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第53話 マモトク飛行場

何故かここではターミナルには行きません

 マクサアの飛行場を離陸してから約20分後、セスナ172はマモトク飛行場に無事着陸した。ターミナルを右手に見ながら

(この機体、修理出来るかな・・・)

穴の開いた主翼の燃料タンクからは、AVGASが漏れている。着陸の衝撃で、漏れ量が増えたように見えた。“T3”と書いてある看板を見ながら、誘導路に入ると、直ぐ右側は駐機場である。

(どこか修理出来そうな所は無いかな)

周囲を見渡しながら進めていくといつの間にかターミナルを通り過ぎてしまった。ターミナルの隣にはターミナルより高い建物があるが、出入り口は閉ざされており、入れる様子ではない。更に進んでいくと、誘導路のから右手逸れたところに広い空間と、小さな小屋があった。そして、


(飛行機が駐機している!!)

そこには、セスナ172は勿論のこと、PA28、FA200といった飛行機が整然と並ぶように駐機していたのであった。


(とにかく行ってみよう)

ジュアルは、誘導路から、飛行機が駐機してあるエリアに入っていった。


・・・


小屋の手前でエンジンとカットして機体を停止させると、ジュアルは、セスナ172から降りた。外から小屋を覗き込むが、人のいる気配はない。ゲートのようなものがあり、何となく取り出したカード・・・マトヤの西にある結界を解除したカードをを小屋にあった扉の脇にかざしたところ

『解除しました』

どこからともなく、ロボットがしゃべっているような声が聞こえ、“ガチャ”と施錠されていた何かが外れるような音がしたのである。

(???)

ジュアルは、右手にショートソードを握りしめ、小屋の扉を開けた。


・・・


『ほっほほほ・・・よく来た』

ジュアルは、見覚えのある人(?)を見た。金色に輝く例の・・・ツギアのターミナルにいた神と名乗った“あれ”である。


『お前は・・・』

ジュアルが言い掛けた言葉を遮るように


『ちゃんとボナからジュアルにチェンジさせたろう?』

金色に輝く“あれ”が言った。


『確かに・・・』

ジュアルは、前回言われたこと思い出したていた


『ゴヤナではひどい目にあったぞ!』

ジュアルが“あれ”を睨むと


『一反木綿と会ってもらう必要があったからじゃ』

“あれ”はジュアルを指さしながら言った。


『何故?』

『ゴマシカの地方に連れてくるためじゃ』

ジュアルの呟く声に答えた金色に輝く“あれ”は胸を張った。


『邪魔しようとした魔族を追い払ってもうろうたし・・・大成功じゃ』

金色に輝く“あれ”はご機嫌であった。


(冗談じゃない)

ジュアルは対象的に渋い顔になり、目を細めて金色に輝く“あれ”を睨んでいる。


『お前は、マクサアから逃げてきたのじゃろうが・・・』

金色に輝く“あれ”は諭すように話し始めた


『まさか、セスナ172を地上から雷撃するとは思っていなかったのじゃ。あれでは、もう使えん・・・そこで、あれを使え!』

金色に輝く“あれ”は、駐機場に止めている機体の1機を指さした。


『ビーチクラフトA36じゃ。300馬力のエンジンを積んだスペシャル機じゃ』

ジュアルにインストールされた記憶が機体の情報をジュアルに提供していく。飛行規程などの情報が頭に浮かんできた。


『おお・・』

セスナ172と同じく4人乗りの飛行機だが、大きさは明らかに大きい。機体の重さも1.7tと1.7倍ある。セスナ172は160馬力であることから、倍近い力である。


でも、何故この機体?

駐機場には、セスナ172やPA28、FA200といった機体がある。BE36(ビーチクラフトA36)は、それらより一回り大きいのだ。


『なに・・・ちょっと遠出してもらうからのう~』

金色に輝く“あれ”はそう言うと、にやけていた。


(ちょっと、何勝手に言ってるの!)

ジュアルが心の中で叫んでいると


『ここにいれば、コチュカも襲ってこれんよ』

金色に輝く“あれ”はニヤニヤしている。


『まさか・・・』

ジュアルが言い掛けた言葉を金色に輝く“あれ”は遮って


『こちらに向かって移動中じゃ。ま、数日掛るから、それまで、ここを拠点に慣れるのじゃ』

金色に輝く“あれ”はそう言って再びにやけるのだった。


・・・


『まずは、まっすぐ西に行って、クエフの飛行場上空まで往復してくるのじゃ』

そう言って、ジュアルに何かを投げてよこした。


思わず、反応して受け取るジュアルは、それが、機体の鍵であることを直ぐに理解したが

『鍵?』

と言ったときには、金色に輝く“あれ”は既にいなくなっていた。

(あいつ・・・)


『早く行け!ここは外部から入れないように結界を張ってある。だれも入れさせんぞ・・・』

何故か楽し気な“あれ”の声が響いた。


・・・


ジュアルがBE36の機体を確認し、操縦席に入るためにドアを開けると、右席に一冊のファイルがあった

“飛行規程”

と書かれたファイルには、この機体の諸元、操作方法が記載されていたのである。

(でも、何故かわかるぞ・・・)

ジュアルは、飛行規程に記載されていた内容が、脳内にインストールされていることを改めて確認したのち、ピトーカバーと車止めを外してから乗り込み、飛行規程通りにチェックを行った。


(異常なし)

ジュアルは、

『エリアクリア。コンタクト』

と叫ぶと、イグニッションキーを回したのだった。

どうやら、金色に輝く“あれ”のお家があったようです。

そして、雷撃を受けてしまったセスナ172に代わって、BE36の登場となりました。

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