぁ、今日はゆっくりしてなさい」


 課長はそういい病室のドアを開け、出て行った


 点滴のせいか眠くなりしばらくベットに身を預ける事にした……

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