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ジュアル=ラィシカーラクセンの冒険=異世界転生?した自家用パイロットの数奇な人生=  作者: OPPA
第1章 ボナ誕生(ジュアルになるまで・・・)
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第1話 出発

新しいお話です。

飛行機はしばらく出てこないです。第12話くらいから・・・の予定。

『ボナ。もう寝なさい。明日は早いのですから・・・』

赤毛の老女が、黒髪の子に向かって言った。


『えっ!最後の夜なのに・・・』

黒髪の子の隣にいる女の子が不貞腐れたように言い返す。真っ青な髪が少し揺れた。傍から見ると、黒髪の子の親かと思うほど体の大きい彼女は、ボナを抱きしめると、


『忘れないでね』


と言った後、部屋を出ていった。


残されたのは、赤毛の老女とボナを呼ばれた子・・・。


『院長。お世話になりました』

ボナが赤毛の老女に向かって言った。


『ボナ。あなたには伝えておかなければならないことがあります』

赤毛の老女はそう言うと話始めた・・・。


・・・


=赤毛の老女の話=

15年前、タミアはその特徴的な赤い髪の毛を後ろに縛り、孤児院の前を掃除しようとほうきを持って出来たところ、入り口のドアの脇、中から人が出てきたときにドアにぶつからずに目につく場所に白いに布に包まれた子を発見した。孤児院という場所のせいか、このようなことは年に数回発生する。今回も同じような出来事だと思いつつ、タミアは布に包まれた赤子を確認する。赤子は穏やかな顔で眠っていた。

(生きているらしい・・・)

置き去りにされている子の中には、既に亡くなっている場合も珍しくなかったため、小さいながらも穏やかな寝息がする赤子を確認したタミアは、赤子を孤児院の中に連れて行こうして、床に何か落ちているものを発見した。

 (この子の物?)

タミアは、本のように見えるそれを拾ってみたが、表紙に書いてある文字は見たこともない物であった。赤子を抱えたまま、本をパラパラとめくってみたが、中に書いてある文字は全く見たこともないもので、途中、説明用に書かれていると思われる絵は、鳥のように胴体から羽が出ているものが書かれていた。

(一体これは何?)

タミアは、とりあえず本を掴んだまま、赤子を建物の中に連れて行ったのであった。


 赤子の包まれていた布の端には“ボナ”と書かれた刺繍がしてあった。使われている糸から、高貴な人である予感がしてならなかったが、ここでは、引き取った子の身分は考慮しないことにしていたため、赤子は“ボナ”と呼ばれることになり、布は謎の本と共に、タミアによって仕舞われたのであった。



『ボナよ』

『はい』

赤毛の老女・・・の言葉に答えるボナ。


老女は、ボナの前に布と本を差し出した。ボナは、目の前に出された布と本を見て困惑した。

(これは・・・)

ボナの心を見透かすように、赤毛の老女が


『これは、お前がこの施設の入口に置かれたいたときに巻かれていた布と傍に置いてあった本だよ』

そう言うと、布と本をボナの方に移動させ、


『明日は、お前がここから出ていく日。なので、お前がここに来た時のことを話させてもらった』


ボナは、突然のことで呆然としている。僅かに

『タミアというのは・・・』

ボナが言い掛けた言葉を遮るように、赤毛の老女は答えた。


『ああ、お前を引き取った直後に殺された私の娘だよ』

赤毛の老女は、寂しそうにボナを見た。


『あの子から聞いたままを話しただけだから、本当かは私も知らない・・・けどね、あの子を嘘をつくようなことをする子には育てなかったよ。だから・・・』

赤毛の老女はそう言って、言葉を詰まらせた。


しばらくの沈黙が二人を包む。やがて、赤毛の老女が

『これは、お前のものだ。返したよ!』

そう言ってボナを残して部屋から出ていった。通常、孤児に個人部屋は与えられない。だが、孤児院を出る直前、その準備のため、最後の2日だけ、個人部屋を与えられるのであった。そして、その2日間でここから離れる決心と準備をさせるのである。ボナも例外なく、前日からこの部屋で、出ていく準備をしていた。といっても、個人の荷物はほとんどなく、僅かな着替え(下着)のみしかない。冒険者になるつもりでいたボナは、この孤児院の先輩に当たる冒険者から、お下がりのショートソードを貰い、それを自分で作ったベルトに括り付けていたりしているうちに最後の夜になっていたのであった。


(今日で最後・・・)

用意されたベッドに入ると、睡魔がボナを襲った・・・。


・・・


 翌朝、ボナが起きると、目の前には、前日、赤毛の老女が置いていった布と本がそのまま置いてあった。

(よくわからないけどとっておこう)

ボナは、布と本を背負うリュックの中に押し込んだ。

その後、水とパンだけの朝食を食べたのち、建物の前に集まった孤児院に住む人たちと向かい合っていた。


『お世話になりました』

ボナの言葉に


『達者でな』

赤毛の老女が言葉を返す。


『絶対・・・絶対会いに来てね』

赤毛の老女の脇にいた真っ青は髪の女・・・いや女の子が叫ぶように言った。体格だけなら、隣りに居る赤毛の老女よりも大きい彼女は、子供のように泣き始めた。


『マイナ・・・泣かないで。院長を頼むよ』

ボナは、真っ青な髪が微妙に上下に動くのを見ながら、なだめる様いった。


『マイナは、ここを手伝ってもらうことになっているから大丈夫だよ。気が向いたら様子を見に来ておくれよ』

赤毛の老女が言った。その言葉に小さく頷くボア。


『それでは行ってきます』

そう言うとボナは歩きだした。

朝6時に投降します。よろしくお願いいたします。

但し、今日だけは、12時、18時にも投稿させていただきます。

よろしくお願いいたします。

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