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記憶  作者: 一之瀬 輝
13/15

回想

これで回想は終わりです

 〜〜〜DDH護衛艦はるな〜〜〜



 "しまぐに"は被弾した、俺は"はるな"の艦長。だが何もできなかった



 俺は巨大なディスプレイに映っている"しまぐに"を呆然と見ている



 ドタドタと走ってくる音が聞こえた。息を堰切って走ってきた



 通信員だ


 

 「通信員、どうした?」



 通信員は慌てて読み上げた



 「し、し"しまぐに"から打電です」



 「どうした?救援要請か?」



 "しまぐに"も限界がきたか……恐らく機関室の冠水か推進系統の

  ダメージか? 



 「"しまぐに"はよく頑張ったよ・・・」



 隣にいる副長が涙ぐんで喋っていた



 「い、いえ……救援要請じゃありません」



 「なんだ?他に何がある?」



 この状況で打電、艦長は潮崎1佐。独断専行は無いはずだ……



 「読み上げます」



 通信員は手を震わせながら読み上げた



 

 「我思うに現在の戦局は如何わしいものなり。戦局の逆転を図るために

  突入攻撃を仕掛ける。他の全艦は手を出さないよう」



 戦局の逆転を図るために突入攻撃……



 「発信者は誰だ?」



 俺が怒鳴ると通信員は萎縮しながら答えた



 「宛 海上自衛隊」



 「そんなの当たり前だ。いいから続けろ!!」



 通信員が目を大きく開いた



 「発 海上自衛隊"しまぐに" 砲雷長 瀧瀬真」



 「砲雷長!?」



 瀧瀬真……海上自衛隊史上天才の砲雷科員。幕僚指揮過程を難なく

 通過した男



 「ここで大局を見誤ったか……」



 俺には出来ない。おれも今すぐ反撃したいが面子をこだわって

 出来なかった。彼が羨ましい、自分の意志を行動で表せる人が羨ましい



 「艦長!"しまぐに"から発煙2確認!!方向は敵艦隊です」



 「なっ!攻撃!?」



 "しまぐに"が動いた……















 〜しまぐに〜



 「弾着まで5秒……」


 

 「弾着!!攻撃成功です!!」



 うわぁ!!っと歓声が上がった。海上自衛隊初の攻撃は呆気ないもの



 ボタン一つで人が死ぬ。是が"戦争"なのだ



 「艦長、敵艦隊はかなり混乱してますね艦隊陣形がかなり崩れてます」



 斎藤が報告をした



 俺はコンソールのスイッチを入れて



 「ご苦労、対空・対潜の警戒を厳重にな」



 と声を吹きかけた



 俺は対空レーダーに目をやり次の目標を決めていた。                      康定級フリゲート級8、成功級フリゲート7、済陽級フリゲート8である



 フェーズド・アレイ・レーダーが一回で攻撃と出来るのは12機



 「艦長、康定級から攻撃を確認。本艦です」



 やはりきたか…… だがやるべき事は一つ



 「対空戦闘用意!!飛来するミサイルに備え!!」



 俺が怒号すると速やかに対空戦闘に移された



 「スタンダードですね?」



 斎藤がこちらを見て問い掛けてきた



 「よろしい。飛来するミサイルにターゲットマーク」



 俺はそう答え目をそらした



 「撃ち方用意〜撃っ!!」



 スタンダードが撃たれあっさりと飛来したミサイルを撃墜


 

 次は反撃……纏めて片付けたほうが早いかな…………



 「兵器の管制を自動から手動へ変えるぞ」



 斎藤は何故?という顔をした



 「ハルマゲトン・モード(無差別飽和攻撃)用意」



 「ハープーンを全て使い切るぞ……データを入力してくれ」



 「砲雷長、いいんですね?」



 斎藤が最後の確認を取ってきた



 「ああ、苦渋の決断だがな……」



 「よし、撃ち方用意〜」



 手が震える、怖い。できればこんな事したくはなかった


 

 でも是が俺の"意志"いいんだこれで



 「待ってください!!」



 斎藤が突然声を荒げた。それも尋常じゃなく



 「敵艦隊反転!撤退していきます全艦です、攻撃中止を具申します!」



 「何故だ!?」



 ありえないどういうことだ?今なら攻撃が間に合う



 「攻撃中止は認めない!撃ち方用意、確実に落せ!!」


 

 「対空レーダーに感!戦闘機です!!」



 「周波数は何処だ?」



 このタイミングで戦闘機?航空機による大編隊攻撃か?



 「べ、米軍です!米軍周波数を確認!沖縄嘉手納飛行場からの発進を

  確認。現在機種を確認中」



 馬鹿な、アメリカは無関係を主張したのに



 「照合が完了!F−14、トムキャットです」



 「上からの打電です"撤退せよ"と……」



 何故だ、何故だ?理不尽すぎる!!



 「砲雷長!いいんですか?」



 「ええいくそっ!命令は命令だ撤退するぞ、針路1−1−1両弦全速

  取り舵一杯!!」



 

 俺たちの戦争は国の間での会談で終わってしまうようなものだったのか?



 海は何も答えてくれず艦はだだ波を切り裂いていた……

















 事件が終わってから2週間後俺と艦長は査問委員会に掛けられた



 無許可攻撃、独断専行……艦長は陸の閑職に更迭、俺は補給科に

 飛ばされた



 運命は俺と艦長を日本の動乱のステージから降りる事を許さなかった…












 


 

















   












戦闘のシーンはあまり書きませんでした

じゃないとかなり掛かってしまうので(汗


次回からは会社を中心とした展開になります


批評・感想をくれると嬉しいです

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