第3話 目覚めと謎。
俺は目を覚ました。病院の中で。
カイ「よかった!!目を覚ましたよ!!先生!!」
先生「あぁ、よかった。あんま動くなよ、傷が悪化する。」
俺が目を覚ましたのは奇跡レベルの出来事らしい。
切り傷がとても深かったそうだ。
カイ「3日間も、眠ってたんだよ。」
その言葉を聞いてとてもびっくりした。悔しい....あいつを止められなかった。
ゆうまはゆっくりと体を起こす。全身がだるくて...。
まるでなまりのように重い。でも、頭の中は不思議と冴えていた。
先生「倒れたとき、かなりの出血だったらしい。通りがかった人が救急車を呼んでくれて、
すぐに運ばれたんだ。」
カイ「ちなみに、誰にやられたんだ。」
ゆうま「なんでか知らないが、俺...はっきり覚えている。」
なぜかゆうまは記憶が消されてなかったのだ。
これはゆうま自身も理由がわからない。
単なるユキの記憶の改ざんミスなのか...。
ゆうま「それが、リベリオンの正体は、"ユキ"だ。」
この言葉に皆が驚いた。
ゆうま「カイ、お前ユキになんか言われてたよな。」
この前の記憶をカイに聞いた。
これでまたユキにあった時は殺されるだろうが...。
カイ「そんなことあったっけ?俺覚えてないよ...」
ユキは、こんなところまで記憶を消していた。
カイの記憶が消されているということ。
このことから想像できることがある。
それは、ユキは自分がリベリオンだということがわかるかもしれないこと。
いわゆる"都合の悪い出来事"の記憶はすべて消される。
カイ「ゆうま、でもやっぱりユキが黒幕なんて信じられないよ。」
先生「ずっとお前ら仲良かったじゃないか!!そんなはずは!!」
そんな風に考えられるのも今のうちなのかもしれない。
それからしばらく時間が経過した。
しばらくユキのことを話していた。今もそうだ。
その瞬間、病室の窓が“カタッ”と小さく鳴った。
風……じゃない。何かが動いたような音。
カイはカーテンを開けようとした。
ゆうま「待て!!開けるな!!」
その言葉を言う間もなく....。
ガシャンッ!!
何かが窓を破って飛び込んできた。
ゆうまは即座にベッドから転がり落ち...。
床に伏せた。だるさも、痛みも、今は感じない。
ただ直感で、危険を感じた。
黒い影、人のようで、人じゃなかった。
「リベリオンにより命令。ゆうま、カイ、先生。」
「この三人の記憶を、"排除"します。」
カイ「記憶を排除ってどういうことだよ!!」
カイは動揺を隠しきれていない。
どうすれば、この状況で助かることができるのか。
ゆうまもどうすればいいのかわからない。
ゆうま(ユキ...お前はどこまで記憶を消そうとするんだ...。)
そしてその時、!!!
ロボット「カイ、先生、発見。直ちに記憶を排除します」
そこでゆうまがスッと立ち上がった。
ゆうま「待て!!」
ゆうまがカイと先生を守ろうとする。
でもロボットにあっさり記憶を抜き取られ...。
全員の記憶が抜き取られた。
目を開けると、静かな病室の光景がまた広がる。
先生「ゆうま、大丈夫か?顔色悪いけど...」
ゆうま「二人とも、ユキって誰かわかる?」
俺は何か嫌な予感がしたのだ。
先生・カイ「ユキってだれだ?」
——やばい。ユキは、存在そのものを消そうとしている。
記憶だけじゃない。まるで“この世界から存在を削除する”ように。
ゆうま(俺が……止めないと……)
その時、ゆうまの頭に微かに声が響いた。
『——ゆうま。聞こえる?』
その声は完全に——ユキだった。
『やっぱりゆうま。君だけは消せなかったね』
『でも、それも時間の問題だよ。』
『君の“心”ごと、削除する。次は——君の番。』
病室の時計が、カチリと止まった。
また次の日。ユキがいない。
学校に来ない。
リベリオンだとは言え、心配だ...。
ゆうま「先生...体調悪いので早退します...」
先生「大丈夫か?お大事にな」
そしてユキが気に入っていた図書館に行ってみた。
ユキ「やっぱり来たね。探しに来ると思った!!」
こいつは俺を待ってたみたいに椅子に座っていた。
ユキ「さぁ、あの裏山に行きましょう。話すことがあるの!!」
どうせ記憶をまた消してくるのだろう。
俺の記憶が消えない理由はいったい何なのか...。
そして突然ユキはとあることを話してきた。
ユキ「あなたの記憶が消えないのには理由がある。」
敵の言葉だ。信じてはいけないのはわかっているのに、俺は興味がわいた。
ユキ「あなたはもともとリベリオンだったのよ?」
……!?俺は信じられなかった。
そんなはずがない。何の能力もいま持っていない。
完全なる人間だ。
ゆうま「そんなはずはない。完全な人間だよ」
ユキは、にこりと笑った。
ユキ「そう。ならもう仕方ないわね!フフッ」
その時ユキが消えた。というより、高速で移動したように見えた。
気づいたら俺の横にいた。
そして、ユキは俺の耳にむかってこうささやいた。
ユキ「正直になりなよ♡」
俺はその言葉を聞いた瞬間。
なぜか体が締め付けられるような痛みに襲われた。
ドックンドックンドックン。
心拍数がとても多くなり...。
そしていつもの体に戻った。
はずだった。
そうだ...。
思い出した。
俺はユキと同じ....。
「アストラル」だった。
まさかのゆうまが、アストラル...!!
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