第2章 あの子
僕には最近、目で追ってしまう子がいる。
いつも部活の前にすれ違う、腰まである長い髪がつやつやで綺麗な子だ。
あの子とすれ違う時は、なんとなく、背筋を伸ばしてしまう。
僕はロング派かショート派で言ったらショート派だけれど、僕の好みに関係ないくらいにあの子の髪は綺麗で、そして、すごく似合っていた。
かわいかった。
一度も喋ったことはないけれど、噂でバレーボール観戦が好きだと聞いた。僕は野球部だ。
「中学の時、バレー部に入っておけばよかったな」
そんなことをふと呟いた自分に驚く。
僕、あの子のことが好きなのかな。
「話しかけたいな」と思った。
でも、あの子は僕のことなんて絶対に知らないだろうな。急に話しかけたら、怖がられちゃうだろな。
そんなことを考えながら、練習用のユニフォームに着替える。
そして、いつもあの子とすれ違うグラウンドまでの道を歩く。
少しして、離れた角から体育館へ向かうあの子が現れた。
その瞬間、僕は思わず立ち止まってしまった。
あの子から、目が離せない。
あの子が少し俯きながら、トコトコと僕の目の前へやってくる。
頬を赤らめた、ショートカットの君が、大きな目で、僕を真っ直ぐに見上げて、口を開く。
「……あの…………っ!」
声も、すごくかわいかった。
初投稿です。
ぽかぽかと晴れた日の、古典の授業の時に書きました。




