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第五話 ケジメ


「粛清完了……!」


 僕はバーサスの仲間全員を皆殺しにした。ただその過程で皆の家を燃やしたり死体が散乱したりしたから大分村の皆には迷惑をかけてしまったな。流石に皆もカンカンだろう。


「村の皆、大分派手にやってしまって申し訳ありません。僕もうこの村にいる資格なんてないので今すぐここから出ていきます……」


 僕はギルド内に置いていた荷物をまとめて出ていこうとした。だが意外にも村の皆は僕を呼び止めた。


「出ていかないでくれ!」


「アスタくっそかっこよかったぞ!」


「キャ――抱いて――!」


 この村を無茶苦茶にしたのに呼び止めてくれる彼らを見て僕は困惑した。嘘だろ?あれだけやったのに許してくれるのか……?


「で、でももう皆の住む家は無いんですよ?僕が燃やしてしまったせいで……。それでも良いんですか?」


「何をおっしゃる!アスタはワシ達を守ってくれた英雄じゃないか!家なんか後で建てれば解決する!」


「本当に胸がキュンキュンしちゃうんです!だからお願い……もう少し此処にいて♡」


 皆が取り囲んで僕を英雄と賞賛する。……でも、でも村の皆はもう住む家も失ったんだぞ!明日から強い風を防いだり、暖かく過ごしたりする事もできない。それにもしかしたら雨が降るかもしれないし……流石におかしすぎる!そう考えていた僕の思いを代弁する人がいた。おっちゃんだ。


「アラン……悪いがお前は出ていくべきだ。お前はバーサスから俺を守ってくれた。それは感謝している。だがケジメというものがある。それはお前が一番解っているだろ?」


「はい……。皆引き止めてくれてありがとう!でも僕は出ていくよ……」


 その発言に村の人皆が罵声を挙げる。


「何がケジメだ!ふざけるな!」


「ギルドの店主調子乗ってやがるぞ!」


 罵詈雑言の嵐を無視して僕は次の村に向かおうと考え、消えようとしたその時ルビナスが動いた。


「村の皆さんそうですよね?でも大丈夫!ルビナスがこの店主にケジメをつけてあげます!」


 そう言ってルビナスはおっちゃんに近づき邪悪な顔をして一言。


「アルカニックブレイカー♡」


「うぎゃああああああ――――!!!」


「お、おっちゃん!」


 僕はおっちゃんの元に急いで駆け寄る。だが、もう遅かった。灰の姿に変貌してしまったのだ。ルビナスがおっちゃんを殺したのだ。僕は彼女に掴みかかった。


「き、き、貴様ァァァ!おっちゃんを何故殺したんだ!ふざけやがって!」


「え、だってルビナスのアスタ様の居場所を作る事が出来ない反乱分子は消すべきでしょ?それが当たり前だとルビナス思うのです!」


 彼女は何も悪気なくそう言い切った。僕は思った。この女神、いや邪神は此処で消すと。


「ルビナス……悪いがお前を粛清する……」


 その発言に彼女は大笑いし、こう返した。


「アスタ様お忘れではないですか?その力はルビナスの全能の書が与えた力ですよ?いつでも取り上げる事が出来ちゃうのですよ――」


「く、クソ!」


「その力が無ければマルクトを助けるなんて出来ないですよね?しかも、こうやって周りが賞賛するなんてもう二度とないでしょ?だったら賢くいきましょうよ!このまま甘美な夢に浸り続けましょう?そして邪魔者は全員殺すのです!」


 僕は自身の劣等感と承認欲求の高さからその提案を受け入れざるを得なかった。いいんだ……これで……このまま思い通りの世界で居続けたい……。


 


  


 


 


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