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第三十九章:帝の決断

都の秋が深まるころ、俺は二条院に籠もる日々を過ごしていた。紫の上のことも、明石の姫君のことも気にかかるが、公務も増え、思うように時間を割けないでいた。


そんなある日、帝からの勅使が訪れた。


「帝が光の君にお話があるとのこと。すぐに参内を」


◇◆◇


宮中へ向かうと、帝は穏やかな表情で俺を迎えた。


「そなたも忙しく過ごしているようだな」


「はい、身に余るお言葉です」


「さて、本題に入ろう。そなたの娘──明石の姫君のことだ」


帝の言葉に、俺は背筋を伸ばした。


「そなたも知っての通り、皇太子の后を迎える時期が近づいている」


皇太子、つまり俺の異母弟だ。


「そなたの姫君は、品位も聡明さも申し分ないと聞く。いずれ后に迎えるのがふさわしいのでは、という声が上がっている」


◇◆◇


思わぬ話に、俺は軽く息をのんだ。


(姫君が皇太子の后……?)


俺は、明石の姫君を愛している。だが、彼女の将来を考えれば、これ以上の栄誉はない。


「そなたの考えを聞かせてほしい」


帝の問いに、俺はすぐには答えられなかった。


◇◆◇


紫の上のことも、明石の姫君のことも大切だ。


だが、娘の将来を考えたとき、俺がすべきことは何なのか──


宮中の静寂の中で、俺はひとつの決断を迫られていた。

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