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 parte.10 その男、颯爽と!!


ヒュン!!!!


ギイィィン!!










「えっ!?」


「・・・・・え!」


「なにっ!?」









私はいつ襲うのかわからない激痛に体を竦ませていた。



……でも、その痛みは何時まで経っても私の身体に響く事はなかった。



「・・・・・・?」


私は恐る恐る目を見開いた。









「え・・・・・・?」


私の目の前には、

信じられない光景が広がっていた。









誰かが立っていた。


私に背中を向けながら、


左手に握られた何かであの男のナイフを受け止めていた。


それはあの男達が使っていた金属製の警棒、


私は目の前に立ち塞がる人を見つめていた。









それは黒い壁のように大きな身体で、


黒い半袖と黒いズボンを身に纏って・・・



私をまるで守護する戦士のように、

目の前の敵と対峙していた。


振り下ろされそうなナイフを警棒で押し戻しながら―――









やがて彼は左腕に力を込めて

右手を警棒に添えて両手持ちに変えて、


鍔迫り合いをするナイフごとあの男めがけて振り下ろした!!


『ハァァァァァァァアアアアア!!!!!!!!!!』



バキン!!!


金属をへし折る音と共に

あの男も会場の壁めがけて吹き飛んでいく!!









バゴンッッッ!!!


「ぐはっ!?」


あの男―倉橋は

背中から壁に叩きつけられて

呻き声を出して床に吸い寄せられるように倒れていった。



カラーン・・・


その後についていくように何かの金属片が床に落ち、音を立てて転がっていく。



それは先ほどまで倉橋の手に握られていたナイフの刃先だった。


彼の一撃はあの固いナイフの金属をも叩き割っていたのだ。









ブンッッ!!


まるで刀につく血を振るって落とすように

彼は左手の警棒を腕ごと振るっていた。








誰もが言葉を失っていた。


目の前の出来事が信じられなかったからだ。


でもその静寂を打ち破るように、倉橋の部下の1人が叫んだ。


「お、お前!誰だ!!!」






『・・・・・誰?』


警棒を振るった彼は不敵な笑みを浮かべるように口元をニッと持ち上げた。


『そうだね、俺は・・・・』









彼は顔を上げ、

キッと男達の顔を見て

こう答えた。









『ただの・・・・・

 自由人だ!!!』



広い会場の空気を大きく振動させるような大声で!


その人は

堂々と名乗りを上げたのだった!!

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