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ジュアル=ラィシカーラクセンの冒険=異世界転生?した自家用パイロットの数奇な人生=  作者: OPPA
第1章 ボナ誕生(ジュアルになるまで・・・)
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第10話 昔の依頼

毎朝6時投稿予定です。

 ボナはスキッドが見せた紙・・・古い依頼書を食い入るように見ている。そしてボナは気が付いた。


『この依頼書、いつも見る依頼書と色が違いますね』

そう、この依頼書の紙は何故か黄色っぽく見えたのであった。


『ああ。これはな、高貴な方からの依頼書だ。だから黄色・・・金色っぽくなっているのだ』

昨日、あれほど豪快な話し方だったスキッドの様子もおかしい。


『これは約15年前、王宮から出た依頼書だ』

『王宮からの?』

『そうだ。そして、未だ完了していない』

ボナの背中に再び何かが走った。


『詳しいことは教えてくれなかったらしいが、ボナという女が赤ん坊を抱えて逃げ出したらしい。その時、1冊の本も持ち出したという・・・』

『どんな本?』

スキッドの説明に思わず質問をしてしまうボナ。


『解らん。教えてくれたのは、ボナと刺繍された布に包まれていたということと、ジュアル=ラィシカーラクセンという男に関する本であるということだけだ』

『ジュアル=ラィシカーラクセン?』

(聞き覚えがある名前だな・・・)

ボナはどこかで聞いたような名前のような気がしていた。


『俺もどんな奴か知らん。だが、この依頼は歴代のギルドマスター引き継ぎ事項になっている・・・つまり、未だ有効なままなのだ』

普通、人探しの依頼書が15年も有効なままということはない。もし生きていても赤ん坊の訳がないのである。


『でな、何故かこの案件に関しては、口頭伝承による引継ぎが義務付けられている』

???

スキッドの言葉が理解ボナ・・・正確には、何故口頭伝承が義務付けられているのかが理解できなかった。


『俺も、何故、口頭伝承が義務付けられているのか最近までわからなかった』

『最近まで?』

意味ありげなスキッドの言葉に反応するボナ。


『15年前は、かなり熱心に捜索がされたらしい。当然、孤児院も調査の対象だった』

(なにか嫌な予感・・・)

背筋を伸ばして聞いているボナを一瞥したスキッドは


『当時、ボナという名の孤児はいなかったということなっているらしい』

『えっ?』

ボナはようやくこの状況を理解したのであった。

(ありえない・・・俺は隠されていた?)

孤児院を出る時に渡された布と本・・・。この依頼書が探している赤ん坊が誰なのか理解したボナであった。


『でな、居なかったはずのボナが目の前に現れたわけだ』

『もしかして・・・』

ボナが言い方言葉を遮るように


『この話は、口頭伝承のみなので、歴代のギルドマスターしか知らねえ。そして、先日、先代のギルドマスターが亡くなっているで、今は俺しか知らねえはずだ』

やや、口調が昨日に戻りかけているスキッドであった。


『これからは、おれの独り言だからな・・・一度しか言わねえぞ』

スキッドの言葉に頷くボナ


『ここから14kmほど西に開けた土地がある。西の森の先だ。何かの遺跡らしいのだが、長い直線の道があるそうだ。何故か、巨大な長方形の1枚板らしい。ボナをそこに連れていくと何かが起こるらしい・・・俺もこれ以上詳しいことは聞いてねえし、知らねえ・・・。来月、この依頼書の進捗報告を王宮でしないといけねえ・・・いないはずのボナが現れたことを報告しないといけねえ・・・』


『あの・・・ボナという方は15年前の女性なのですよね?』

ボナは額に汗が噴き出しているのを感じていた。

『そうだ。だが、潜伏していそうな場所・・・孤児院にもボナという名の人間は誰もいなかったんだよ』

スキッドがボナを睨んだ。


『ギルドマスターは王宮に報告されるどうなるのでしょうか?』

『間違いなく、孤児院にいたボナ探して尋問するだろうな』

ボナの問いにスキッドは淡々と答えた。


『来月まで忙しくてな・・・事前に説明をしている暇はなさそうだ』

そう言うと、スキッドは書類の山に目を通し始めた。


『おう!話は終わったぞ』

スキッドはそう言うと黙々と書類の山を読み始めた。


(とにかくここから出よう・・・)

『失礼します』

ボナ部屋を出ていった。


・・・


『西の森近くですか・・・』

1階に降りたボナはちょうどいたグリーナに西の森周辺の話を聞いていた。


『確か、森の先に謎の遺跡のようなものがあるらしいですわねえ・・』

どうやら本当に何か遺跡があるらしい。


『その遺跡についての情報はありませんか?』

思わず聞いたボナに


『確か、遺跡のすぐ東にマトヤの街がありますわよ。遺跡の情報ならあの街のギルドの方が詳しいと思いますわよ』

冒険者ギルドなので、遺跡があれば、それに関連した依頼などもあるかもしれないというグリーナの予測である。


『マトヤの街はどうやって行ったらいいのでしょう?』

『北門から街道が続いていますわよ』

それと、

『ここだけの話ですけど、“うてつそ”という名の地下遺跡がここからマトヤの街まで繋がっているらしいですわよ』

『うてつそ?』

『この王都のどこからかその遺跡入ると、ほぼまっすぐマトヤの街まで行けるらしいですわよ』


『もし在っても公開していないのですよね』

ボナの言葉に

『そりゃそうです。誰も、何処にあるのか知らないのですから・・・』

グリーナはそう言うと破顔した。

そろそろ、地名の法則に気がついた方がいるかも・・・。

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