意外な一面
俺は今グロック19を手にしてる。
セーフティートリガーからトリガーへと指をかけた
Op.FHの状況開始から
2ヶ月の時間を掛けてようやく追い詰めた
このOpのターゲットは名前どおり「父親狩り」皮肉にも
そのターゲットとは自分の父である。
そして自分の父に向って俺はこう言った
「死ね」
なぜか俺の親父は笑っていた
俺は躊躇無く引き金を引いた
寝苦しい夜だった。寝汗をびっしょりかいてすぐに寝れたもんじゃ
なかった
そしてアルコールで強引に寝たらこの悪夢。最悪だ
時計を見るとまだ5時。出勤まで時間がまだあるので一人ドライブを
することにした
愛車のキャディラック(もちろん改造車)にエンジンをかけ近くにある
海に行く事にした
馬鹿でかいエンジン音を出しながら海へと着いた
まだシーズンオフのドライブイン。あらかじめ買っておいた
缶コーヒーの口を空けてのどに流し込む
微糖のせいか苦味と甘味が同時に襲ってくる。瀧瀬はブラック好み
だが、売り切れだったため渋々買ってきたが口に合わない
お決まりの煙草に火をつけて紫煙を吐き出す
海を眺めてみた。ただ何も無く決まった間隔で波がうねっている
このでかい海に身を預けれたらなといつも思う
砂浜にでかい図体を大の字にして身を瞑った
まだ5月。肌寒い風が瀧瀬を包んだ
「……7時半」
時計を見るとそうなっていた
「遅刻……まずい!」
始業時間が8時50分。車で飛ばせば1時間と少し
「間に合う」
瀧瀬はひたすら車を飛ばした
「ねぇ、美雪。あんたそんな事言って瀧瀬さんと仕事できるの?」
「う〜ん。瀧瀬さん次第じゃない?」
「質問を疑問で返すな!」
ヴァン ヴァン ヴァン ヴァン
「うるさい、朝から暴走族?しかもこんな都会で」
恵梨花の毒舌が炸裂した
「でも何か音が近づいているような気がするんだけど……」
私が言うと恵梨花は青ざめた顔で言った
「ねぇ、アレじゃない!?」
「え……?」
私も振り向くと真っ赤な色をした如何にも高級外車っぽい車が
こちらに向っていた
「うわぁキャデだ」
恵梨花が唸るように言った
「きゃで?知ってるの?」
「うん、アメ車の超高級車に部類するわ、しかも改造車としても
扱い易さナンバーワンね」
「博識だね」
「お金と車にしか目が無いの」
普通に言ってのける恵梨花だった
「でも乗ってる人かっこいいよね。誰だろう?」
その車はコッチに向ってくる
「もしかして……うちの会社の人?」
「可能性は高いわね。でも誰だろう?そんな人いたっけ?」
車は私たちの前に止まり、車から出てきた
「……瀧瀬……さん?」
「へっ?」
車から出てきた主はそう、瀧瀬さんだった
「えーっ!!」
私と恵梨花のの声がミックスされ大音量となった
「そんなに驚かなくてもいいんじゃないかい?」
「瀧瀬さん……なんかセクシーですね」
「えっ?」
「スーツなのにシャツ出ししてるし、ボタンも第三まで空いているし
少し腰パン気味だし、何か変なネックレスしているし
煙草くわえているから」
恵梨花はこの瀧瀬さんの姿を携帯で撮った
「ちょっと何してんの?」
私が小声でささやくとこう恵梨花がいった
「入社わずか二日でファンクラブができたのよ
希少価値高いしこの写真……金になるわ」
恐ろしい女め恵梨花……
「あの君たち遅れるよ」
警備員が私たちに声を掛けてくれた
「え?瀧瀬さんは?」
「あぁ、とっくに行っちゃったよ」
「恵梨花、急ごう!送れちゃうよ」
「そうだね、行こうか!」
案の定瀧瀬さんの写真は馬鹿売れしたらしい
瀧瀬さんの意外な面が見れた今日の朝だった……
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