Teatro tragico...
「これは・・・・・
もう酷いですね、、、」
「ああ・・・・・」
辺りは見渡す限りの崩れたコンクリートの残骸、、、
そこかしこに広がる赤い染み・・・・
残骸の端々に紛れているような人間の欠片・・・・・
今、そんなような風景を2人の警察官が絶句の様相で眺めていた。
大井町の人質籠城事件は
最悪の結果を迎えて終わってしまった、、、
死者は犯人グループを含めて80人余り、
生き残った人間は誰も居なかった。
警察は犯人グループが爆弾を爆発させたとして彼等を被疑者死亡のまま送検した。
「どうして・・・・
こんな事に、、、」
「え、、、み、、、こ、
恵美子~~~っ!!!」
「あつし・・・・
篤ぃぃぃっ!!」
同窓会に出ていた彼等の親達は、
突然起きた悲劇に
ただただ悲しみのあまり叫び続けるしかなかった。
「え、エミ
お姉ちゃん・・・」
いや、訂正しよう
1人生き残った女性がいた。
古山紗弥加、
あの時
彼に助けてもらった彼女は警察に保護されていた。
そして、大井警察署に移送中だったために難を逃れたのだ。
「う、ウソだよ・・・ね?」
悲劇を聞いた紗弥加は警察官に連れ添われて
もはや瓦礫となった市民会館に来ていた。
そして、目の前の惨状を目の当たりにして放心して膝から倒れ込む。
「こ・・・
こんなの・・・・
こんなの・・・・!!」
彼女は頭にある悲劇を受け入れられずに両手で頭を抱える。
「嫌ぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!」
彼女の絶望の叫びが崩れ去った会場の残骸に響き渡っていった・・・・・・・・
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