第15話 ブラックマウス狩り
毎朝6時投稿予定です。
『遺跡調査は可能なのでしょうか』
ボナはカウンターの女性に行った。
『ギルドの依頼は存在してはいます。ですが、結界の中に入る方法がわからないので、現在は公開していません。遺跡周辺は危険なので近寄らないことを推奨しています』
カウンターの女性は、そう言うと、1枚の紙を取り出した。
『大きな石は、南北に長く続いていて、北側に“19”南側に“01”を書かれていることが確認されています。決して近づかないでくださいね。大きな石の東側にある森にはオークが出ます。かなり強いので、レベルD以上の方のみ推奨しています』
結局、危険ということ以外はほとんどわからなかったが、
(大きな石というのが、滑走路であるのは間違いないだろう、RUNWAY 01/19か・・・南北方向の滑走路というのは間違いないだろう・・・って、あれ?)
ボナは、滑走路を理解している自分が理解できなくなっていた。
(どうしてわかる・・・?)
マトヤの西にある草原に出る、ブラックマウスを狩るためにマトヤの西にある草原に向かった
(ここは滑走路の北側だから、何か見えるかもしれない)
・・・
ブラックマウスは、ホーンマウスの倍くらいの大きさのネズミの仲間らしい。遺跡の北に広がる草原を住みかにしており、草原に穴を掘って暮らしている。10匹程度の群れを作っており、集団で襲い掛かり捕食する魔物とのこと。Eランク以上が推奨らしいのだが、角ウサギを複数討伐できる実力があれば、群れから逸れた隙を狙って討伐出来るそうで、ボナは、角ウサギ5匹の角と魔石を換金していたことから、推奨された次第である。討伐自体は常時依頼だそうで、魔石が小銀貨1枚、肉が銀貨1枚/㎏で大体3㎏程度解体後にとれるとのことであった。
(1匹狩れば銀貨3枚と小銀貨1枚か・・・3匹くらい倒せば何とか・・・)
ボナはマトヤの街を出て、西の草原に向かった。
(薬草が沢山あるな・・・採取しながらいこう)
王都で使っていた薬草の採取用の袋を取り出し、移動しながら採取していく。草原に着くまでに薬草は袋2つ一杯になった。
(こっちにも薬師ギルドがあればいいけど・・・)
草原を歩いていく・・・冒険者ギルドの説明によると、歩いていると、勝手に集団で襲ってくるらしい。冒険者たちはそうやって襲ってきたものから逃げながら、逸れた1匹を見つけて倒し、そのまま持って逃げてくるとのこと。
(かなり無茶だよなあ・・・)
ボナはその方法に呆れながら、まずはブラックマウスが現れるのを待った。
・・・
(本当に来た!)
黒い塊がボナ目掛けて走って来た。先ずは、逃げることにした。ブラックマウスはあまり早くないらしく、まっすぐ逃げていれば、追い付かれる感じではない。だが、体力はありそうなので、長時間逃げているのは無理そうである。
(引っかかってくれた)
ボナは草原の窪んでいるところでジャンプした。と同時に、用意していた紐を引く。
ボナのジャンプした後には木で組んだ柵が出現した。見えないように草原に倒しておいて、紐を引くと起き上がるように作った罠であった。念のため、ショートソードを持って身構えるボナであったが、追って来たブラックマウスは、柵に激突した後、草原の窪地に落ちていった。
(上手くいった)
気絶に近い状態のブラックマウスにボナはショートソードで止めを刺していった。結果として、10匹のブラックマウスを仕留めることに成功したのである。
『大量ゲット~!』
ボナは、以前、スキッドから貰った、冒険者ギルド特製、解体アシストナイフを使って解体していく。ブラックマウスにも効果があるようで、10匹のブラックマウスは、肉と魔石に解体されたのである。
(肉が約30㎏、魔石が10個・・・とりあえず、今日はこれでいいかな)
肉と魔石を異次元ポケットに収納すると、ブラックマウスを激突させた柵を見に行った。
(あちゃー)
10匹のブラックマウスを気絶させたことに興奮して見落としていたが、柵は、ブラックマウスが激突したことでボロボロであった。よく壊れずに持ったという感じである。
(柵は作り直しだな)
・・・
冒険者ギルドの裏で異次元ポケットに収納していた肉を袋に詰め直し、袋を引きずりながら、無理やり冒険者ギルドの中に入った。大きな物音に冒険者ギルドの中にいた人が一斉にボナを見た。
『すいません。ブラックマウスの換金をお願いします』
ボナが叫んだことで、冒険者ギルドの職員がボナに近づき、巨大な袋をかついて運んでくれた。
『ぜい・・・ぜい・・・』
息を切らしながらカウンターで魔石を入れた袋を出したボナに
『一体どうやって、こんなに仕留めたのですか!』
カウンターの職員の大きな声が冒険者ギルドに轟いた。
・・・
『方法は ひ・み・つ!』
ボナは茶目っ気たっぷりに行った。カウンターでは、水色の髪の先を摘まみながら青筋を立てているカウンターの女性がボナを睨んでいた。
『ボナさんはレベルFでしたよね。角ウサギの放伐が出来るのでAGI(俊敏性)がそれなりあるので、許可しましたが、一体何をしたのですか?!』
カウンターの女性はご立腹らしい。推奨した討伐で冒険者が死亡すると、推奨した方の成績に影響するのだそうだ。
(そんなの知らないよ・・・)
ボナは心中で叫びながら、それでも、狩りの方法は教えなかった。買取作業は通常通り行われた結果、魔石が小銀貨1枚、肉が銀貨1枚/㎏で大体3㎏がそのまま適用され、
ブラックマウスの肉 30㎏(合計) 銀貨30枚
ブラックマウスの魔石 10個 小銀貨10枚
小金貨3枚と銀貨1枚をボナは受け取ったのであった。
・・・
冒険者ギルドの設置されている水晶にカードをかざすと
登録名:ボナ
レベル:F
HP 15/40 MP105/105
STR(力) : 20
VIT(体力) : 20
INT(知力) : 110
MID(精神力): 110
AGI(俊敏性): 210
DEX(器用度): 110
スキル
操縦(固定翼)
真名:ジュアル=ラィシカーラクセン
備考
異界からの訪問者、異世界のパイロット、異次元ポケット持ち
ブラックマウスを10匹討伐した結果、MP以外は全て向上していた。
狩りの腕は向上しています。